「宇田川源流」 今年7月の参議院選挙の見通しとなる「与野党ともに決め手を欠く」という与野党状況
「宇田川源流」 今年7月の参議院選挙の見通しとなる「与野党ともに決め手を欠く」という与野党状況
岸田内閣の評判が今一つよくない。まあ、私からすると理解できるところであるが、では、その他に何かいるのかといえば、全くそれもない。このように書かなけれあならないのは、今年の7月に参議院議員選挙があるからである。衆議院選挙、いわゆる「総選挙」は、首相が解散をすることに寄るか、あるいは任期満了によるものということになる。戦後、任期満了で行った例はなく、基本的には、解散総選挙ということが一つの状況になるのであるが、参議院には解散の制度がないので、基本的には任期満了に基づく選挙ということになる。
任期満了に伴う選挙ということは、選挙期日があらかじめわかっているので、ある程度計画的に選挙戦を汲むことができる。もちろん、事前の社会情勢や支持率などの事から、選挙の投票先ということがみえてくるということになる。
そのような中で、岸田内閣の評判が悪いということは、ある意味で、自民党にとってはあまり良い結果を生まないということになりかねないのではないか。
一方、野党に関してもあまり芳しくない状況になっている。基本的には、野党の支持母体である連合が、野党第一党(といっても議員数が多いということなのであるが)の立憲民主党から離れてしまっており、今年の連合の所感の中から立憲民主党を支持するという言葉が抜けてしまっているということになるのである。そのうえ、麻生太郎自民党副総裁と会食をするなど、様々な意味で連合の立憲民主党離れが進んでいるということになる。
連合が離れた理由は「立憲共産党」と揶揄されたことでもわかる立憲民主党と日本共産党の選挙協力ということになる。昨年の解散総選挙において、枝野幸男代表(当時)と志位和夫委員長との間における協力体制は、代表館だけの合意及び密室の中でなんとなく合意された内容となってしまい、とても民主主義的な決定プロセスとは思えない、まさに全体主義的な決定になってしまっていたのである。そのことから、連合は単純に日本共産党が嫌いというものではなく、密室による政治的な決定と、連合がそのプロセスから外されたことの不信感によって、野党支持を止めているということになる。
そのような事情からみえる、今年の参議院選挙を少し早いが、その傾向だけでも今のうちに見てゆくことにしよう。
社民・福島党首「正念場の選挙だ」党大会で結束呼びかけ
社民党は党大会を開き、福島党首は夏の参議院選挙について「正念場の選挙だ」と述べ、結束を呼び掛けました。
社民・福島党首:「社民党は国会に必要です。社民党は政治の場面に必要です。社民党は希望です」
夏の参議院選挙に向けた活動計画では、ウクライナ情勢や緊張が高まる台湾有事への対応を念頭に憲法9条の改正阻止や外交努力による平和維持のための運動に取り組むとしています。
また、「野党共闘は断固進める」として、1人区と2人区では統一候補の擁立を目指す考えです。
社民党は2020年に立憲民主党との合流を巡って分裂し、国会議員は2人だけです。
公職選挙法上の政党要件の維持に必要な2%以上の得票を得られるかが焦点です。
2022年3月19日 18時55分 テレ朝news
https://news.livedoor.com/article/detail/21859873/
揺らぐ首相のお膝元「自民王国」広島 河井事件巡る補選も「不戦敗」
2019年参院選を巡る買収事件で、河井克行元法相(59)らから現金を受け取った広島の地方議員ら34人が起訴され、岸田文雄首相のお膝元が揺らいでいる。国政選挙で自民党が強さを誇る「保守王国」として知られてきたが、地元を支える議員らが相次ぎ辞職。20日に広島市議補選が投開票されるが、自民は候補者を立てず「不戦敗」となる。夏の参院選に向けて態勢を立て直せるか、行く末は見通せない。
「本当に必要なのは汚れたお金やヒモがついたお金で動く議員ではなく、住民の願いで動く議員だ。大掃除をやらせてください」
19日午前、広島市安芸区で候補者の一人が声を張り上げた。別の候補者も「金権政治と決別する仕事をさせてください」と訴えた。
安芸区では、河井氏から50万円を受け取った沖宗正明・元市議(70)の辞職に伴う補選(改選数1)が11日告示。日本維新の会新人と共産元職、無所属新人2人が出馬したが、自民県連は擁立を見送った。今後続く補選も、公認や推薦を見送る方針だ。事件の当事者として有権者の感情を逆なでしたくないとの思惑がうかがえる。
広島で「政治とカネ」の問題が再燃したのは1月28日。検察が不起訴とした県議ら100人のうち、35人を「起訴相当」とする検察審査会の議決が公表された。検察が再捜査し、3月14日、体調不良とみられる1人を除く34人を公職選挙法違反(被買収)で起訴した。
この間、再捜査の対象となった広島の地方議員16人が相次いで辞職。うち14人が自民県連の所属だった。いずれも罰金が科される略式起訴となった。
一方、9人は現職にとどまり、在宅で正式起訴された。このうち6人が自民所属。県議1人は離党したが、広島市議5人は今も所属し続ける。
市議会は17日、この5人を含む6市議に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決。ところが、うち1人は「信頼回復のためには市議会を解散し、選挙で選ばれた議員で市民の負託に応える必要がある」として市議会の解散を求める決議案提出に打って出た。賛成少数で否決されたものの泥仕合の様相を呈した。
「逆風」にさらされるのは今回が初めてではない。河井氏の妻案里氏(48)=有罪確定=の当選無効に伴う21年4月の参院広島選挙区再選挙。自民は県連会長に就いた岸田氏が先頭に立って臨んだものの、野党勢力に敗北を喫した。
