誰が祖国を売ったか?(1954)Canaris
〈プレスより〉
スタッフ
監 督・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アルフレット・ワイデンマン
原 作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エーリッヒ・エベルマイヤー
脚 色・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヘルベルト・ライネッカー
撮 影・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フランツ・ワイマイヤー
音 楽・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジークフリート・フランツ
音楽指揮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フリッツ・シュワルツ
装 置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ルドルフ・ツェヘトバウワー
キャスト
カナリス提督・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・O・E・ハッセ
アルトフ大尉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アドリアン・ホーフェン
ハイトリッヒ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マルチン・ヘルト
ホル大佐・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヴォルフガング・プライス
イレーネ・フォン・ハルベック・・・・・・バルバラ・リュチンク
フェルナンデス・・・・・・・・・・・・・・・・・・ペーター・モスパッヘル
トレンチ男爵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シャルル・ レニエ
ベックマン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フランツ・エッセル
デーゲンハルト大佐・・・・・・・・・・・・・・・・ヘルベルト・ヴィルク
フランス士官・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クラウス・ミーデル
秘書ウィンター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アリス・トレフ
リュドケ夫人・・・・・・・・・・・・・・・・イルゼ・フュルステンベルク
グシュタポ隊員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オスカー・リントナー
空軍助手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ノラ・ハーギスト
ウルマン少佐・・・・・・・・・・・・・・・・フリートリッヒ・シュタイク
ベーレンス大尉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オットー・ブラームル
フォン・ハルベッグ・・・・・・・・・・アルトゥール・シュレーダー
解説
嘗ての名門ドイツ映画は、戦後久しく鳴りを秘めていたが、先頃公開されて大好評を拍した「08/15」とこれに続く「戦線の08/15」のあたりから、ようやくドイツ映画の真価を発揮した作品に接することが出来るようになった。
「08/15」正・続篇はドイツ軍隊の内幕を暴露した諷刺劇であったが、この映画はそれと趣きを異にした、全篇、緊張感の連続するサスペンス・ドラマとなっている。
即ち、第二次世界大戦のドイツにあって防諜機関の長官であったカナリス提督が、ナチ・ドイツ独裁政権の強制下にあって、終始、戦争防止の信念を抱きつつ、祖国を救うために、独裁者ヒットラー暗殺計画事件に参加して、刑場の露と消えた苦悩の半生を凄惨な迫力で実話風に描き上げたものある。
篇中、数多く往時の戦争記録映画を巧みに挿入し、戦争映画らしい迫真力と風格も兼ね備えて、この映画を大きなスケールを持った戦争映画としている。
原作は、エーリッヒ・エベルマイヤーのベスト・セラーズ、これを現在ドイツ映画界の第一線の脚本家ヘルベルト・ライネカーが脚色し、次代のドイツ映画を背負う新鋭監督アルフレット・ワイデンマンが演出を担当している。
以下、撮影フランツ・ ワイマイヤー、音楽ジークフリート・ フランツ、装置ルドルフ・ツェペトバウワーという一流のスタッフで構成されている。
主演のカナリス提督には、 「ベルリン物語」や「戦線の08/15」の他にアメリカ映画「暁前の決断」 「大空輸」や更にヒチコックの「私は告白する」などで、特異な個性と重厚な性格演技を既に知られている、ドイツの代表的な性格俳優O.E ハッセが扮し、内面的な渋い演技で、孤独な悲劇の将軍を好演していその他に、「スイスの嵐」「大罪人」「ザルツブルグの季節」の好漢アドリアン・ホーフェン、女間諜イレーネに扮する「最後の橋」 「ドミノ」の新星バルバラ・リュチンク、「08/15」のマルチン・ヘルト、ヴォルフガング・プライス、ペーター・ モスパッヘル等々、多彩な演技者が適役を得て好演している。
尚、この映画は一九五五年度ベルリン映画祭で大賞を得ている。
(独ファマ・F・A・ マインツ映画 一九五五年度作品)