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じてんしゃにっき

自転車はギアが多けりゃいいってもんじゃない!

2017.11.12 08:43

はじめての研究室の記事です。

研究というより独り言のような…

「この自転車、ギアいくつあるの?」

クロスバイクやロードバイクといったスポーツ系の自転車を買うと恐らく誰かに言われるであろう台詞です。

また、ネット通販で売っている安いスポーツバイクはこれ見よがしに○○段変速!などと色とりどりのポップで宣伝しています。

「ギアが多けりゃ良いってもんじゃない!」

今回はそんなギアのお話です。目的は主に自分のミストラルさん↓

のギア比を算出し、より効率の良いギアはどれかを選び出す事ですが、恐らくブツブツと呟くだけの記事なので興味がない方はブラウザバック推奨です。

まず○○段変速!の話ですが、全てのギアが使える訳ではないです。正確には変速はできるけど、ロスが生じるため実用的ではないという話なのですが…

クロスバイクやロードバイクはフロントとリアにそれぞれギアがある物が殆どです(MTBはフロントシングルも多数存在)。で、実用的ではないって言うのは何かと言いますと、いわゆるたすき掛けです。

というかそもそもギアの数自体素人受けを狙った遊びみたいなものなんですが…

ふじいのりあきさん 著 のロードバイクの科学によりますと、フロントがインナー(1速)、リアがトップ(1番上)の組み合わせで、最大3°くらいチェーンラインがズレるそうです。チェーンは斜めになると同じ力でも張力が増すという性質があり、張力が増すと言うことは接地面の圧力が増加して摩擦力が増え、ロスが増えてしまいます。

上を踏まえると実用的なギアの数はポップで謳われている最大変速数の2/3も無いのではないでしょうか。

次にギア比のお話です。「なんじゃらほい」と思った方も、これだけは知っておいて欲しいです。

まず、ギア比とはペダルを1回転させた時に後輪が回る回数を表したものです。

【フロントT数÷リアT数=ギア比】となっています。

これは自分の(というか市販の)ミストラルのギア比をまとめた物(速度は23c 90rpm時のもの)で

こちらはGear Ratio Calculator Liteというアプリでそのギア比をグラフにまとめた物です。ちなみに青がインナー、黄緑がセンター、赤がアウターで、下から1速……8速となっています。

さらにちなみにミストラルのギア比は

F:48 38 28

R:11 13 15 18 21 24 28 32

です。

これのどこが「ギアが多けりゃいいってもんじゃない」という話になるのかと言いますと、ほぼ同じギア比の存在があるという点です。グラフで見た時、ほぼ横に並んでいる点がほぼ同じギア比です。

ギア比の誤差±0.3くらいまでをほぼ同じと考えた時(F歯数×R歯数と表記)

・38T×11T≒48T×13T(?)

・38T×11T≒48T×15T(?)

・38T×13T≒48T×15T(?)

・28T×11T≒38T×15T≒48T×18T

・28T×13T≒38T×18T≒48T×21T

・28T×15T≒38T×21T≒48T×24T

・28T×18T≒38T×24T≒48T×32T

・28T×21T≒38T×28T

・28T×24T≒38T×32T(?)

程度にまとめられます(厳密には違いますが、そこはある程度ケイデンスでカバーします)。

(?)が付いているのは入れてみたものの差が開きすぎている奴らですが、ちょうど両極端なのでインナーもしくはアウターを使う事にします。

で、残ったものをチェーンラインがストレートに近づくようにチョイスしていくと…

・28T×11T≒38T×15T≒48T×18T

→38T×15T≧48T×18T

…こいつに関してはFDのセッティングで38T×15Tだとガイドに接触するので48T×18T、つまり3×5速に決定。記事を書いた後で確認したらチェーンラインが38T×15Tの方がまっすぐに近かったので、38T×15Tを使うことに決定

・28T×13T≒38T×18T≒48T×21T

→38T×18T…ですかね。確認したら一択でした。

・28T×15T≒38T×21T≒48T×24T

→38T×21T一択

・28T×18T≒38T×24T≒48T×32T

→38T×24T一択

と決定しました。これでインナートップ、アウターロー以外にさらに7〜8つ使わないギアの組み合わせが出来ました(ただし時と場合によっては、例えばフロントのシフトチェンジをしている暇がない場合などには使わざるを得ないケースも出てきますが)、24段変速だったはずのミストラルさんがあら不思議、なんと実質14段変速となってしまいました。が、使えるギアを絞っておいた方が(=選べるギアを少なくしておいた方が)かえって効率が良かったりするのです。場合によりますが。

最後はかなり偏ったメディアのように強引にタイトルと結びつけましたが、一応当初の目的は達成しました。

今回記事を書きながらギア比について自分でも勉強になりました。結局この記事で何が言いたかったのかと言うと、自転車はギアの枚数よりもギア比とギアの組み合わせの方がよっぽど大切だということです。以上です、独り言に付き合っていただきありがとうございました。