同10月の衆院選では、直前に誕生した岸田首相効果もあり、公明に明け渡した広島3区も含め、県内7小選挙区のうち6小選挙区を与党で守り「保守王国」の底力を見せつけた。その流れを今夏の参院選や来春の統一地方選につなげたい自民にとっては、事件の影響をできる限り最小限に抑えたいのが本音だ。
しかし、こうした思惑を水泡に帰しかねない出来事もあった。
自民所属の市議5人が2日に市内で開いた記者会見。河井氏から現金を受け取った際、買収の認識はなかったと主張した上で、「国会議員から氷代や餅代として現金を受け取ることは多かった」「今回受け取ったのは普通のことだから」「そこにはみじんの罪悪感も無かった」などとコメントを公表した。
ある県連関係者は「いつの時代の話をしているのか。この期に及んで、本人だけでなく党への心証も悪くなる」と怒りをあらわにした。安芸区の男性(77)も「けしからん。開き直りすぎじゃ」と切り捨てた。
県連は5人への離党勧告を視野に、近く党紀委員会を開くことを検討している。同じ与党の公明幹部は「平素から(現金を)もらっていますという感覚自体が県民感情と乖離(かいり)している」とあきれる一方で、「首相のお膝元では圧倒的な勝利を求められる。離党勧告は岸田さんの危機意識の表れなのだろう」と分析した。【賀有勇、小山美砂、中島昭浩】
2022年03月19日 18時02分 毎日新聞
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-1531225/
まず簡単な「立憲民主党」ということに見てゆこう、その内容は「党内をまとめることができない泉代表」と「なぜか役職もついていないのに横から大声で執行部を批判する元老」というような構造になっている。菅直人・小沢一郎というような名前は、少なくとも20年前にはビッグネームであったかもしれないが、しかし、今は「民主党政権で失敗した人々」でしかないのである。その反省も何も公表しないで、政府与党を批判しているだけで政権が転がり込んでくるはずはない。いつまでも学習しない人々でしかないのである。
さて、この立憲民主党に投票していた票はどこに行くのであろうか。実はこの票が「日本維新の会」に流れているということになる。単純に、昨年の総選挙を見ても、自民党と立憲民主党が減らした分が、ほとんど維新の会に入っていることを見れば、今回も同様になる。日本維新の会にとっては、実際はここが正念場であり、衆参両議院に人が増えたときに、その人々を管理して、党としてのまとまりをもつことができるのかということになる。私個人的には、今の日本維新の会を見ていて「みんなの党」と同じような末路をたどるのではないかというような気がするのであるが、それは維新の会の内部の人々の頑張り次第であろう。
さて、立憲民主党の票は大きく分けて三つに分かれる。一つは議員個人の持ち票である。つまり「議員のファン」であり、その議員がどの政党に行こうと、地元で応援するというような人々であろう。講演会などがその構成の中心になる。次に、「反自民投票」である。まあ、反自民という「アンチ」勢力は少なくない。この中にもいくつかの内容があるが、まあ団塊の世代のように大人になっても反抗期が終わらない人々もすくなくない。この人々は「自民党でなくてもよい」という人である。そのような人々が「日本維新の会」に動く。そして最後が「反日左翼票」である。反日左翼ではあるが、しかし共産党ではないというような感じになる。そのような人々は、前回の総選挙では「れいわ新選組」に投票が流れている。前の総選挙で「れいわ現象」といわれたものであろう。しかし、それが現在は続いていないということになる。要するに、「立憲民主党」の票は、議員固有票飲みになるということになろう。
さて、そのように考えると、他の政党、つまり既に立憲民主党の前に野党第一党であり、今はその勢力がなくなった社会民主党は、上記のように「何とか議席を死守したい」という状況になっている。既に誰も見向きもしない状況になってしまい、その主張もおかしいとなってしまった政党の末路であるが、それでも団塊の世代などが無くなるまでは何とか1議席くらいは獲得できるのではないか。
一方、自民党はどうなるのであろうか。
自民党の票構成は、「保守」「リベラル」「議員固有票」ということになる。この中で「保守」もっと言えば「右翼票」というものが、安倍首相時代の根本的な内容となっていた。岸田内閣になり、また中国やロシアの動きが不穏である現在において、「リベラル」はあまり日本ではうけない。明治時代、日露戦争前夜というときに、伊藤博文をはじめとする「日露協商派」といわれる平和主義者、つまり、日本の固有の主権などを守ることなく、単純に戦争をしないという選択肢を選ぶ人々と、「日露戦争派」つまり、桂太郎などをはじめとする人々がいた。日本の多くの国民は、「日本の誇り」ということ、または、日清戦争からの「臥薪嘗胆」という合言葉から、桂太郎側を支持し、そして、その内閣によって戦争を行った。もちろん、落としどころをしっかりとつけて、うまくポーツマス条約に結び付けたのである。これに対して、日本は精神論ではなく、全ての勢力を結集して当たったのである。
さて、このように日本は「精神性」を大事にし、物事を決断するときには精神性を重視数るということになり、安易な妥協を好まない国民性を持っている。このような時に「平和主義・リベラル思想、日本が妥協をしなければならない政治選択」は基本的には、望まないということになる。
このような状況から、岸田内閣に対しては自民党支持の保守派からかなり厳しい声が出てきている、そのうえで、おひざ元の広島がこの状況である。
さて今後、立憲民主党は、野党第一党として連合などの支持を取り付け、信用を回復できるのか、また、自民党はリベラル的な外交を排除して国民の望む内容で物事を進めることができるのか。
その一つの目安が「憲法改正」ということになるのではないか。
来年度予算が決まったこの時期に、このような政局を読むことによって、今後の政治を見てゆかなければならない。