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Violinist 蓑田真理 Official Web Site

「City Life」をロンドンで聴く

2022.03.05 14:51

もう3月ですね。もう春はすぐそこまでと言いたい処ですがロンドンはまだまだ春を感じられない3月初旬です。

ロンドンライフは先月ロンドンに到着してから学校のオケのプロジェクトや授業に追われておりまして基本朝から晩まで学校な生活で40にして学生生活をガッツリしていましたが少しゆとりができた今日この頃です。

そんな中、先日ロンドンのバービカン近くのMilton Court コンサートホールで夜21:30から行われたエキサイティングなコンサートに行ってきたので少しお話を。


プログラムのテーマは大都市における自然との共存といったところでメインはスティーブライヒの「City Life」。まあ個人的にはこの「City Life」には無茶苦茶思い入れがあるのだけれどその話は後ほど。

21:30という遅い時間のコンサートしかも現代曲だけという演奏会にも関わらず老若男女でほぼ満席状態。みんなワイン、ビールを会場に持ち込んでリラックスした雰囲気でこれから行われる演奏会を楽しみにしてる雰囲気。

オケの団員さんたちもリラックスムード。聴衆と演者が一体で楽しもうとしているのがよくわかる。コンサートの幕開けはBrett Deanオーストラリアの作曲者のその名も「Pastoral Symphony」ベートーヴェンの田園、シューベルトが鱒という自然への賛美を描いてきたが近年では車のノイズやコンクリートの建物に囲まれ自然界の音への愛着が失われつつある。近年の作曲家でメシアンが鳥の声に注目したことは音楽界にとって有益なものである、自然界の音を忘れないようにというメッセージが含まれている作品。

これがめちゃめちゃ格好良かった!鳥の音や森の音をエレクトロニクスで流しながらの演奏もナイス!でした。2曲目はDobrinka Tbakova女性の作曲家の世界初演。今日のコンサートホールにほど近いギルドホール音楽院で学んでたそうな。その時にこの辺は凄く近代的な建物が多くコンクリートだらけでその風景を壁だと感じていたそうな。ストリングトリオを中心としてその周りに他の奏者が立って演奏するという視覚的にも壁を意識した作品。曲調はメロディーが多用された作品だった。


最後は目玉のライヒの「City Life」今回のテーマに相応しいライヒ自身がニューヨークの街中で色んな騒音を採取し、ピアノ2台、弦楽四重奏、木管、打楽器という大編成で作られた名曲。


実はわたくし、音坊主という団体で2004年に学園祭だったけれどもこの「City Life」日本初演してるのですよ。(よくやったよなあ。。学生の勢いだな)しかし著作権のことやコストがかかることからあまり日本では演奏されないので生で聴くのは初めて。やっぱライヒは色あせることが無く恰好良い音楽でした。

休憩なしの一時間もりもりのプログラムが学生は5ポンドで聴けちゃう。

現代曲を演奏するのにも丁度良いコンサートホールがあることとちゃんとプログラムにテーマとメッセージがあるのも、団員さんたちの感覚が優れてるのもロンドンならではという感じがしましたです。

日本のコンサートホールも深夜枠でアルコール持ち込みOKなんて企画面白いかもですね。