4.48 PSYCHOSIS
劇作家サラ・ケインの遺作をめぐる2年間プロジェクト。
designed by Eriko Kikuchi
若葉町ウォーフ アーティスト・イン・レジデンス企画
~地域から発信する演劇作品制作~
サラ・ケイン 没後20年企画 『4.48 PSYCHOSIS』
4.48 Psychosis 、倉庫で、オペラ!
サラ・ケイン。1971年イギリス生まれ。劇作家。
彼女が戯曲を執筆した1990年代は、ルワンダ紛争、湾岸戦争、ユーゴスラヴィア紛争の時代。
ケインは、当時のイギリス兵たちの残虐な行為を戯曲に挿入し、鮮烈なデビューを飾った。
劇場界は、目をつむりたくなるようなその暴力行為(バイオレンス)に、拒否感をあらわにした。
1999年、4.48 Psychosisがこの世に生まれ、
サラ・ケインが自らの手でこの世を去って、もうすぐ20年を迎える。
2010年からサラ・ケインの“Cleansed”(『洗い清められ』)を連続上演する中で、
“4.48 Psychosis”という戯曲の存在はどんどん大きくなっていた。
これは、戯曲なのか。なぜ、この劇作家は、この戯曲を書き刻んだのか。
戯曲の背後のサラ・ケインのカラダ。息が通り抜け、叫び、そのカラダを震わせている。
この身体を、上演したい。
オペラだ!!!
20年という節目を目指して、“4.48 Psychosis”のオリジナル・オペラ制作を行います。
ドラマトゥルクとして、本国イギリスでサラ・ケインの研究を行うニーナ・ケインを迎え、
極めて私的に歴史と対峙したテキスト“4.48 Psychosis”を、ほどいてみたいと思います。
――若葉町ウォーフ アーティスティック・アソシエイト 川口智子
◇プログラム1 上映会+トーク
2010年~2013年、連続上演した“Cleansed”のビデオ上映+トークプログラム。
1月31日(水)19:00
上映:『浄化。』(2011年 演出:川口智子)
トークプログラム:新見百代(アートフォーラムあざみ野男女共同参画センター横浜北)&ニーナ・ケイン
新見百代(にいみももよ)お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科 ジェンダー社会科学専攻修了。修士(学術)。身体とメディアイメージ、国家と身体の関係をテーマに研究を続ける。2015年より、(公財)横浜市男女共同参画推進協会にて勤務。主に講座事業を担当し、浜野幸監督「百合祭」の上映を実現。議会の男女比50:50を目指す「パリテキャンペーン」実行委員。
2月1日(木)19:00
上映:『洗い清められ』(2012年 演出:川口智子)
トークプログラム: 近藤弘幸(シェイクスピア研究者、東京学芸大学教授/『洗い清められ』翻訳者)&ニーナ・ケイン
近藤弘幸(こんどうひろゆき)英文学者。東京学芸大学教授。川口智子の「クレンズト・プロジェクト」に上演台本を提供。エドワード・ボンド『戦争戯曲集』の翻訳があっぷる出版社より近刊予定。
◇プログラム2 オープン・ワークショップ
2月3日(土) 13:00~16:00
ファシリテーター: 川口智子(演出家、若葉町ウォーフ アーティスティック・アソシエイト)& ニーナ・ケイン(招聘アーティスト/キャスト・オフ・ドラマ芸術監督/イギリス)
◇プログラム3 テキスト・リーディング
2月7日(水)+2月8日(木) 19:30
『4.48 PSYCHOSIS』 テキスト・リーディング
演出:川口智子(演出家、若葉町ウォーフ アーティスティック・アソシエイト)
ドラマトゥルク:ニーナ・ケイン(招聘アーティスト/キャスト・オフ・ドラマ芸術監督/イギリス)
舞台監督: 伊東龍彦
音響: 島猛(ステージオフィス)
照明: 横原由祐
出演: 滝本直子(劇団黒テント)
声の出演: ドルニオク綾乃
主催:一般社団法人横浜若葉町計画
共催:マグカル・フェスティバル実行委員会
協力:神奈川県アーティスト・イン・レジデンス推進事業
後援:ブリティッシュ・カウンシル
2017.11.21 posted
サラ・ケイン『4.48 Psychosis』上演に向けた新企画。
2018年2月若葉町ウォーフにて始動!
若葉町ウォーフがオープンして6カ月。
その間、ウォーフに泊まること60夜あまり。
夏には香港の友人たちとの協働製作合宿、秋には鴎座公演の手伝い、その間、「宿の人」「事務所のお姉ちゃん」「なんかやってる(ような)人」といろんな役柄でウォーフを感じてきた。
さて、来年度に向けてどうしようか、と考えた時に、今一番取り組みたいと思っている作品づくりを始めるべきだと思った。
サラ・ケイン『4.48 Psychosis』オペラ化。
構想は2012年『洗い清められ』上演後に始まり、
2013年『Viva Death』はそのための試演の要素もあった。
この5年の間に、本国イギリスではロイヤル・オペラ・ハウスが同戯曲をオペラ化した(2018年4月に再演される)。
若葉町の交差点の角にたたずむかつての町の金融拠点。
昼間は多言語が飛び交い、夜になるとカラオケがちょうどよく響くこの場所で、
極めて私的に歴史と対峙したテキスト『4.48 Psychosis』をほどいてみたいと思う。
この戯曲は、サラ・ケインの遺書ではない。
協働者としてイギリスのサラ・ケイン研究者ニーナ・ケインを招き、オペラに向けた第一歩、“テキストリーディング”を行います。
――若葉町ウォーフ アーティスティック・アソシエイト 川口智子
Photo by Akira Endo
『4.48 Psychosis』リーディング上演、クレンズド・プロジェクト『浄化。』『洗い清められ』上映会+トークセッション、オープンワークショップ、2018年2月若葉町ウォーフにて。
詳細は近日中発表いたします!!! 問い合わせ先:cleansed2010@gmail.com