NG in 1 カートリッジ
「N in 1 カートリッジ」なる存在があります。
「N」のところに数字を入れることによって、「N種類のゲームが収録された1つのカートリッジ」という意味になります。
タイトル画面から複数のゲームを選べて、それぞれ別のゲームを遊べる、というニュアンスだと、ファミコンの場合は『ポパイの英語遊び』や『ドンキーコングJR.の算数遊び』あたりからその傾向はありますが、そのあたりのタイトルを「N in 1 カートリッジ」とは言いません。
『ハイパーオリンピック』や『DONALD DUCK』など、テーマ合わせのミニゲーム集なんかも複数のゲームが集まっていますけど、やっぱり「N in 1 カートリッジ」とは呼びません。
ゲームボーイの『4-IN-1 ファンパック』あたりが、公式に「N in 1」を名乗った始まりのような気がしますけど、これもちょっと違いますかね。
『4-IN-1 ファンパック』(Amazon)
世間一般には、1つのゲームカートリッジに、単品でも成立するゲームが複数入っている商品のことを「N in 1 カートリッジ」と呼ぶようです。
近年でも別々に発売されたタイトルを1つのパッケージにして出しなおすような商売がありますが、まぁ、「カートリッジ」と書いている以上、主に「Nintendo64」以前のゲーム機に見られた商売の話になります。
ファミコンだと、1994年に発売された『ファイナルファンタジーⅠ・Ⅱ』あたりが有名ですね。
ゲームボーイだと、『SELECTION Ⅰ&Ⅱ』や『モータルコンバット&モータルコンバットⅡ』、『ナムコギャラリー』シリーズや『コナミGBコレクション』シリーズが簡単に思いつきます。
『SELECTION Ⅰ&Ⅱ』(Amazon)
『モータルコンバット&モータルコンバットⅡ』(Amazon)
これらのタイトルは、過去に発売されたゲームがそのまま収録されているか、もしくは何らかの調整をされた上で収録されているタイトルになります。
主にゲームで遊ぶために収集しているコレクターからすると泣かされる部類に入るタイトルなのですが、バージョン違いを収集するコレクターからすると基礎中の基礎知識、バージョン違いの入り口的なタイトルになるかと思います。
いずれにしても大事なのは、これらのタイトルはすべて権利元から発売されていることです。
近年ではJNNEXの「8ビットコレクション」や「16ビットコレクション」のような、権利元の許諾を受けた会社から発売される「N in 1 カートリッジ」が出てきたため、この辺りはハードメーカーの許諾は受けていない、昔のゲーム機でも動いてしまう互換機ビジネスの話ではありますが、今後もこの手の商売は続くモノと思われます。
『16ビットコレクション ジャレコ Vol.1』(Amazon)
『16ビットコレクション データイースト Vol.1』(Amazon)
そこで、気を付けなくてはならないのは、許諾を受けていない、完全にイリーガルな「N in 1 カートリッジ」も存在するということ。
90年代には秋葉原のシャッターが閉まった店の前に露店があり、あからさまに怪しいカートリッジが販売されていました。
複数のゲームソフトが入っていて、しかも同じゲームでも、残機数が違ったり、キャラクターが一部違うデザインになっていたりと、単品で購入したゲームでは存在しなかったゲームが収録されているオレンジ色でちょっとサイズの大きいカートリッジだったことを覚えています。
まぁ、その時の露店にはオレンジ色のカートリッジが並んでいただけで、カートリッジの色もサイズも関係なく様々な「N in 1 カートリッジ」が存在しています。
現在でも、その手のカートリッジが中古ショップなどで手に入る場合もあるかと思いますが、当然ながら権利元が認めていないイリーガルなゲームカートリッジなので、手を出してはいけません。
少なくとも、あなたがゲームを大事に思うなら、ゲームを好きであるのならば、絶対に手を出してはいけません。
もしうっかりその手のゲームソフトを入手してしまったとしても、これ見よがしに自慢とかしてはいけません。
SNS上に写真をアップするなど、もってのほか。
なぜなら、自慢した瞬間から、あなた自身が「権利侵害を容認する人」になってしまうからです。
近年では権利侵害をしている「N in 1 カートリッジ」を販売して逮捕された事例もあるので、ゲームが好きであればいわくつきのソフトであることは簡単に想像できるはずですから。
ゲームを入手するにも遊ぶにしても、そのゲームが権利元に利益をもたらしたうえで流通に流れているかどうかを認識するクセをつけて、ゲームライフをお楽しみください。