特別講演・春日神社の祭礼
現在篠山市歴史美術館で行われている、春日神社祭礼展「美の饗宴」。
その特別講演が11月18日(土)に篠山城下まち会館で行われました。
講師は次の方々。
小栗栖 健治氏(神戸女子大学古典芸能研究センター客員研究員)
久下 隆史氏(園田学園女子大学非常勤講師)
久下 正史氏(灘中学校・高等学校教諭)
小栗栖先生は、中世から江戸時代にかけての祭りの移り変わりという視点からのご講演。
篠山市黒岡春日神社の祭礼は、鉾山(篠山では山鉾ではなく鉾山)の形から見ても京都の祇園祭の影響を大きく受けている。
しかし、全国的に見ると祇園祭を模していても独自の発展を遂げた祭りも多く、祇園祭の山鉾や祭礼の形を色濃く残している祭りは意外に少ない。
(例)亀岡祭、篠山市域の祭礼にはよく残っている
中世から江戸期にかけて、町人が自分たちで祭りを行う上で、その地方にあったやり方で独自に発展して行った…という内容を、資料の多い播磨地方の例を見ながらご説明いただきました。
久下 隆史先生は、春日神社や篠山城の成り立ちや時代背景、さらには春日神社の祭礼が近隣の地域にどのような影響を与えたかというご講演。
特に京都の祇園祭が始まったあと、近隣地域に山車が登場するのは、京丹波を飛び越えて兵庫丹波であったことには驚きました。
久下 正史先生は春日神社の祭礼そのものの移り変わりを当時の絵や写真を見ながらわかりやすく解説いただきました。
また神社だけでなく地域に保存されている古文書などをもとにした年表はかなり詳細なもので、これを見せていただくだけでもかなり楽しめますね。
模型を作る人間としては、貴重な絵や写真を見ることができたのも大きかったです。
観覧されていた方に、篠山市でまだ見ることができていない山車の存在を教えていただくなど、思わぬ情報を得ることができましたし、とても実りの多い講演となりました。