3月の対象作品はこちら
だんだんと春の陽気になってきました。3月はいろんな節目を迎える方も多いでしょうね。少しゆっくり映画でも観にきませんか?今月のラインナップはこちらです。
ちえりとチェリー
2022年3月7日(月)10時〜
“ 誰もが忘れられない宝物を胸にしまって大人になる ”
[INTRODUCTION]
本作は、命と想像力の大切さをテーマに、困難を乗り越ええようとする少女の心の成長を、ストップモーション技法を用いて丹念に描いたパペットアニメーション作品です。
[STORY]
ちえりは小学6年生の女の子。幼い頃に父を亡くし、母親と二人暮らし。母親は仕事に忙しく、ちえりの話し相手をしてくれない。そんなちえりの唯一の友人が、父の葬儀の時に蔵で見つけたぬいぐるみの“チェリー”だった。チェリーはちえりの空想の中では父親の代わりにちえりと話し、遊び、助言し、守ってきた。ある日ちえりは、父親の法事のため、久しぶりに祖母の家にやってくる。そこでちえりを待ち受けるものとは…… 空想と現実の狭間で、不思議な冒険が始まる!
[2015年/日本/54分]
声の出演:高森奈津美、星野源 ほか
原作・監督:中村誠
脚本:島田満、中村誠
キャラクターデザイン:レオニード・シュワルツマン、伊部由起子
音楽:大谷幸
主題歌:Salyu 「青空」(作詞&作曲 桜井和寿 編曲 小林武史 )(Courtesy of OORONG-SHA MUSIC PUBLISHER)
製作:株式会社フロンティアワークス
©「ちえりとチェリー」製作委員会
リトル・ガール
2022年3月7日(月)13時〜
“ ただ、女の子(わたし)として生きたい。”
[解説]
トランスジェンダーのアイデンティティは、肉体が成長する思春期ではなく幼少期で自覚されることについて取材を始めたリフシッツ監督は、サシャの母親カリーヌに出会った。長年、彼女は自分たちを救ってくれる人を探し続けて疲弊していたが、ある小児精神科医との出会いによって、それまでの不安や罪悪感から解き放たれる。そして、他の同じ年代の子どもと同様にサシャが送るべき幸せな子供時代を過ごせるよう、女性として認めるように小学校へ働きかける。まだ幼く自分の身を守る術を持たないサシャに対するカリーヌと家族の献身、言葉少なに訴えるサシャ本人の真っ直ぐな瞳と強い意志が観る者の心を震わせる。
監督であるセバスチャン・リフシッツは世界の周縁で生きる人々に光をあてた作品を撮り続け、カンヌで4回、ベルリンで4回にわたって正式出品を果たし、世界中の映画祭で高く評価されている。本作『リトル・ガール』も2020年ベルリン国際映画祭で上映後、様々な映画賞を獲得し続けている。また、劇場の封鎖されたフランスでは、同年12月にTV局ARTEにて放送。視聴者数1,375,000人、その年のドキュメンタリーとしては最高視聴率(5.7%)を獲得。オンラインでは28万回以上の再生数を記録し、大きな反響を呼んだ。ドキュメンタリストとして確かな地位を築いたリフシッツ監督が洞察に満ちた繊細なカメラで、家族の喜びの瞬間、直面する多くの課題を捉えた、幼少期の“性別の揺らぎ”に対する認知と受容を喚起する貴重なドキュメンタリー。
[あらすじ]
フランス北部、エーヌ県に住む少女・サシャ。出生時、彼女に割り当てられた性別は“男性”だったが、2歳を過ぎた頃から自分は女の子であると訴えてきた。しかし、社会は彼女を他の子どもと同じように扱えない。学校では女の子としての登録が認められず、男子からも女子からも疎外され、バレエ教室では男の子の衣装を着せられる。7歳になってもありのままに生きられず不自由なサシャ。そんな彼女を支える家族は、彼女の個性を受け入れさせるために奔走し、学校や周囲へ働きかけるのだが……。
[2020年/フランス/フランス語/85分]
監督:セバスチャン・リフシッツ
原題:Petite fille/英題:Little Girl
字幕翻訳:橋本裕充/字幕協力:東京国際映画祭
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給・宣伝:サンリスフィルム
©️AGAT FILMS & CIE – ARTE France – Final Cut For real – 2020
彼らが本気で編むときは、
2022年3月14日(月)10時〜
