グラント・パーマー
グラント・パーマー(Grannt Palmer)
Grant Hart Palmer (August 17, 1940 – September 25, 2017)
●4~6世代にわたってモルモンの先祖を持つ。ブルース・R・マッコンキーと家族ぐるみの付き合いで七十人のしんせきを持つという強いモルモンの環境で育った。非常にまじめなモルモン信者であった。
●ニュージーランドで教会の経営する大学で教えた。インスティチュートのディレクターとしてオハイオ州やカリフォルニア州でも働いた。その後ユタで、高校でセミナリーを教えた。34年間教会の教育システムで働いた。
●1985年4月28日、チャーチ・ニューズに
「サラマンダーの手紙」が載った。マーティン・ハリスがW・W・フェルプスに宛てた手紙とされるもので、それまで教えられてきたモルモン書の起源のストーリーをくつがえすものだった。
内容は、ジョセフが金版を掘り起こしていると、『白いサラマンダー【サンショウウオ】』が現れ、霊の形に変身した。そして、ジョセフを3回たたき、兄のアルビンを連れて来なければ金版は渡さない、と言った。
『でも、アルビンは死んでしまった。死体を持ってきましょうか?』とジョセフがたずねるのである。
金版を手に入れてから、ジョセフは金版と一緒に見つけた巨大な銀のメガネを古い帽子の中に入れ、暗闇の中で言葉を読んだ。このようにして翻訳した、というもの。
しかし、実はこれはマーク・ホフマンという男が偽造したものだった。でも、モルモンリーダーたちはこれを本物だと信じた。
他にもホフマンは、ゴードン・B・ヒンクレーを通していくつもの偽造文書を教会に売ることに成功していた。
●後に、サラマンダーの手紙は偽物だったと判明するのだが、熱心な歴史勉強家だったグラントは、ジョセフ・スミスに影響を与えた土着の魔術について考えるようになった。
●モルモン教会の歴史を勉強することによって、心がかき乱され始めたグラントは、牢獄で囚人たちにキリスト教を教える仕事に就きたい、と願いでる。ここで、もっと普遍的な、クリスチャンの教え、聖書からの教えを教えた。後にインタビューで、彼はここでイエス・キリストについて教えられることは幸せだった、モルモンの教えは矛盾だらけでとても苦しかったから、と言っている。
●2002年に「An Insider's View of Mormon Origins」という本を出版する。
この本は、教会が教えている神権の回復の事実に異議を申したてるものだった。
彼は、今まで教えられてきた神権の回復ストーリーは、長い時間かけて変えられてしまったもので、正確でない、と結論づけた。
●この本を書いたが為に、2004年に教会の法廷に呼び出された。
ここでグラントは、14人程の教会のリーダーたちから7時間にわたり、「あなたの本に書いた内容を取り消しなさい」と責められた。しかし、彼の書いた本の内容がウソだから、というのではなく、彼の本を読むことによって信者たちが教会に疑問を持ち始めたから、というのが理由だった。
グラントがこれに応じなかったので、教会は彼をディスフェローシップした。
●「An Insider's View of Mormon Origins」の本の中で、グラントは次のように結論づけている。
ーモルモン書は、古代の金板から翻訳したものではなく、ジョセフ・スミスが当時入手可能だった聖書やその他の書物、代々家族に伝わる夢物語を組み合わせて造ったものである。
ー金版を翻訳する際、実際には金版は使われなかったどころか、近くに置いていなかったこともあった。ジョセフは、帽子の中に石を入れ、顔を帽子に突っ込んで石に浮かび上がった文字を読んだ。それを筆記者が紙に書いたのである。
ーDNA鑑定の結果、モルモン書に出てくるレーマン人は、現在のアメリカインディアンの祖先ではないと判明した。
ーKING JAMES BIBLE(欽定訳聖書)はモルモン書の中でたくさん引用されている。実はこの「欽定訳聖書」にはいくつかの翻訳の間違いがあるのだが、モルモン書にはその間違いがそのまま引用されている。「なぜ神が間違った文章をそのままジョセフに教えたのか?」とグラントは問いかける。
ーモルモン書を実際に見た、という11人の見証者たちは、本当に見たのではなく、
「霊の目」で見た、と証言している。祈っている間に、意識がもうろうとした状態に誘導され、そして霊の目で見た、というのである。
ーバプテスマのヨハネ、ペテロ、ヤコブから訪れを受けた、とジョセフは主張するが、これは後から書き加えられたもので、最初ジョセフはこの訪れについて話していなかった。何年もの間に話を進化させ、ヨハネたちからの訪れを加えていったと思われる。
ーLDSのリーダーたちはジョセフ・スミスは神とイエスという2人の人物から訪れを受けた、と主張するが、これは歴史上の事実とは違う。
●2010年にグラントはモルモン教会を脱会した。
●多くのインタビューを受け、モルモン教会の真の歴史を世界に広めた。
●2017年9月に死去。
●私の感想
グラントさんのユーチューブを見て、教会がどれだけ私にウソをついてきたか、わかりました。
東京ラッシュのことで元東京神殿会長であったR・I兄弟からウソをつかれ、とても傷ついた私ですが、これが私の勉強魂に火をつけました。
グラントさんも、真実を述べたら教会からひどいいじめや嫌がらせを受けたということで、娘さんからも口を聞いてもらえないということで、私と似ているなと思いました。私も妹や親に教会の真実を話すとすっごく嫌がられ、バカにされたからです。
でも彼が、あるインタビューで、こう言いました。
「問題は僕たちではないんだ、みんな!僕は真実を述べている!」
すごく力強い証でした。
グラントさんの話を聞いて、私は独りぼっちじゃない、と思えて嬉しかった。
彼をはじめ、多くの誠意ある元モルモン、現役モルモンが真実を書き始めたおかげで、モルモン教会は少しずつ真実をネットに公表せざるを得なくなりました。今、私がこのブログを書くことが出来るのは彼のおかげです。そして、モルモン教会が真実だと信じなくてもいいんだ、モルモンやめても幸せになれるし、天国にも行ける、と思えるようになったのはグラントさんたちのおかげです。とても感謝しています。
本当は一度でいいからお会いしたかったです。
グラントさんは私のヒーローです。