「老後2000万円問題」とは「どこで手を打つか」の問題
人生100年時代の歩き方
【転載開始】
■「老後2000万円問題」とは「どこで手を打つか」
の問題 僧侶による“目からウロコ”の考え方
公開日:2022/02/26
金融庁の資料によれば、60歳の夫婦のいずれ
かが、少なくとも「95歳」まで生存する割合は
5割弱。
現状の日本では、残念ながら「長生きリスク」
となる。
それでも老齢年金の受給額を見ると、80歳から
上の人はまだまだ余裕がありそう。
それ以下の人は少しだけ工夫が必要になりそう
だ。
◇ ◇ ◇
「練馬から千葉県の佐倉に庵を結び、畑もやり
ましたし、内房・外房へ釣りにも出かけました。
都心まで電車で1時間15分は確かに不便かもしれ
ませんが、その間は本も読めますし、何より
『この作業は明日に電車の中でやろう』と気持ち
に余裕ができました。このように一長一短の“長”
をどれだけ多く見るかで、人生は変わってくる
ような気がします」
こう話すのは、浄土真宗本願寺派僧侶で作家の
向谷匡史氏だ。
老後の不安は尽きないが、「足りなかったら、
足りないながらの生活を許容すればいいのでは」
と向谷氏は提案する。
■金融庁試算は1500万円~3000万円の不足
金融庁が3年前にまとめて世間をざわつか
せた「老後2000万円足りない問題」。
試算では、95歳まで長生きするものとし、
65歳以降の30年分の生活費を約9000万円とし
て計算。
これに住宅修繕費や医療費など500万~1000万円、
介護費用0~1000万円が加わるので、トータルで
は9500万~1億1000万円かかる。
これに対し、95歳までに受け取る年金は
月額22.1万円の30年分で約8000万円。
つまり、1500万~3000万円のマイナスとなり、
その間を取って「2000万円問題」となった。
ただし、金融庁は老後の生活費を
毎月24万7701円(2017年度の65歳以上世帯
の平均額)として計算しているが、実際のところ、
同じ高齢者でも75歳以上の世帯になると月の
生活費はグンと減り、22万2395円(同じく
2017年度)に減少する。
この金額で改めて計算すると、不足分は
1000万円程度にまで圧縮する。
要するに、当てはめる数字はさまざまに変わる
ので、「老後2000万円問題」は心配しすぎて
もダメなのだ。
■月1万円~2万円をやりくりすれば何とかなる
「杞憂とは、中国古典の列子にある言葉で、
天地が崩れ落ちるのではないかと心配で夜も
眠れず、食事ものどを通らないという人が
いた故事にちなみます。現実にはそんなこと
はあるはずもなく、取り越し苦労に終わるも
の。生活費が足りないのなら、足りないなり
の生活をするだけ。また、お金を使わないの
も稼ぐのと同じです」(向谷匡史氏)
もっとも、年金に関しては、同じ高齢者でも
80代と60代ではまるで違う。
厚生年金(1号)の平均受給額は「85~89歳」
が16万2705円で、「80~84歳」は15万9529円、
「75~79歳」が15万569円、「70~74歳」は
14万5705円、さらに「65~69歳」は14万3069円
となり、60代と80代では実に1.5万~2万円ほど
の違いがある。
なぜ、こうした差が生まれるかというと、段階的
に金額を引き下げられているからだ。
ちなみに、厚生年金の平均受給額は2020年末
の時点で14万4366円。
男性の16万4742円に対し、女性は10万3808円
となっている。
平均額ではなく、中央値で見ると、
「9万~12万円」が全体で2割を占める。
逆に月20万円以上の年金をもらっている人は
全体の16.1%、25万円以上となると1.8%しか
いない。
年金財政が苦しいからといって、つみたて
NISAやiDeCoに誘導する記事をよく見かけるが、
これから年金生活に入っていく人は月に1万から
2万円くらいの節約は必要になるかもしれない。
■ぜいたくをしたいと思えばキリがない
では、どうすればいいのか?
最も手っ取り早いのは、物価が安く、消費支出
の減る地域への移動だ。
都道府県別の消費支出(全世帯=2019年度)を
見てみると、東京都24万1293円、神奈川県
24万9196円、愛知県24万4450円、兵庫県
24万8225円と都市部は軒並み24万円超え。
一方、全国最少の沖縄県なら19万9122円、
和歌山県も20万8652円と支出を抑えられる。
人口5万人以上の都市との比較では、甲府市、
静岡市、松江市、山口市、長崎市、宮崎市など
が月22.2万円より安く生活できる。
「爪に火をともすような生活は長くは続きま
せん。これに対し、スマホ料金や生命保険は支出
も大きいため、契約の見直しで絶大な節約効果が
期待できます。高騰するガソリン代については、
ポイント還元率の高いガソリンスタンドを探す
のも大切です。ENEOSは、ENEOSカード利用で
ガソリン・軽油が最大1リットル7円引きになり
ます。ただ、究極の節約は自家用車に乗らない
ことです」
(生活経済ジャーナリスト・柏木理佳氏)
自動車の保有ぐらい、週1の外食ぐらい・・・
という時点で昭和の感覚に毒されている。
「仏教には、他者と比較してはいけないという
教えがあります。ところが、先日のオリンピック
でも、やはりメダルの数を競ってしまう。煩悩の
なせる業でしょう。昭和の時代は『平均的』
『~であらねば』というものを求めましたが、
私は最近、近所のワークマンに行って作業着や
手袋を選んでいるだけでも楽しいと感じています。
ぜいたくをしたいと思えばキリがなく、どこで
手を打つかの問題。手を打つのは自分自身です。
自動車を持たなくていいと手を打つのも、近年は
やりのSDGsです」(向谷匡史氏)
大金に囲まれるより、笑顔の人に囲まれる方
が楽しそうだ。
【転載終了】
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義母は、有料老人ホームに入所していま
すが、既に5年で1500万円程か買ってい
ます。
万一、10年入所するとなると、3000万円
かかる見込みです。
既に、老後資金2000万円では足りません。
特養に入所しようにも、介護度5でないと
入所は不可能です。
介護度5だと”特養”でも結構な金額になります。
安くなるのは介護度3程度ですが、これでは
入所が困難です。
自分の両親も96歳の父親と93歳の母親を
寒い時期だけ”老健”に短期入所していますが、
約15万円/月×4か月=60万円×2人で120万円
です。
既に、3年ほどお世話になっています。
年数回ほどショートステーしないと入所
しにくいので、年間4回ほど1週間ショート
に行っています。
費用は大体4万円弱✖2人で8万円程度です。
それなりの預貯金が必要です。