幻想庭園ノベライズに向けてのキャラ解説
公演の当日パンフレットにひっそり記載した通り。
12月より、少ーーーしずつ『棄てられし者の幻想庭園』をノベライズして行こうと現在準備中だったりしておりますが。
その前に、舞台版のまだ蔵出しし切っていない写真も含めて、改めてキャラクター各々の解説をしておきたいと思います。
ノベライズ版から入って頂ける、そんな稀有な方はそうそういないと開き直って、多少のネタバレはしちゃいますがご容赦を。私も語りたい人なのでw
勿論、ノベライズ版で初出しになるような部分は語りませんよ。あくまで舞台版基準です。まあ、明かしちゃって支障の無い所は出しちゃいますがね。
では、行きましょう。ここからは作者の趣味の世界かもしれません(笑)
ギルド『幻想庭園(ファンタズマゴリア)』のマスター、シルバ(actor:矢花イサハル)。
年齢は30代後半。
スキルを与えるマスタースキル『覚醒(リバイブ)』と、人の死の因果を刈り取り保有・それを再び誰かに与えることが出来る固有スキル『生命判断(ジャッジメント)』の使い手。
今回の話であるアカネ編から7年前の10月。ハヤト他4名の仲間と共に出雲近くの山道を走行中、対立政治家の策略により滑落事故に遭い一同生死の境を彷徨うが、その際に気紛れを起こしたとある通りすがりの神によりスキルを与えられる(この際、死亡していたハヤト以外の4人も同様に別のスキルを与えられている)。
そこから、ハヤトを中心とした「国家清廉計画」の中核を担うギルドの関東支部マスターとして活動を開始する。元々は熱めの性格だったが、精神のバランスを取る為に飄々としつつ厨二臭い性格に。
他のギルドマスター仲間同様、元刑事でSPの経験がある為戦闘は得意。本人は細身なので主に柔術系の使い手。
舞台版では、かなりのおフザケ好き。しかし〆るところは〆るカリスマ性でメンバーからは慕われていた。
ちなみに、「ジャッジメント!」は、一時期舞台稽古中にメンバー内で流行した過去がある。
それ以外は作者のキャラクター像をかなり忠実に汲み取って演じてくれていました。
さあ皆も一緒に刈り取ろう。ジャッジメント!!
『棄てられし者の幻想庭園』ヒロイン、アカネ(actor:入江冴来)。
年齢は19歳11か月。
自身の出生の秘密に関する資料を持ち去り、失踪。自殺に失敗していた所、奇跡的な偶然でギルドの扉を開いてしまった少女。
あらゆる物理的外傷を防ぐ固有スキル『精霊の盾(イージス)』に目覚めるが、それがきっかけで世界存亡の危機になりそうになったりならなかったり。
元々は人当たりが良く活発な方。年齢の割に幼い雰囲気があるのは母親との生活の影響が強い。
舞台版では、ギルドへの馴染み度70%と言われながらも直後に99%クラスのシンクロ率を見せる事もある程の積極性を見せる面も。更には初対面に近い筈のシルバから自身の服装を笑いのネタに使われても動じない精神力の強さも併せ持っていたりと、やはり生来の順応力の高さが伺える。
中二病なノリや用語を一切知らないのはキャラも中の人も一緒という事で、本当にまんまアカネとして最後まで悩みながら稽古中から舞台上までいてくれました。良い子です、アカネ。大好き。
なお、巨乳なのかどうかは永遠の謎。
ギルドグランドマスター、ハヤト(actor:熊澤薫)。
年齢は30代後半。
国会議員であり、ギルドを束ねる長でもある。人間の力で世界を変える事を目的に活動している若き獅子。とんでもなく長い肩書を持つ。
7年前の事故の際一度は理不尽に命を落としたが、神にスキルを与えられたシルバにより一命を取り留める。その後、同じくスキルを与えられた仲間と共に世界を陰から変えて行こうとギルドと言う組織を立ち上げる事を決断するが、ハヤト自身は表の世界に戻る為スキルを得る事を断固として拒否した。その後、仲間の暗躍もあって異例の速さで閣僚入りを果たし、刑事時代の経験と知識を活用して犯罪撲滅を掲げた政策を進めて来ている。
鉄面皮だが、根は真面目で仲間想い。多少なりと冗談も言うが、本人の雰囲気もあってシュール。
舞台版では、刑事時代の経験でソナタやシルバとじゃれ合いの戦いを繰り広げたりしていた。シルバとは逆に、一撃が重い剛拳タイプ。
冗談が冗談にならないくらい真面目だったため、女性陣から本気で冗談を仕込まれたりしていた。が、結局その真面目さとスーツ姿がウケる要因になっていることを最後ら辺で理解。良いキャラです。色んな意味で。
ギルドの頼れる医療秘書、ミコト(actor:初山ほのか)。
年齢は三十路周辺。
ギルド『幻想庭園』の古株で、相応の医療費と引き換えに対象の細胞を本来あるべき状態に戻す固有スキル『完全懲悪(イノセント)』の使い手。
