よもやま話4 ラフロイグとラガブーリン
山奥にある管理事務所を出て職員と歩き出す。
「熊はいますか?」
と言う私の問いかけに、管理事務所の職員は、
「いるに決まっている。と言うか、そこに居ますよ」
と少し先の崖の上を指差した。大きくは無いが、熊がこちらを伺っている。
人が殆ど入らない山に入ることがたまにあるが、熊に出会ったのは初めてだった。
この出会いより、前を走っている車が熊を轢き殺すなど、熊には何度か遭遇しているが、関わった人は、熊なんてどこ吹く風だった。
そんな感じで、熊に対する免疫ができたあるとき、刈終わった牧草地を、地元農家の爺様達数人と歩いていたら、進行方向200mほど先に熊が出てきた。
「あー。熊ですね」
と私が声をだすと、皆走って元の来た方向に逃げ始めた。
(え~。走るのアリ?追いかけられるんじゃないっけ?それは猫か?[科])
とつまんなにことを考える前に、私も走ることにした。さて、走り始めると、新たなる問題が発生します。
(追い抜いていいのかな?)
私は、脚力には少々自身があり、あっという間に、爺様達に追いつく。抜くのは簡単だが、クライアントを抜くのは、マズいような気がする。
(まあ、車まで20秒くらいだから、殿[しんがり]でもいいかな)
と思うが、
(誰か転んだらどうする?)
と、脳裏をよぎる。
結局、誰も転ぶこと無く車まで無事戻り、熊も追っては来なく、事なきを得た。
因みに、スコットランドには熊はいない。
こんにちは、永遠の追跡者Qです。
第2回ウイスQ会では、アイラ島で最も隣接しているラガヴーリンとアードベック蒸留所を扱いますが、もう一つ隣接している蒸留所があり、これはラフロイグ蒸留所です。そしてラガヴーリンとラフロイグには確執があったことが有名です。
1800年半ばにラフロイグは、ラガヴーリンと契約し、ウイスキー販売を委託していましたが、ラガヴーリンはラフロイグを自社ウイスキーに混ぜるなどしていたため、純粋にラフロイグを市場展開できませんでした。このためラフロイグは契約を破棄します。
これに怒ったラガヴーリンの社長マッキーは、ラフロイグの水源を止める行為を行います。これは裁判になりラガヴーリンは当然敗訴します。
しかし、ラガヴーリンのマッキーは納得がいきません。そして、ラフロイグを潰すため、ラフロイグと同じ味のウイスキーを作ることを思いつき、モルトミル蒸留所を建設します。これは、ポットスチルのコピーや人材の引き抜きなどなど、えげつないものだったようです(老害)。そして、これはラフロイグに大きな損害を与え、生産の回復までに長い歳月を掛けることになります。
これを読むと、ラガヴーリンに嫌な印象を抱きますが、今はどちらも、親会社が違い、また、ラガヴーリンもラフロイグも素晴らしい味わいのウイスキーなので、気にせず飲んで下さい。
おしまい。