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今治のオフィス

2017.12.06 15:25

「今治のオフィス」は、海運業・造船業・舶用工業が集積する愛媛・今治にある船舶用機器メーカーの本社屋です。今回、特別に見学させていただきましたのでご紹介します。(※通常は非公開ですのでご注意ください。)

このオフィスの設計を行ったのは、広島と東京の二拠点でデザインを行う、谷尻誠/SUPPOSE DESIGN OFFICE。特徴的なエントランスの空間は設計者によって「パーク」と名付けられました。

この空間について、設計者の谷尻さんはこう述べています。

この建物のエントランスをわれわれはパークと名付けた。扉を開けたその先に広がる空間は、もちろんエントランスホールとして機能しながらも、お昼になれば社員さんがお弁当を持ち寄り食事することによって食堂となり、お客様と商談をすれば会議室へと、部屋の名前が変わっていく。(p.158「新建築」,2013年5月号)

「パーク」の上部は吹き抜けており、吹き抜けの周りの空間は、打合せにも休憩にも使えそうです。それでいて、廊下のような、物置のような、展示スペースのような――そんな、あいまいで多義的な空間が連続しているようでした。

あらためて、建物を外から見てみましょう。

建物の外部は木ルーバーで覆われたデザインが特徴ですが、このルーバーによって、熱や光の環境の調整により快適な空間が確保されています。

日射を遮蔽するルーバーの幅も、南側は広くて北側は狭く、天井面に近い面は広く調整されています。採光条件などによってコントロールしているようです。

3階より。吹き抜けをスロープが囲み、それぞれのフロアをゆるやかに繋いでいます。

ガラス面の内側は全周をぐるりと棚が並び、場所によって、業務書類、資料、カタログ…とそれぞれの置き場に使い分けられていました。

設計室。各階それぞれの部屋はガラスの壁で区切られています。デスクなどの什器もこのオフィスにあわせてデザインされています。

照明類のスイッチ。照明機器のデザインなども含め、細かいデザインに船や船舶用機器を思わせるデザインがちりばめられているようでした。

この会社の主要な製品であるクレーンの模型がエントランスを入ってすぐの「パーク」に設けられていました。操縦席を覗いてみると……

バリィさんが操縦していました(笑)。


今治のオフィス