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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

カノッサの道1-ノルマンコンクェストご招待

2017.11.18 03:59

イングランドは1016年、デーン人クヌート大王が侵攻して王となっていた。この時後のエドワード懺悔王は母の故郷ノルマンディーに逃れ4半世紀を過ごした。1043年イングランド王となったエドワードは、その後も英に住むノルマンを頼り、お礼も兼ねてフランスのノルマンディー公ウィリアムを招待した。

イングランドに行ったウィリアムは、ノルマン系の人達にすっかり歓待され「ありゃここは俺達の国だったのか!」と思っても無理はない。ノルマンのベンチャー魂がムラムラと湧いてきたのである。66年エドワードが息子なく崩御した後、王妃の兄ハロルドの継承をノルマン公が待ったをかけた。

実は、ウィリアムはハロルドをノルマンディーに招待したとき、ウィリアムを後継王とすると聖遺物に誓わせていた。そしてウィリアムはついにブリテン島に向かって出陣する、ノルマンコンクェストの開始である。

彼はイングランドに着いたとたんズコーと滑ったが、「ワシはイングランドにキスしたんだ」と強弁し、そのまま在住ノルマンの助けも得て王となった。ここにフランスのノルマンディー公がイングランド王という、百年戦争まで続く因縁が始まるのである。ウィリアムはフランスへの凱旋は歓喜をもって迎えられたが、息子に反逆され、亡くなるときは埋葬にも抗議が出たとのことだ。

下はヘイスティングスの戦い