vol.6 ゲスト 寺田千夏さんインタビュー(前編)
はじめましての方も、お久しぶりですの方も、こんばんは!
「好き!」にふれる、熱くしゃべれる、誰かに伝えたくなる。福井発のトークイベント、おふくわけです。
「サクッと読めていいよね!」
「軽くて、おもしろい!」
「なんか結構雑な時あるよね!」
と、ご好評(?)いただいている、おふくわけブログ!ありがとうございます!ほぼ9割の記事を、マスター担当・篠崎先生(30)が執筆されております。が、11/25(土)開催、VOL.06のテーマは「デザイン」!今回はおふくわけのデザイン担当・大阪在住のルーコこと吉鶴がお送りします。
おふくわけVOL.06「酒呑みチーコと下戸ルーコの夜な夜なデザイントーク」
ゲストは、TSUGI 役員・デザイナー、チーコこと寺田千夏さん。
TSUGI http://tsugilab.com/
おふくわけは、現在2期目の福井の小さなデザインの学校・XSCHOOLの1期生チームから生まれたプロジェクト。なが〜〜い試行錯誤の末、トークイベントをスタートさせることを決め、メンバー3人それぞれ、ゲストで呼びたい人の候補をあげることになりました。
その時、福井のことをまだまだわかっていなかった私が、一番最初にパッと思い浮かんだのがチーコちゃん。当時はお会いしたことはなかったけれど、とにかくかわいくて、おしゃれで、愛情ある素敵なデザインにひとめぼれ。同じ大阪出身、同じ年、同じ職業、と共通点が多く、とにかく気になる存在でした。そんなチーコちゃんを、もっと知りたーーーーーい!!!!!!!!!
と、いうわけで、
大阪・梅田からバスで片道3時間半(サンダーバードなら2時間!)、福井県鯖江市河和田地区にある、TSUGIさんの事務所にお邪魔してきました。
日曜日なのに素敵な笑顔で迎えてくれたこの方が、今回のゲスト・寺田千夏さんです!
チーコちゃんデザインのオリジナルの帽子もかわいい!!
ではインタビュースタートです!!
ルーコこと吉鶴(以下ル):簡単に自己紹介をお願いします!
チーコこと寺田さん(以下チ):寺田千夏です。大阪出身です。
京都精華大学を卒業後、デザインの仕事をしていて、大学の友人だったTSUGI代表の新山に誘われて、10年住んだ京都を離れ鯖江に移住しました。来年の春でやっと丸3年たつな~。
ル:え、まだ3年なんや?!実績やご活躍を見ているともう5年ぐらいかと…
チ:そう。私が来てちょうどTSUGIが法人化されたんやけど。
TSUGIは、ちょっと変わったデザイン事務所で。「支える・つくる・売る」という3つの柱で構成されています。
「支える」は、福井を中心とした企業のデザイン業をする。
「作る」は、自分たちで商品を作る。
「売る」は、オリジナル商品や福井の商品を色々な場所で展開する。
基本的に私は「支える」部分を担当しています。他には「売る」のSAVA!STOREという行商活動や、今年の冬に発表するプロダクト TOOWN(トーン)のデザインも。あ、この漆のブローチ。
ル:わ、それかわいいな~と思ってた!漆なんやね。
チ:そうそう。今年の11月にあるIFFTという展示会で発表します。
ル:Sur(TSUGIのオリジナルアクセサリーブランド)ではなく?(吉鶴のお気に入り!インタビューでも実はイヤリングつけてます!)
チ:うん、別ですね。漆の新しい可能性を探るプロダクトの第一弾で、漆とアクリル板をかけあわせてます。伝統的な漆もいいんだけど、若い人ってなかなかとっつきにくい。なので、TSUGIが得意とする《かわいい》というところから、作っていこうと思って。アクリルにただ漆を塗るのではなく、特殊な技法で染み込ませると透明度のある色合いに。経年変化でだんだん色自体が薄くなり、身につける人それそれの色合いに色が変化します。
ル:はぁ…またおもろいことを…
チ:あはは。いま、いろんなカタチや柄を作ってるところ。
ル:それはチーコちゃんがブランドマネージャー?
チ:そうそう。Surははるちゃん(Sur デザイナーの新山悠さん)、漆は私、でBento_Toはメガネのおっちゃん。
ル:メガネのおっちゃん?
チ:新山です(TSUGI代表/デザインディレクター)
ル:おっちゃんは早くないか…
チ:(笑)とはいえ、あくまでもメインは「支える」のデザイン業務。今はアシスタントの女の子が一人、鳥取出身で地元で独立志望がある子で応援したいな~と思って採用しました。鳥取にTSUGI支店がいつかできるかも(笑)
ル:自分たちで立ち上げるところからはじめて、もう人を育てるところまで…いやぁ、すごいなぁ…。もうこれでインタビュー書けるな(キリッ)
横にいたマスター篠崎:いやまだでしょ!インタビューなめんじゃないよ!
