映画 Turning Red
短編アニメーション映画 Bao の監督ドミー・シーの最新作です。
娘に「これ見るの?子供か!」と言われましたが、東アジアの移民の母親としては身につまされるというか、共感できる描写があちこちにあり、見てよかったと思います。
中国と日本では、感情の表出や親に対する態度も多少濃度が違いますが、カナダで育った少女が成長し、だんだん親から離れ、自分の世界で生きていこうとする葛藤の描き方は、まさにと思うところが多かったです。
時代設定は1990年代で、微妙なレトロ感と、あぁこういうのあったなという懐かしさもあり、とても楽しめました。劇中の曲も絶妙です。
何より、ちょっとダサい移民の有色人種の女の子というマイノリティーを主人公に据えて、ディズニーがその成長を描くようになった、時代がやっと追いついてきたということにも感慨深いものがあります。
10代の入口にいる女の子なら、まさに今の自分のこととしてこの映画を見ることができるのではと思いますし、その母親もまさに自分の事のように見られる映画です。
日本のアニメの影響を受けた表現や描き方もあり、楽しい要素も色々あります。アニメーションもとても可愛いです。
そして、このアニメーションのメイキング映画もあります。
こちらも本当に面白かったので是非どうぞ。娘も興味深そうに見ていました。
いろいろな立場の女性がこの映画に取り組み、生きていく姿にとても勇気づけられます。
ドミー・シー監督の両親も登場しますが、異国でお嬢さんを大切に育て、誇りに思っておられる様子が伝わってきて、幸せな気持ちになります。
仕事もプライベートも充実して、力強く幸せに生きていこうとしている女性たちの明るい姿に心打たれました。
世界中の女の子の未来が明るく力強いものでありますようにと願うばかりです。