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大波に攫はるるごと昼寝かな

2021.03.20 12:38

まさに寝耳に水の大災害でしたね。

https://ameblo.jp/kokkaku-2020/entry-12609172113.html 【初ライブと熊本豪雨】より

7月4日未明から、九州南部に記録的な大雨が降り始めました。ほとんどの方は就寝中でしょうから、まさに寝耳に水の大災害。

道路が川のようになっていたり 屋根の上で助けを待つ家族がいたり 特養施設も土砂に埋まったり たくさんの家が押しつぶされたり…… テレビをつけたら、胸が苦しくなるようなニュースが次々と。

怖かっただろうな。

安心できるはずの家の中に突然泥水が流れ込んで来るなんて。

命を奪われてしまった人たちもいて。

わたくしに一体何ができるだろう。

すると、facebookの友達の投稿で、すでに支援に立ち上がった方々がおられることを知りました。

集めているのは古タオルとお金。

そこで、家じゅうの古タオルをかき集め、ライブにご参加下さる方々にも呼びかけて、古タオルを集めることにしました。

そして、ライブの売上金を支援団体に寄付しようと思い付いたのです。

ライブを手伝ってくれるメンバーにも了承を得て、ギャラなしで参加してくれました。

さて、ライブです!

会場は大分市高城のクロッシュ。

ソーシャルディスタンスを確保するため、60席を20席に減らしての開催。

そして、お客様が全員マスク姿のため、初めは表情が見えずちょっと不安でした。

ご覧のとおり、隙間をたっぷりとっています。

最初は、風の音書店歌係の秦キヨミ奏でるバッハの「ゴルトベルク変奏曲アリア」。

その曲に乗せて、「誕生日」

『誕生日』

誕生日

       安岡カズミ

夜が明けました 今日はあなたが生まれた日 お母さんのからだを通って 裸で泣きながら

あなたがこの世にやって来た日です

柔らかで無防備なあなたは 大人たちに守られて生きのびて来ました 誰かに守ってもらわなければ 一日も生きられなかった時代のことを あなたはもう覚えてはいないでしょうが

これだけは忘れないで あなたの誕生は 奇跡であり 未来の灯(ともしび)なのです

この世界で たくさんの人に出会い たくさんの涙を流し 優しさを学んでください

たとえ傷ついても 誰かを愛することをやめないでください

わたしたちはみんな幸せになるために生まれてきたのです

この世界はいつまでも未熟で あなたにふさわしくないかもしれないけど

どうかあきらめないでください

荒れ果てた大地に 何度でも 花を植えてください

を語りました。

この段階で涙をぬぐっておられる方が数名。

やはりライブは心が通って良いなあ~としみじみ。

秦と一緒にお辞儀。

次の作品からは、ひとりで語ります。

「桜に」

桜に

      安岡カズミ

眠れない春 満開の桜を見上げて 方向感覚を手放した 柔らかな薄紅の花々の

唯一の戦略は ただ 愛を差し出すことだと知る 小さな蕾はそっと幹を破り

咲く時を待っていた 身の内に情熱を膨らませて 待ちながら 充分に支度しておこう私たちも そして 良い風が吹いたら 見たこともない風景の中に 舞い降りるんだよ

そして、萩原朔太郎の「旅上」に続けて「旅」

『旅』

 

      安岡カズミ

あなたの涙の理由は きっとわたしの言葉 咲き始めたスイカズラが 薄桃色に香る

こんなに美しい5月の朝 意地悪なわたしは 気づかないふりをし続けて

やさしい人を傷つけた 本当は一緒に 旅をしたかった 世界中の5月を求めて

失ってはじめて 自由だったことに気づくなんて 贅沢に時間を捨てて来ちゃったね

わたしたち 時を早送りする方法は知らなくても 遠くを見ることはできる

涙が乾いたら旅の話をしよう

次に、本当は3月のつばめ食堂Liveでお披露目する筈だった「つばめ」

『つばめ』

 つばめ

        安岡カズミ

長い眠りから覚めて また春がやって来た 大地がはげしく揺れ動き 濁った水がふるさとを押し流しても わたしたちは この地上で生きて行くしかない 雨上がりの午後

虹を切って飛び交うつばめたち ただ生きて 命をつなぐ そのために数千キロの旅をする小さな鳥 太陽をたよりに孤独の海を渡る しなやかな野生の魂 細い首を懸命に伸ばして