ル:鯖江で暮らしてみて、どうですか?
チ:最初の1年間は正直しんどかったかな…。やっぱり大阪や京都に比べて人の距離が近い。近すぎて、ON/OFFがまったくなくて…。たとえば、誰かに「こんなことで悩んでるんだよね」て相談すると、3日後には周り全員が知ってる、そんな感じ(笑)誰も悪くないんやけど、それにどうしても慣れなくて、プライベートの時間がほしくてしんどかったです(笑)
ル:苦労したんやね…今は?
チ:今は全然平気!むしろもっと来いよ。京都で働いていた時は、クライアントとプライベートを一緒にするなんて考えたことなかったけど鯖江ではいかに仲良くなるかで、いい仕事ができるか!ていうのがどんどんわかってきて…恋人になる!みたいな!お互いを信用しあってから、「これめっちゃおもしろいから作りましょ!」て言えちゃう。飲みの席でアイデアが生まれたり。お堅い打ち合わせだけでも物は作れるけど、なんだか味気ないというか…だから、めっちゃ仲良くなりましょうよ!ってなる!(グイッ)
ル:むしろもっと来いよ(笑)いいね!どんなオーダーが一番多いんかな?
チ:新商品や既存商品のリニューアルが多いかな。ロゴやホームページ、販促物とかも。あと最近はブランディングやコンサルティングも入ってきてる。
ル:「コンサルティングしてください!」っていう依頼が来るの?
チ:いや、最初は単純にデザインの依頼が多いのだけど話をしていると、「これ作ってるだけじゃ何にも解決しないよな」ってところが見えてきて。先にこっちを進めたほうがいいのでは、と提案するうちにいつの間にかコンサルティング的なお仕事になることが多い。最終的な形になるまでのリサーチに、全体の8~9割の時間をかけてるかも。
ル:リサーチってどんなこと?
チ:例えば、商品が売れないからパッケージを新しくしたい、と依頼があって。「パッケージをおしゃれにして、ちょっとおしゃれな人に売りたい」と。そして、クライアントがイメージする漠然な「おしゃれって何?」を引き出すところから始まりました。市場の中でのクライアントの市場規模、傾向、競合他社商品などの分析結果を出して、イメージする有名人、雑誌、ファッションなど、とにかくビジュアル化して、お互いのイメージをすり合わせていく。などなど…結局パッケージ新しくするだけじゃダメだと気付き、現在進行形で商品開発をしているところです。それに、半年ぐらいかけてるかな。
ル:勉強になります!!
横にいたマスター篠崎:吉鶴さん、ここまでするの?
ル:いや…今は多いのかもしれないけれど…コピーライターやプランナーと呼ばれる人たちが文字にしたものを私たちデザイナーがきれいに見せる。ということが多いんじゃないかな。ここまでデザイナーが文章まで書くんだって…。そして今、私は非常にショックを受けています。
チ:(笑)
ル:福井以外のお仕事ってある?
チ:福井、鯖江の企業がほとんどなんやけど、最近は徳島県阿波市のお仕事あわアワ~など、県外からお声がけいただくことがちょっとずつ増えています。
ル:うーん、すごい…!!
チ:いやぁ~儲からないよ~必死(笑)
ル:寝れてる?
チ:寝てる寝てる!でも気づいたら、寝る前もクライアントさんのこと考えてる。
ル:いやぁ、すごいなぁ…。さて、ここからはチーコちゃん自身について聞いていきたいと思います。個人的に一番気になっていた、TSUGIに参加するまでのチーコちゃんを教えてください。
チ:幼稚園から大学まで一貫の女子校に通っていました。一人っ子で、母がお嬢様として育てたかったみたい(笑)
ル:え??!!!意外!!!!
チ:そうやねん。エスカレーターでそのまま大学に行くか、音大でピアノ専攻をするか、の2択やって。ただ絵を描くことが昔から好きで、高校の美術の先生に「寺田はデザイナーとか向いてるんちゃう?」って言われたことがきっかけで、なんかカッコイイ響きのデザイナーになりたい気持ちが強くなった。
ル:お母さんはびっくりされたんじゃ…
チ:そう。すっごく怒って反対されて、それなら「お金は一切出さないから勝手にしなさい!」って言われた。勝手にするわ!となったものの、デザイン・芸術の学部は学費が高くて…。だから一番学費の安い人文学部に入学して(笑)デザイン学部の授業に潜りこんでました!
ル:えらい…。すごい…。強い…。
チ:でもやっぱり就職する時に不利な状態だなって気付いて。大学を1年休学して、学外のダンスカンパニーの宣伝美術を担当して、一般の人たちに向けたチラシや広報ツールを1年間作り続けた。そこで他のお仕事も頼んでもらえるようになったり。結局、5年間大学に通い、中途採用でデザイン事務所に入った、という経緯があります。
ル:内定が決まっていた大手の企業に行くか、立ち上げ間もないTSUGIに行くかをチーコちゃんが迷っていた時、《お母さんから「迷ったら辛い方に行け」というアドバイスをされた》というエピソードを別のインタビュー記事で拝見して、自由奔放な家庭に育ったのかな…と思ってたけど…真逆!!
