【特集】梶 芽衣子 作品が待望のデジタル化!全4回のインタビュー動画公開中!
銀幕のスター女優として70年代に名を馳せ、現在も熱い支持を受けている梶芽衣子。役者の仕事とともに、歌手としても70年代から活動を開始、自身の主演映画・ドラマの主題歌を数多く歌い続け、ことに東映映画『さそり』シリーズの主題歌「怨み節」は大ヒットを記録した。
梶芽衣子の数々の名曲群のうち、2022年2月23日より、テイチクレコード所属時代の楽曲を中心に、全85曲が一挙デジタル配信された。このうちの14曲はこれまでCD化もされておらず、新たにアナログマスターテープからデジタル化されたものである。
梶 芽衣子自身が選曲した「10曲」の制作背景やエピソードを語る特別インタビュー動画公開中!
今回の配信を記念して、梶芽衣子自身が選曲し、その制作背景やレコーディング・エピソードなどを語る特別インタビュー「梶芽衣子の10曲」が、全4週にわたりTEICHIKU RECORDSのYouTube公式チャンネルにて公開されている。
■梶 芽衣子
まずは彼女の代表作となった「怨み節」だが、こちらは4作続いた東映映画「さそり」シリーズの主題歌で、1972年12月1日に発売された。あの独特の捨て台詞のような歌い方はどのように生まれたのか、そして、レコード音源と映画で流れるバージョンの違いなど、あまり知られていないエピソードまでを披露してくれた。この曲の大ヒットにより、翌73年は歌手としても1年にシングル4枚をリリースするという、人気歌手なみの大活躍となったのである。
■梶 芽衣子 特別インタビュー #EPISODE 1
「銀蝶渡り鳥」は、「怨み節」発売にさかのぼること9か月前。日活から東映に移籍しての第1弾主演映画『銀蝶渡り鳥』の主題歌で、ポップス演歌的な歌いまわしが今聞くと新鮮である。銀座のホステスさんが女性ハスラーとなって対決、というユニークな映画の制作エピソードは必見。
■梶 芽衣子 特別インタビュー #EPISODE 2
続く「牙のバラード」は彼女の主演ドラマ『戦国ロック・はぐれ牙』の挿入歌で、主題歌の「はぐれ牙」ともども、「ルパン三世のテーマ」などで知られる大野雄二の作曲。かなりの難曲を梶芽衣子はどう歌いこなしたか?そして「修羅の花」は73年の東宝映画『修羅雪姫』の主題歌で、作詞は原作者の小池一雄。作曲は「必殺」シリーズの音楽でおなじみの平尾昌晃。しかもこの楽曲は2003年に公開された、クエンティン・タランティーノ監督の映画『キル・ビルVOL.1』の挿入歌として使用され、映画の大ヒットともに梶芽衣子の名を世界的に有名にした。この映画ではエンディングに「怨み節」も流されるなど、タランティーノ監督がどれほど梶芽衣子フリークであったかを証明する作品となった。また、「さそり」「修羅雪姫」の2つのシリーズによって、梶芽衣子は「復讐する女性ヒロイン」という、日本映画史に残るキャラクターを築き上げたのである。
■梶 芽衣子 特別インタビュー #EPISODE 3
73年9月1日発売の「やどかり」は、名作詞家・阿久悠の手によるもの。そして「ジーンズぶるうす」は東映映画『ジーンズブルース 明日なき無頼派』の主題歌で、元ブルー・コメッツの井上忠夫(大輔)が作曲と、やはりこの2曲もこの時期の映画女優・梶芽衣子のイメージを踏襲した作りだ。
映画やドラマの主題歌とは関係なく、シンガー・梶芽衣子の魅力を堪能できるのが、74年に発表されたアルバム『去れよ、去れよ、悲しみの調べ』である。大野克夫、松任谷正隆らが作編曲を手掛け、当時のトップクラスのミュージシャンが演奏に参加、現在流行のシティ・ポップ的なサウンドが展開されているのだ。この中から、なかにし礼=かまやつひろしコンビによる「雨の夜あなたは」と、この時期の梶芽衣子作品を支えた作詞家・浅木しゅんと、シンガー・ソングライターの下田逸郎のコンビによる「南風」についてのエピソードを開陳してくれた。
梶芽衣子は、一時期歌手活動を休止していたが、2000年代に入り、再びシンガーとして始動をはじめる。その2018年4月18日には、実に43年ぶりというオリジナル・フル・アルバム『追憶』を発表。全編ロック・テイストで演奏されたハードな内容は、往年のファンから新たに梶芽衣子を知った若い世代までを驚かせたが、その中からタイトル・チューンの「追憶」と、再レコーディングされ、大胆にロック化を成功させた「怨み節」の新バージョンについて、熱く語ってくれた。
■梶 芽衣子 特別インタビュー #EPISODE 4
ここに紹介した「梶芽衣子の10曲」は、いずれもシンガーとしての類稀なる個性を体感できる作品ばかりである。そして、歌手・梶芽衣子の世界はここにとどまらず、多彩な表現力をもって、女の性や、愛や、人生を歌いつづっている。今回のインタビューをご覧になった方たちは、今回の一挙配信を機会に、ぜひ1曲でも多くシンガー・梶芽衣子の世界に触れていただきたい。
(文・馬飼野 元宏)
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