元は専守防衛を旨とするヤンキー集団の長だったが、内部抗争に破れ絶命。そこを警察時代にやり取りのあったシルバに救われギルド入りを果たす。そこからはギルドの秘書と医療班と会計係を担っている。
ヤンキー時代の我流の武術とシルバ直伝の二丁拳銃術を駆使した独自の戦闘術を使って荒っぽい依頼をこなす事もあり、何かと忙しい日々を送る。
舞台版ではシルバのノリに合わせて歌舞伎のお囃子を入れるなどお茶目な面も見せるが、基本はもの凄く親切にアカネに接してくれるお姉さん的存在。
スーツ&ヒール&ポニーテールという、美しいが非常に戦いにくいスタイルで戦闘をするというとんでもない人です。ごくたまにスキルと間違えて実弾を撃っていないか心配になりますが、そんな事はきっと無い……筈。
恐らく、男子の憧れのお姉さん的要素を全部詰め込んであるキャラクターです。
おちゃらけサイコメトラー、シグレ(actor:青木伸悟)
年齢は20代後半
ギルド『幻想庭園』の探索班。物体の「目」に当たる部分で見た、その物体に込められた記憶を読み取る固有スキル『読心術(サイコメトリー)』の使い手。
ホストっぽい外見はギルドに加わる前の習慣の名残(ホストだったわけではないが、外見には気を遣う職業)。それなりにノリが良く、メンバー内では適度に良い距離で接してくれるお兄さん的立ち位置。
舞台版では、スキルの副作用の解消のため、リビングでヨガをやったり積極的に偽装工作の工程を担当したりと運動率が高い。
彼は戦えるし気も遣えるしそこそこ有能な筈なのですが、他のメンバーの色が濃すぎて何となく縁の下ポジションに。
作者の趣味とも言えるのですが、この話では女性陣の方が活躍しますね。でも男性陣がいないとそれも成立しませんからいなくて平気と言う訳でも無いのです。世界に影響を及ぼさない者などおらんのです。はい。
癒しの鉄面皮、イノリ(actor:西本果央)
年齢は20代前~中盤
ギルド『幻想庭園』の受付嬢兼カフェのフロア担当。常に笑顔でいられる固有スキル『癒しの面(ハピネス)』の使い手。
アカネのようにギルドの願い叶えデーに運良く来れた人間を出迎えつつ、その願いを最初にふるいに掛ける役目を担っている。洞察力に優れ、笑顔の裏で対面した人物を鋭く観察している。ミコトに師事し、ギルド内での戦闘力はシルバを除けばナンバー2。戦うメイドとして、かなりの成果を上げている面も多い。
舞台版では、たまに笑顔の影から黒い面を覗かせたりしながらも、基本的にはメンバー間の潤滑油的な役割を果たす。
常に笑顔、という最大限に厄介な事をさせられている人です。あらゆる感情を笑顔で表現するって、なかなかキッツいですよね…。私は笑顔で怒る人ほど怖い人はいないと思っています。
報われない主人公キャラ、フタバ(actor:山本亮)
年齢は20代半ば
ギルドのカフェ調理担当。物事の成功確率を0か100にする固有スキル『両天秤(ゼロスタンス)』の使い手。
カフェではイノリと、ミッションではメグミとコンビを組んで行動し、ソナタにもよくイジられるため何気にハーレム属性を持つ。が、性格の問題か好みの問題か、本人は特にその気が無いらしい。ど個性の固まりであるメンバー達に囲まれながらアカネのような平凡そうな女の子に目を付ける当たりは主人公キャラ適性を持つが、果たしてどちらのせいか、特段何かが始まる様子は無い。
舞台版では、体を張って非戦闘員のコヨミを守ったりしていたが、メグミのスキルの副作用のせいもあり何の活躍もしなかった。メンバー随一の報われない役回り。
本来なら主人公でもいいくらいの、地味だけど女の子に優しく出来るキャラクターでしたが、さすがにここではとんでもないスキル持ちがうようよしているためにイマイチ前には出辛いか。
ちなみに、どんなに掘り下げても今の所はフタバが一番幸せになるエピソードは出て来ませんw
トラブル運搬・解決娘、メグミ(actor:丹冴夏)
年齢は18歳
ギルドでのほほんと暮らしている女の子。自分の幸運を全て他人に分け与える固有スキル『最期の一葉(ラストリーフ)』の使い手。
スキルの副作用で周りを巻き込むトラブルを引き起こしやすいためギルド内で明確な役割を持ってはおらず、日々メンバーの誰かしらに構ってもらいに行っている。自覚はあるので、大人しくする時は大人しくしている。トラブルからの自衛と言う意味合いでも戦闘技術の心得はあるが、教わる際にミコトに大分手を掛けさせた。
舞台版では、最終的に問題解決のためのきっかけを作ったりと重要な役割をしていたが、その陰で大分不運をまき散らしていた。
写真はスキルを使用する時を正面から映した様子。舞台版ではぼんやりキャラをコヨミに掻っ攫われた感はあったものの、やはり観葉植物みたいなキャラクターではあると思っています。日向ぼっこが似合いそう。
