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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

カノッサの道3-改革の鬼グレゴリウス7世

2017.11.21 02:34

主役グレゴリウス7世。彼はトスカナの貧しい大工の家庭出身だから、粘り強さが一味違う。ローマで勉学に励み、教皇グレゴリウス6世のスタッフとして引き立てられた。教皇がハインリヒ3世に退位させられるとケルンで修道院に入った。修道士として生涯を送るつもりが、レオ9世により再びローマへ戻る。

レオ9世は真面目な教皇で、クリュニー修道院の理念で、聖職売買禁止、聖職者妻帯禁止を決定した。1056年にハインリヒ3世が崩御。帝国出身のステファヌス10世も改革を続行し、彼は帝国の重臣の次男で、まだ幼いハインリヒ4世を廃して自分の兄を皇帝にしようと画策したようだ。

続く教皇選で、イタリア貴族の支持でベネディクトゥス10世が就任したが、ヒルデブラントら改革派は、帝国に後押しをさせてニコラウス2世を擁立。そして新教皇は改革派のもとで、他の影響を廃し、枢機卿と司教のみで教皇を選出することを決定。聖職者の任命権をめぐる叙任権闘争がいよいよ勃発する。

次の教皇選では帝国の承認なく、アレクサンデル2世を選出。帝国は認めず、ホノリウス2世を対立教皇とする。しかし帝国でクーデターが起こってアレクサンデル2世を承認した。そして1073年、再三の辞退の後に、いよいよ真打ち、ヒルデブラントが教皇位につく。しかし帝国では、ハインリヒ4世が成人して親政を開始していた。