カタチなんて、あとから合わせればいい
[INTRODUCTION]
『かもめ食堂』『めがね』などの荻上直子監督が手掛けたオリジナル脚本の人間ドラマ。母親に育児放棄された少女が叔父とその恋人に出会い、共同生活をするさまを描く。女性として人生を歩もうとするトランスジェンダーの主人公リンコを生田斗真、その恋人マキオを桐谷健太、母親に置き去りにされたトモを子役の柿原りんか、彼らを取り巻く人々を、ミムラ、田中美佐子、小池栄子、りりィ、門脇麦が演じている。
[STORY]
優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコと、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ。そんなカップルの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ。桜の季節に出会った3人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日。
11歳の小学生・トモは、母親のヒロミと二人暮らし。だがある日突然ヒロミが家出、独りきりになってしまったトモは叔父のマキオの家に向かう。母の家出は初めてではなく、過去にも同じ経験をしていたトモだったが、以前と違うのは、今回マキオはリンコという美しい恋人と一緒に暮らしていたことだった。リンコは元男性で、女性への性別適合手術を受けたトランスジェンダー。そんなリンコの美味しい手料理に安らぎを感じ、団らんのひとときを過ごすトモ。母は決して与えてくれなかった家庭の温もりや、母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコの存在に戸惑いながらも、三人での奇妙な共同生活が始まった……。
[2017年/日本/127分]
脚本・監督:荻上直子
出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、門脇麦、りりィ、田中美佐子、ほか
©️2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
パーフェクト・ノーマル・ファミリー
2022年3月14日(月)13時30分〜
“ 突然告げられた両親の離婚。そして、パパは女性になった── ”
[INTRODUCTION]
マルー・ライマン監督が11歳のときに父親が女性になった実体験を基に脚本を書き、初監督を務めた。撮影当時10歳だったエマ役のカヤ・トフト・ローホルトは映画初出演ながら、ナチュラルで繊細な演技を披露。パパのトマス、のちにアウネーテ役を、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」「ヒトラーの忘れもの」の実力派俳優ミケル・ボー・フルスゴーが演じた。トランスジェンダーの問題を当事者ではなく、その娘の視点で描いていく新鮮さが評価され、デンマーク・アカデミー賞で9部門にノミネート、メイクアップ賞と児童青少年映画賞を受賞した。
[STORY]
デンマークの郊外で暮らすエマは、地元のサッカークラブで活躍する11歳の女の子。幸せな家庭で充実した日々を送っていた。ところがある日突然、両親から離婚すると告げられたことで彼女の日常が一変する。しかも離婚の理由は「パパが女性として生きていきたい」だった…。ホルモン治療によって日に日に女性らしくなるパパのトマスが、やがて性別適合手術を受けるという現実をエマは受け入れられず、ひとり思い悩んで寂しさを募らせ、時にはやるせない苛立ちを爆発させる…。「大嫌い。パパなんか死んじゃえ!」。そう叫びながらも、本当はパパのことが大好きなエマが、幾多の葛藤の果てに気づいた自分の気持ちとは──。
[2020年/デンマーク/デンマーク語・英語/ビスタ/97分]PG12
監督・脚本:マルー・ライマン
出演:カヤ・トフト・ローホルト、ミケル・ボー・フルスゴー、リーモア・ランテ、ニール・ランホルト
原題:EN HELT ALMINDELIG FAMILIE/英題:A PERFECTLY NORMAL FAMILY
日本語字幕:中沢志乃
後援:デンマーク王国大使館
配給・宣伝:エスパース・サロウ
© 2019 NORDISK FILM PRODUCTION A/S