ヒナたちは顔いっぱいに口を開ける 夏が終わるまでに大人になって 南の島へ飛ばなくてはならないから 彼らの時計の針は 容赦なく進んでいくのだから つばめたちがまた

ここへ帰って来れるように わたしたちは 屋根を用意しておこう 壊されても 奪われても また作るんだよ つばめたちのように

それから「夏の森」

夏の森 

     安岡カズミ

夏が来たら 一緒に 夜明け前の森へ行きましょう 濃密な樹液の香りに満ちていて

切り絵のような 細いトンボが群れ飛ぶ 森の小径へ 手のひらに烏瓜の花を集めて

真白なサラダを作りましょう レモンの形の月をしぼって とろりとした甘い空気が消えないうちに 大事な秘密を教えてあげる 羊歯の葉陰に 立ち枯れた木の空洞(うろ)に

青い石の下に 隠してあるもののこと あなたを助けるために 殺してきたものたちのこと

あなたのかわりに 死んでいった命のこと 夜と朝の境目に 森へ行ったら分かります

闇が光を支えていること いのちが いのちを支えていること 夜明け前の夏の森には

あとからあとから湧き出して 露草のように溶けていく

幾万の儚いいのちが

甘く香っているのです

と、ここまでリンクを貼ってきましたが、いちいちうるさいでしょうから(笑)、あとは題名だけでまいります。

「真夜中のおやつ」

7月5日は満月!ということで「月光浴」

第一部最後は「湖」

15分の休憩で空気を入れ替えて第二部。

風の音書店音係の小玉ユミコが、ピアソラ「トリスタンゴ」をピアノ演奏。

それに合わせて「レプリカ」

真剣にピアノを弾く小玉と、微妙な表情のわたくし(笑)。

今回、この「レプリカ」に衝撃を受けた!とおっしゃる方が多うございました。

最も長い、約7分半の作品です。

文字で読むのと耳で聴くのでは大違いですし、音楽の力を最大限に使っているので胸に響くのです。

これは今後も磨いていきたい作品です。

そして「ほどく」

「手紙」

最後に「羽」

アンコールは、もう一度秦にバッハを弾いてもらって「鳥と雨」

「ふたり」

最後は「再会」

今回、あえて花も灯も飾りませんでした。

声と言葉、そして音楽だけに集中していただこうと思ったからです。

それでも、花係あけみちゃんと、灯係奈古ちゃんは、スタッフとしてサポートしてくれました。

それぞれ多忙な中、無報酬で。

秦も小玉も、喜んで駆けつけてくれました。

わたくしは、なんて幸せ者なのでしょう。

素晴らしい仲間のおかげで、新たなステージに、一歩踏み出すことができました。

お客様がお帰りになった後、なんとサプライズのパーティーが準備されていました!!

見て見て~~~♡

素敵でしょ。

此の花さくやあけみちゃんが、風の音書店スタッフの打ち上げのために、アフタヌーンティーを用意してくれたのです。

全く予想していなかったので、みんな大歓声&大喜び♪

薔薇のジュースで乾杯!

そして奈古ちゃんからもこんな素敵なプレゼントが

風の音メンバーみんなに、と 手拭いを染めてくれたんです。

それぞれが持てる技を贈り合う。

これこそが愛ですよね。

そうそう、皆さまが持ってきてくださった古タオルは

無事、集約場所へ届けていただきました。

そして、売上金(+α)は、ブリッジクマモトへ寄付させていただきました。

素晴らしい一日でした。

ありがとうございました。

豪雨被害がこれ以上広がりませんように。