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yoyo

小説

2022.03.15 13:10

空に向かって指をさすベビーカーに乗った女の子。「昼なのにお月さまがあるね」と言う母親。私自身、子どもと何度も交わした台詞。けれども台詞の意味は私たちと彼女たちでは違う。そして私が何度も繰り返した台詞も都度意味が違った。私にとって小説を読むことはそうした意味を知ることに似ている。同じもの、同じセリフ、同じシチュエーション。それでもそこに宿る意味に、その瞬間に、通底するものはあれど一つとして同じものはない。


昨日まではぜんぶ崩壊してしまえぐらいに思っていたけれど、周りの方も気遣ってくださり、普通のテンションで仕事ができた。上司だけは私の特別休暇申請を面倒そうにしていた。ここまできたらもう清々しい。私は私のやるべきことを淡々としようと思った。何も思わず、淡々と。新卒の頃に同期が言っていた言葉。それはときに誤りで、ときに正しい。


小手鞠るいさんの『早春恋小路上ル』読み終える。自分もこんな風に生きられたらと思う。