菜虫蝶と化す
二〇二二年三月十五日
菜虫蝶と化す
なむしちょうとかす
◯
雪
水にちかい 春の雪が
朝から降っていました
一日遅れての更新です
こちらは旧暦 和暦ともよばれる
二十四節気・七十二候に合わせ
本州とは少し違いのある
ここ札幌での季節の移ろいや
当店での季節の過ごし方や感じたことを
思いついたままに綴るという
実験的な試みです
気がつくと始めて2年
◯
大きな雪山が少しづつ小さくなり
雪解けがすすんできました
春を感じるようになりましたが
こちらの芽吹きまではあとひと月以上あるため
春を感じる植物を見たくなります
家にお花を飾ったり
なにかの植物を育てたり
ときどき植物園などの温室を覗くのが
この時期のたのしみです
小さい頃に母がしていたことは
今になるとよくわかり
気がつくと同じことをしています
◯
温室の植木鉢の草たちが
なんだかおいしそう、、
と思ってしまい
春に向けて身体が
青々とした野草や
山菜を求めているんだなぁと
実感しました
春の始まりは
冬の間に溜まったものを
身体から出す期間で
山菜などはそれを助けてくれます
新しいものをいれるには
まずは出すことで
季節も身体も
終わりがまた始まりになり
めぐっていく
◯
先人たちの暮らしや和暦を
学んでいくうちに
旬の食材を食べる理由は
とても理にかなっていて
おおきな自然の循環のなかに
わたしたち人間も含まれ
足元にはすでに必要なものがある
と気づかせてくれます
このことは
当店で大切にしている
"その時にある
その土地で生まれた素材"
からお食事を作っていることの
理由のひとつでもあります
人間によって
もうこれ以上生み出したくないものが
たくさんありますが
遺していきたいものもある
そんなことを
手段や方法は違っても
ここ10年ずっと考えていた
悩んでいた時期もあったけれど
今はこうして
少しづつ実践できて
決して少なくはない方達と共有することができる
無駄なことはひとつもないと思えます
◯
長くなりましたが
目を通していただき
ありがとうございます
明日も一日
無事にすごせますように
2022.03.16