キャラ人気NO.1、ソナタ(actor:おおさわさき)
年齢は20代半ば
ギルド1の自由人。その場にいる事に疑問を持たれなくなる固有スキル『因果の鎖(ルールメイカー)』の使い手。
少女のような外見で悟りを開いた老人のような口調を使う、しかしテンションの高いちぐはぐな存在。スキルを駆使して潜入捜査などの危険な任務に就くことが多いためあまりギルドにいない事が多いが、いたらいたでやかましい。派手な服装や顔にルーン文字を描くなど、自己主張の強い厨二病なノリのこのギルドに良く馴染んでいる。護身術くらいは心得があるが、自ら積極的に戦う程ではない。
舞台版ではアカネにセクハラを仕掛けたり、無謀にもハヤトに喧嘩を吹っ掛けものの見事に玉砕するなど、最も賑やかかつムードメーカー。
おかげ様で舞台版では大人気になりました。こういう飛び道具は作っていても楽しいですね。
作者の中でも女性の好みとして上位に当たるキャラクターでしょう、実際にこんな人いたらびっくりしますがw
時を駆けずに見る少女、コヨミ(actor:如月遊李)
年齢は20代前半
ギルドでは事務作業を担当している中性的な女性。数分~数時間程度先の未来を見たり見えたりする固有スキル『懐中時計(クロノス)』の使い手。
元来八方美人で、美麗な外見と立ち振る舞いで誰とでもある程度の会話を成立させられる。今はその性質は也を潜め、メンバー間の緩衝材のような役割をしている。紅茶の入れ方がギルド随一で、冷めても美味しいと評判。カフェでも利用される程。戦闘技術は一般人よりはあるレベル。
舞台版では何故か常におねむ。他のメンバーが賑やかな中、一人スローテンポを貫いた。しかし、アカネを説得する時だけは女子に好かれる女子の本領を発揮し、アカネを連れ戻す事に大いに貢献した。
舞台版では作者の想像から唯一にして一番外れたキャラ。でもおかげで存在が立ち、人気も上々だったようです。ソナタやメグミとは違う、純に百合百合出来る貴重なキャラ。ひゃっほう。
小説版ではどうなるのか、期待していてくださいw
ラスボス感満載教祖、イシキ(actor:原田達也)
年齢は40代前半
天命教という、表向きは女神を信仰する社会の成功者達が集う新時代の世界の運営を目指す団体の幹部。その実態は黒魔術結社の代表。
本来はきちんと表の世界で成功しており様々な方面にパイプを持つ、世界長者番付に喰い込んで来そうな程の人物だが、非合法組織と通じ黒魔術の追及のため公表出来ないような実験を繰り返していた。不要と判断したものは即座に切り捨てる事で成功を積み重ねて来たため、選民意識と上昇志向が高い。
舞台版ではうっかり口を滑らせたり、ふざけたノリのギルドの面々にもきちんと意見をぶつけてあげたりと、どこか憎めない部分も見える人物。しかし最終的には心を折られて自首した。
ある意味、一番人間らしい人です。このお話の根幹の一つでもある「敗者無くして勝者無し」の精神を描くにふさわしいキャラクターをしています。
悪役は突き抜けてこそ、人気が出ますよね。よく分かります。
利用された神の器、トーコ(actor:桜井まゆ)
年齢は三十路前後
女神系の厨二病患者。
本来引きこもりで、特別秀でた能力がある訳でも無かったが、とあるきっかけで厨二病仲間と出会い、コスプレにも目覚め外へ出る事を決意。そんな折、天命教に目を付けられた。
現実に対して諦めの境地にいたため、逆に他を否定しなくなるという器の大きさに通じた。その性質がアカネにも大きな影響を与える事になる。なお、服も羽も全て手作りの普段着。
トーコに降臨した神は、シルバ達にスキルを与えた張本人。経過観察中のシルバ達の非常事態を間近で観察する為、偶然繋がりが深まったトーコを利用した。神自身は人間よりも絶対上位存在という自覚を持っているため、一見親しげに見えて結構黒い。全ては淀み無い観察の為。
舞台版では、とことん神様関係に使われる人になってしまい、本来の性格が出るのはほんの一瞬。しかも名前も明かされなかった。
都合上、舞台版では出番が大幅にカットされてしまったキャラクター。ファンの皆様、本当に申し訳ありません。その分、小説版では大幅に活躍してもらいます。
このキャラクター自体は、作者も相当の愛を持って作っていますよ。聖母と言うべき存在ですw
という事で。長々と主要登場人物を振り返ってみました。
小説版での新キャラや、逆に舞台版にしかいないキャラがいたりするかもしれませんし、どこか幕間にアンケートで要望の多かったキャラのサイドストーリーが出てくるかもしれません。それはこれからの作者さん次第という事でw
それでは。これからのステゴリア、気長に刊行をお待ちくださいませ★