一般人の納税と芸能人の節税
【質問】
日本では総選挙に向けて立憲民主党が「年収1000万円まで実質所得税ゼロ」の公約を掲げて話題となっています。中国では個人の所得税の仕組みはどうなっているのですか?(共産主義国家で所得税というのもピンときませんが……)
【回答】
中国の個人所得税について、筆者は一番身近に体験しているものは原稿料です。一回の原稿料は800元(約1.4万円)以上でしたら、14%の税金を納税しなければならないです。 中国でも、税金の負担が大きいと思います。中国の中間所得層の人々の納税に対する反応は2つあり、1つは自分の税金が高すぎるというもの、もう1つは有名人の脱税がひどいというものです。
個人所得税の政策に関しては、2018年8月31日、第13期全国人民代表大会常務委員会第5回会議は、「中華人民共和国個人所得税法の改正に関する決定」を採択し、月々の個人所得税の非課税枠を3,500元から5,000元(約8.6万円)に引き上げました。2019年1月1日に実施しました。
個人所得税の税率は、一般的に3つに分けられます。
1. 個人的な報酬からの収入、3%~45%の税率が適用されます。
2.自分の事業からの収入で、5%~35%の税率が適用されます。
3.貸付金の利子、配当金、個人が所有する債務・株式・利益からの収入、資産の賃貸からの収入、資産の売却からの個人的な収入、付随的な収入に対しては20%の税率が適用されます。
高額所得になるほど税率が高くなり、例えば包括利益の場合、960,000人民元(約1672万円)を超える収入部分については、税率は45%、納税額は最低も18,920元(約33万円)となります。 個人所得税については、2021年に大きい政策として、個体工商戸(自営業者)の個人所得税が、年間の課税所得が100万元までの部分について半額になることが挙げられます。 芸能人・有名人の節税対策がいろいろあります。
例えば、表と裏の契約を二つのパータンを準備、表の契約は主に税務署やその他の部門が「準備」をするためのもので、納税の根拠の一つとなっているようですが、もう一つ裏の真の契約があります。この現象は、中国のエンターテインメント業界だけでなく、スポーツ界でも広まっています。
また、分割払いの方法もあります。芸能人の収入が高いほど多くの税金が課せられますが、実はこの「累進課税」には抜け道があります。多くの会社や有名人は、支払いを分散させることで、課税を回避することを内諾しています。
芸能人は自分の事務所を構え、事務所の名義で広告や撮影の仕事を請け負うことで、個人の報酬所得が個人事業主の「事業所得」となり、個人の所得税が大幅に軽減されるのです。
新疆ウイグル自治区イーリー・カザフ族自治州にあるコルガス市だが、この小さな地域に多くの映画・テレビ会社が集まっている。 ここで現地の税制が絡んでくるのですが、コルガス市に登録した会社は5年間、所得税が全額免除されるなどの特典があります。
そのため、多くの芸能人は税制優遇措置を利用するために、そこにシェル事務所を登録し、普段はそこにいません。
(メルマガ黄文葦の日中楽話第58話より)