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戦争を起こさない方法、それは若者・若手次第

2022.03.09 06:05

【軍事考察】 戦争を起こしてはならない。戦争は避けなければならない。これは世界中の国の国民が望んでいる事であろう。然し戦争は起こる。何故か。戦争を起こしたい人々がいるから、に他ならない。


今回のロシア(統領:ウラジーミル・プーチン)によるウクライナ(統領:ウォロディミル・ゼレンスキー)への「軍事侵攻」は戦争行為である。『連合国(UN)憲章』の前文に以下が記されている。主語は“連合国の人民”だ。「United Naitons」の国連は意訳で、直訳は連合国。


我ら連合国の人民は、我らの一生の内に二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念を改めて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持する事ができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進する事




<経済制裁は戦争行為>

 歴史家・林千勝(辛丑)は、書籍「日米戦争を策謀したのは誰だ!/WAC」にて「経済制裁は実質的に戦争行為です。」と断言する。第二次世界大戦にて日本が軍事侵攻に至った経緯は、日本への各種の経済制裁。日米戦争の端緒となる「真珠湾攻撃」の五ヶ月前に米国(統領:フランクリン・ルーズベルト)は原油も含む全面禁輸に踏み切った。日本は国民の食糧を確保する必要性に迫られた。


戦争行為には二つある。「軍事侵攻」と「経済制裁」だ。


報道現在で日本が経済制裁を行っている国々を知っているだろうか。今回のロシアだけではない。財務省と経産省が経済制裁先を公表している。


  1. 北朝鮮;東アジア
  2. コンゴ民主共和国;アフリカ
  3. スーダン共和国;同
  4. イラン・イスラム共和国;西アジア
  5. ソマリア連邦共和国;アフリカ
  6. リビア;同
  7. シリア・アラブ共和国;西アジア
  8. ロシア等(ドネツク人民共和国、ルハンスク人民共和国);北アジア(東ヨーロッパ)
  9. 中央アフリカ共和国;アフリカ
  10. イエメン共和国;西アジア
  11. スーダン共和国;アフリカ
  12. マリ共和国;同
  13. イラク共和国;西アジア


以上の様に、日本は北朝鮮と西アジア・アフリカの国々へ経済制裁(戦争行為)を行っている。さて、この国々は今回のロシアの様に軍事侵攻を日本へ行ったのだろうか。例えば、北朝鮮はミサイルを打ってはいるが、日本の「排他的経済水域(EEZ、領海から二百海里)」外へ落ちている。平成十八年に日本(総理:小泉純一郎)は北朝鮮(最高指導者:金正日)へ経済制裁を始めた。



経済制裁の対象外の中韓

 他方、中国(主席:習近平)は平成二十四年より沖縄・石垣島の北方「尖閣諸島」へ領海侵犯。現在では「中国海警局」の事実上、軍船が尖閣諸島を取り囲んでいる。昭和二十八年に韓国(初代統領:李承晩)は「竹島」を武装警察により実効支配。竹島は、明治三十八年より日本領。これは軍事侵攻ではないのか。

そして中韓共に、日本の経済制裁の対象外。


この矛盾を子どもへ説明できるだろうか。日本が国際連盟を脱退した理由の一つに、世界初の『人種的差別撤廃提案』が米国(統領:ウッドロウ・ウィルソン)により否決された事がある。その後にドイツ(総統:アドルフ・ヒットラー)、イタリア(首相:ベニート・ムッソリーニ)等と共にグローバル金融資本の連合国(米英ソ)と対峙する。日独伊はグローバル金融資本への挑戦者だった。


第二次大戦後、日本は敗戦により連合国サイドに入った。現在に至るまで連合国サイドは朝鮮戦争(米対ソ)やベトナム戦争(米対ソ)、湾岸戦争(連合国対イラク)等を起こし続けている。日本は憲法九条により、軍事侵攻へ関与してこなかった。


但し、上記の通り、日本の事実は軍事侵攻の火種となり得る経済制裁を行っている。



戦争を起こさない具体

 戦争を起こさない方法は「軍事侵攻をしない・させない事」「経済制裁をしない事」、そして「戦争を起こしたい人々を知り、押さえる事、決して煽られない事」。


岸田内閣は、今回のロシア制裁も閣議決定を遅らせていた。日露は第二次大戦後の「平和条約」を未だ結んでおらず、休戦状態。軍事大国・ロシアが日本へ軍事侵攻をさせる理由を現在、事実上の戦争行為「経済制裁」にて与えてしまっている。令和四年三月二日にロシア機とみられるヘリが、北海道・根室半島の南東沖にて日本の領空を侵犯した。


また、七日にロシアは日米欧を「非友好的な国家」に指定。指定国の企業は、取引時にロシア政府の許可を得る必要とロシア債務者は、指定国の債権者へロシア通貨「ルーブル」で返済できる。翌八日に日本はロシアに抗議した。同日に米国はロシアの原油・天然ガスの輸入禁止を発表した。


これらリスクを日本国民は知っているだろうか。各報道機関は、報じているだろうか。今、ロシアは日本へ攻撃してない。むやみやたらにロシアを敵視する事は、リスクを引上げる事に他ならない。但し、革命を狙う新共産主義の報道機関は、“嫌露”を煽るが当然。


鍵は“世論”。日米戦争も米国世論が厭戦だった為、なかなか実現できなかった。若者・若手の世論を以て日本での戦争を防ぐ。若者・若手という世論が嫌露を煽れば、戦争のリスクが上がる。戦地へ赴くのは、何時の時代も若者・若手だからだ。若者・若手は「戦争主権者」、とも言える。何よりも第二次大戦前の若者・若手に世論を変える発言権は無かったが、現在の全ての若者・若手はSNS等で発言可能である。


※括弧内は当時

記事:金剛正臣

画像:Defence of Ukraine/Twitter、経済制裁措置及び対象者リスト/財務省、尖閣諸島周辺海域における中国海警局に所属する船舶等の動向と我が国の対処/海上保安庁、竹島が韓国により不法占拠されていることをご存じですか?/内閣官房、ロシアヘリか、根室沖で領空侵犯 空自がスクランブル、厳重抗議/共同通信