スウェーデンで女性として生きること
スウェーデンに住んでいると、日本と比べて男女平等を感じることは多い。そして、つい私も男性がこんなこともやってすごい!といったことを書いてしまいます。 日本のメディアでもイクメンパパとか議員や部長クラスの女性の多さなんかを取り上げられることが多く、バリバリ働きたい女性には理想の国のようにも感じます。 もちろん、あたってる面もあるのだと思いますが、スペインで義母やお姉さんたちと話して、やっぱり子どもを2、3人育てながら働く女性は薬じゃないな〜と感じることもたくさんありました。
義両親のお家には美しい女性の笑顔とともに こんな言葉が刻まれた絵が飾ってあります。
「女性でいるなんてとっても簡単
少女のような装いで
レディのように振る舞って
男みたいに考えて
馬みたいに働けばいいだけよ!」
男女平等が浸透しすぎたゆえに専業主婦という選択肢は選べなくなった女性達。
ただ、やっぱり妊娠・出産・授乳中(高齢出産も多い今では妊活中も・・・)はいろいろと生活に制限がかかって圧倒的に女性の負担が多い。
男性は3ヶ月〜1年ほど休みをとって産まれた子どものお世話をするだけで、女性と比べると自由度が高い。 日本のメディアではお手本的なパパが紹介されがちだけど、実際私のまわりのスウェーデン人男性と話していると 「泣き叫ぶ子どもに耐えられなくてしばらくボートやサマーハウスに逃げてたよ」とか「3ヶ月の育休終わったときは正直かなりホッとした。会社行くほうがよっぽど楽だからね・・・」という声を聞きます。
家の旦那さんも家事とかなんでもよくするし、子どもをすご〜く楽しみにしているけど、赤ちゃんのお世話をするというよりは もっと大きくなってキャッチボールや釣りをするとか、さらに先に、いろんなことを語り合ったりする相手として楽しみにしている様子・・・。
育休が終わっても、子どもが病気のときなんかに休むのはママが多いという話もよく聞きます。
さらに、お姉さんたちは、
子育てで疲れきっていてもやはり女性として見た目にも気を配らないといけない。 服装、ヘアスタイル、ネイル・・・自分の身だしなみはもちろん、子ども達の服なんかも気を配るのは女性の役目。 食事だって男性は栄養価や価格はそんなに気にせずに。簡単でおいしければokみたいなところがあるけれど、 女性はオーガニック・添加物フリーなどなど細かいことも気にしないといけない。 最近は「キッチンデトックス」という言葉が流行っていて、残り物の保存にプラスチックタッパやラップを使うことすら体に悪いと考える女性が多い。 友人や義家族を家に招くことが多いから家にある日用品からストック食材まで気を抜けない。 なーんて言っていました。
さらには最近話題の#Metoo。もちろん社会的にプラスの面もあるけど、正直、やりすぎじゃない?と思うことがあっても スウェーデン女性としては「おかしいんじゃない?」とはいえない。常に女性の権利を訴える側に立たないといけない。 でも、白人以外の男性からセクハラを受けたりした場合は「人種差別」と言われる可能性が高いので黙らないと行けない。 10代の男の子の母親としては、息子が何気ない行動でクラスの女子から#Metooと書き込まれないように教育しなければならず・・・ 実際子ども達って残酷で、イケメンの男の子がやったことならokでも、別の子がやると「セクハラ」なんて言われることもあって大変。 女の子は女の子で、セクハラされた経験がないことを「自分に魅力がないんじゃないか?」と悩んだりするし。 常にピリピリした女の子とビクビクしなければいけない男の子、思春期の子の親はほんとに大変。 ・・・と。
この国で女性として、母親として生きていく上で、考えさせられることいーっぱいな会話でした。
とはいえ、ごはんは日本みたいに小皿を何品もとかしなくていいし、食器は食器洗い器だし、洗濯は加湿のためにも部屋干しが基本なので
家事はずっと少なくて楽な気もします。どんどん手抜きになっている最近のごはん、サーモン照り焼きとオーブングリルの野菜たち・・・。