2022秋分の星読み
2022年の四季図の中で異彩を放っているのがこの秋分図。
昨年も秋分に大きな変化と切り替わりを感じたのですが、終わりと始まりがつながっているという感覚と比べてみても、起承転結の「転」にあたる部分のインパクトは意外と強いのかもしれません。
アセンダントは蠍座26°「キャンプを作っているインディアンたち」。
蠍座のパワーを最大限に使い、射手座的な理想の自分自身になっていく。
その旅の最初に出会うのが、チャートルーラーでもある冥王星。
自分の持っている能力を最大限に活かすことを目指していきますが、
外側の基準に合わせていた今までの考え方ややり方は正解でも成功でもない、
そんな状況で一体何が成功であり自己実現だと言えるのでしょうか。
チャートルーラーは蠍座の副支配星の火星、とも言えます。
火星は7ハウス、双子座18°にあります。
サビアンは「中国語を話す二人の中国人」。
自分を刷新し続けながら、同じ言語で語り合える他者=自分の一部と対峙する。
うまく話そうとしなくっていい、ぎこちなくとも、自分の心を丁寧に紡いでいくように。
こうであると思っていた自分、こうでなければと思っていた社会に縛られず、
土台ごと果てしなく広がって行く感覚を味わいながら。
太陽は、満を持して10ハウスへ。
夏至で咲かせ始めた花が実を結ぶけれど、今はまだ望んでいたようなものとは程遠いと感じるかもしれません。
それもそのはず、熟すまでにはもう少し時間が必要なのだから、ここではまだ収穫には早すぎる。
ただ、より大きく実らせたいものや、次の年の種を採るための成果を見越しながら、早めに摘み取る果実もあっていい。
MCは乙女座。日々の暮らしの楽しみや心身の健康を意識しながら、バランスの取れた自己像を創っていく。
それを支える心身の動きや意欲も活発ですが、勢いに任せたいところをちょっと我慢して、自分自身にとっての平和や調和を最優先できる方向を目指す。
土台が広がっている分、たくさんの選択肢があって迷ってしまうかもしれませんし、ついつい慣れた方を選んでしまうかもしれません。
それよりも、これまでだったら選ばなかったものやことを選んでみては?
一度は大きく迷うかもしれないし、やっぱり違った、って思うかもしれない。
選ぶものがあるということは選ばなかったものがあるということ、
だけどただポジティブに見せようと失敗を認めたり、
反対にネガティブに後悔するのではなく、経験の方に目を向ける。
選んだ自らの意志と行為のほうを肯定してみること。
秋分と時を同じくして、太陽と水星がコンジャンクション。
逆行の水星は、天秤座9°から乙女座の25°まで戻ります。
これまで培ってきた自分の結晶を一旦取りに戻った後、
再び大きな変容に向けて走り出します。
もう過去を振り返ったり深く潜らなくとも、望む時にいつでも結晶を取り出せるくらいのパワーを秘めているのかもしれません。
カルミネートしている月とセレスがコンジャンクション。
天秤座に入った太陽の後ろ、乙女座には金星がいて、再び冥界へと降っていくセレス(デメテル)の娘コレー(ペルセフォネ)のようにも見えます。
乙女座の星座は麦の穂を持った女神、セレスを表すサインです。
コレーがいなくて嘆き悲しむんじゃなくて、彼女の幸せを願いながら地上にいつでも豊かな実りをもたらせる、本来の女性性や母性を取り戻せるようです。
コレーと同じく、太陽も秋のゲートをくぐり地下世界へと進んでいきます。
太陽はここからどんな旅をしていくのか?ヘリオセントリックも見ていきましょう。
春分で芽吹いた太陽を貫く強い意志が、脈々と受け継がれているようなチャート。
ようやく壁を打ち破って、外の世界へと現れ始めます。
ジオで見えてきたコレー(ペルセフォネ)/金星とハデス/冥王星は135°、
ほんとうの愛のために闇と対峙すること、決して物理的な戦いというのではなく、
自分の闇をしっかりと見つめること、向き合い統合すること。
神話に描かれる物語も、時代や魂の成長によって変容していくのです。
セレスとコレーの母娘関係は決して美しい愛ではなくって乗り越えなければならないもの。
コレーとハデスの関係性は、初めは望まぬものだったとしても、向き合い心を通わせることで愛の関係性へと発展していく可能性がある。
それは個々の人間同士の間で起こりうる物語でもあれば、一人の人間の中にいるさまざまな「自分」の側面が混じり合っていく過程でもある。
地球にいる私たちは、次々に生まれるそんなやりとりを今はただ見つめているだけかもしれないけれど、その豊かさに感謝してただただ前を向いて進み続けるだけなのだ。