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マヤ

『余韻』(続・臣隆妄想劇場55)ショートバージョン

2017.11.14 16:25

臣を送り出した後、ベランダにコタツ布団と羽毛掛け布団を干す。



冬の晴れ間は日差しが心地よい。



雲ひとつない青空が広がっている。



部屋に入ると、臣の好きなブレンドの香りがまだ漂っていて、



その香りだけで不思議とリラックスできる。



シーツは全て取り替えた。



ノリの効いた清潔なシーツを張ったベッドにそっと腰掛ける。



数時間前まで相方と肌を重ねた場所。



今も余韻が残り、思い出すたびに鼓動が早くなる。



(おれ…スゲー声出してたよね…恥ずかし…)



臣と深い交わりをしていることに、

抵抗は無くなったが、



女子っぽくなるのは死んでも嫌だ。



男としてのプライドが許さない。



体を貫く快感を覚えると、自然に声が出てしまうが、



「あん」とか「ダメ」とか、女子っぽい言葉は絶対あいつに聞かせたくない。



結果、相方の名を連呼する。



臣はその声を聞くのが好きで、興奮もMAXになるらしい。



(あいつは基本俺様だから、もっと俺に言って欲しい言葉もあるんだろうけど…)



ピンと張ったシーツの上に手を置き、激しかった昨夜を思い出す。



(あり得ない体勢と、あり得ない動き…)



(仕事の合間に予習でもしてるんじゃないの?)



ノーマルな夫婦でも、どんなに激しい夜を過ごしても、



翌日には、何事も無かった様な顔で、夫は仕事に行き、妻は友人とランチ…。



(俺はムリ…余韻だけで顔が火照ってくる)



時計を見る。



(軽くシャワーして、半身浴して俺も出掛けなきゃ…)



浴室に入りシャワーを開く。



全身が映るミラーで、撮影に支障がある痕跡がないかチェックする。



どうしても外に出る首や鎖骨付近は避けるように、いつも臣に言っている。



一段と激しかった昨夜も、そのルールだけは守ってくれたようだ。



(オフの前日だったら、こうはいかないけど、やればできんじゃん…)



最近肌を露出する衣装が多いので、胸や腹も要チェックだ。



「げっ…おみ〜…💧」



見ると、へそ周辺から太ももにかけて、無数のキスマークが残っている。



(そこ集中かよ…)



(ほんと…あいつヤラシ…)



恥ずかしい反面、愛されているのも実感する。



(見える場所じゃないから、このままでいいか…)



ふと、浴槽の端を見ると、大きめの透明なビニール袋に、大量のアヒルのオモチャが入っている。



昨日はひとつだけ湯船に浮かべていたが、いつか湯船が見えなくなるくらいにアヒルを浮かべ、



『アヒル風呂』なる物を作り、



隆二をその中に入れて、画像を撮る気らしい。



【回想】


隆二「その画を撮ってどうしたいワケ?」




臣「インスタ映えするでしょ?」



隆二「POSTするの?」



臣「するワケねーじゃん」



隆二「イミフ…」




スマホに保存しておいて、作詞とか煮詰まった時の気分転換にするみたいだ。



(どんな趣向だよ…)



どうしても隆二を子供扱いしたいようだ。



(大量の狼のオモチャ売ってないかな?)



(あったら同じように湯船に敷き詰めて、臣に入らせるのに…)



(大量のジャイアンでもいいけど)



プッと吹き出す隆二。





『おれ、どうせならミッキーがいい』






(言いそう…)



鏡に映った腰を見る。



毎日筋トレもしている。



最近悩ましい腰つきになってきたと臣が言ってたが、いまいち理解できない。



浴槽の半分だけお湯を張り、半身浴する。



時間のある時はこうして汗を出し、心身ともにリフレッシュしてから仕事に向かう。



目の前をぷかぷかアヒルが浮いている。



こんなとこ臣に見られたら、



『ほらーっ!やっぱ好きなんだ』



(言いそう…絶対言うよな!あいつ…)



隆二はアヒルを突きながら、



「子供扱いすんな…」と笑顔で呟いた。



もう臣とは離れられない体になった。



一人でいると、それを痛感する。



(早く会いたいな…)



体中に残る余韻に、優しく束縛されている隆二だった。






Ameba owndオリジナルストーリーです。