チ:そう!大学に入って、あまりにも私が楽しそうにしてるから考えが変わったみたい。それから、母との関係性も良くなった。あ、あと高校の時にわたし一度CDデビューしてて(笑)
ル:は????!!!
チ:変な曲だけをひたすら演奏する女子7人の変態ガールズバンドやってんけど、テレビ番組に出演するってなった時にアイドル路線で売り出されそうになって。メンバーで相談した結果、解散しようって4年で辞めた(笑)ラストライブは「女7人、正直多かった」っていうタイトル。確か800人ぐらい来てくれてたかな?
横にいたマスター篠崎:いやタイトル!ほんで、はっぴゃく…!!!
ル:ち、ちなみにどこで?
チ:今はもうないんですけど、BAYSIDE JENNY(大阪・天保山にあった2フロア吹き抜けのライブハウス。メジャーなアーティストやイベントがよく行われていました…)
ガンガン入ってくる篠崎:そういうの早く言ってくださいよ!
チ:(笑)
ル:えぇぇぇ!!!おっきい!!!めっちゃおっきいよ!!すごいしっかりしたライブハウス!!!大学の時に行って、大きい箱だなって思った。掘れば掘るほど出てくるんだな、この人…。
チ:(笑)ステージ上では、曲の間奏中に牛乳瓶を何本一気飲みできるかってのをやってたな…。
篠崎:◯ールデンボンバーの先駆けのような…
ル:それはアイドルではないね…
チ:初めて話したかも(笑)あとは踊ったり、歌ってたり、楽器したり…
ル:才能にあふれすぎている…もうパンチ効きすぎて自分のつまらん人生が…(遠い目)
チ:いやいや(笑)やりたいことはすぐやっちゃうだけなのかもしれないです。TSUGI代表の新山は、めっちゃ頭の回転が早くって「THE 考える敏腕な人」けど、わたしは「とりあえずゆるーくやってみよう!」ていうタイプ。新山とはTSUGIってよく5レンジャーやなって言ってる。普段は個々で動いてるんだけど、メンバーがタッグを組むとめっちゃ力が発揮されたりとか!
ル:同じ女性だけど、Surデザイナーの新山悠さんも全然タイプが違うもんね。
チ:また違った意見をくれたり。京都では個人プレイが多かったけど、TSUGIに入ってチームで動くことの面白さを知りました。
ル:本当に相性がいいんやね
チ:うん。中でも新山は大学から一緒だから別格なのかも。また、森(ハルキャンパス代表/森一貴さん)がいることでTSUGIの働き方が格段に変わったな~。最高なマネージャー。30分〜1時間ごとに、エクセルで自分の作業を管理してるし(笑)
ル:森一貴さんは、一度おふくわけvol.4にゲストに来てくれて、頭の回転に早さとトーク力と引き出しの多さに、心底びっくりした!その日はテーマが「教育」だったんだけど、質問もなんでも返してくれて。盛り上がって立ち上がって喋り出す人がいたり、、すごい回だったな。
チ:私は森と一緒に仕事がしたいんですね~
ル:はぁ~。こんなにいろんなことしてるのにまだやりたいことが!どこからそのパワーが!!
……と、チーコちゃんの今のお仕事や、これまでのことを聞いてみました。
ひとつひとつ、丁寧にわかりやすくなんでも答えてくるチーコちゃん。1つの質問に対する引き出しが多すぎて、ますます色々なことが気になり…
インタビューは盛り上がり……
なんと……!!!
そう……!!!
後半に続きますよ(すみません)お楽しみに!
まだまだ参加者募集中!今回も大阪の方からの申し込みがあったり…泣けます。
皆様のおふくわけへのご参加、お待ちしています!!
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「おふくわけ VOL.6」
テーマ:酒呑みチーコと下戸ルーコの夜な夜なデザイントーク
ゲスト:寺田千夏さん(TSUGI 役員/デザイナー)
日時:2017年11月25日(土)19:00(18:30開場)〜21:00
場所:福井県福井市中央1丁目22-7 ニシワキビル(通称スナックランド)2F
料金:2,000円(乾杯の飲み物+お代わり1杯+おつまみ)※3杯目からは追加料金
定員:10名(要予約)
▼参加のお申し込みはコチラから
https://docs.google.com/forms/d/1eWH80rylx3X-8HCsSEFmnLpcm0qh5u5MScxRpMTLVc0/edit
▼お問い合わせはコチラから
ofukuwake.fukui@gmail.com
(返信に少しお時間をいただいております)
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