電柱が先か、スナックが先か
2022.03.19 00:53
場所は函館、大門の外れ。
大門グリーンプラザの若松広路側の突き当たりから
函館駅方面に1筋行った角のすぐ近く。
10年以上前の冬のことだが、
この風景に遭遇し、しばし悩んだ。
今もスナックが営業していたならば、
電柱のせいで、客はずいぶん入りにくかろう。
はたして、スナックが現役のころ
この電柱はすでにあったか、なかったか。
いくら何でも、店の入口の前に電柱は建てまい。
ならば電柱の出現は、スナックが営業を始める前か、やめた後。
仮に、営業を始める前だとしよう。
電柱が前をふさぐような位置に入口を設けるはずもない。
となると、電柱はスナックが営業をやめてから、
と考えるのが妥当のようだが、
この風景に遭遇したころ、
よそ者の私はすでに、往年の大門の繁栄神話を聞いていた。
あたり一帯、飲み屋がびっしり並んでいた。
この場所もそういう一角だった、と。
ならば、電柱で客が入りにくいのは百も承知で
建物ができ、スナックが開店した、という線もあり得る。
水道、ガスの配管だとか、何らかの設計上の理由で
仕方なしにこんな位置に入口を設けた。
それでも当時の大門なら客が入った。
あるいは、少々の不都合は目をつぶらないと
当時の大門では場所を確保できなかった…
誰かに聞けばわかることかもしれないが、
個人的には、電柱なんて何のその、でスナックが開店したと信じたい。