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🌸ブログで読む『ただいま大須商店街⑬-前編-』 ふるさと~

2022.03.21 07:20


建物の老朽化や後継者問題を抱える"大須商店街"。
その解決の為に、杉山議員が打ち出した「OSU五番街計画」。


その鍵を握る…
世界的建築家、フレデリック・スチュワート。


昔ながらの姿を残したいと願う久美子は大須商店街の様々な場所にフレデリックを案内します。


そんな、久美子が最後に案内したのは─




🔶前回までのお話🔶







久美子「どうぞ。」


フレデリック「Thank you!」





フレデリック「Oh~!NINJA~!!」


久美子「私の父です。」



フレデリックは軽く会釈をしました。







久美子「今から、父が命を懸けて守って来た、和菓子作りをお見せします。」


フレデリック「(頷いて)」









久美子「地味かもしれませんが‥」


フレデリック「…」


久美子「和菓子屋は、このこし餡の味にこだわります。」








久美子「こし餡が、その店の、和菓子の味を決めるからです。」


フレデリック「…」








ゆっくりとかき混ぜられる小豆たち。


トロリとしたコク。
その表面は優しい輝きを放っています。









鍋の中を真剣に見つめる優太、アリ、ツーミン。


そんな子どもたちの後ろでは、大輔も、その様子を見守っていました。









正さんを見上げ、
また鍋を見る、優太。










お砂糖を加え、
どんどん煉り上げられていくこし餡。












静まり返った工房の中、
木杓子のコン、コンという音だけが響きます。










煉り上がったこし餡は、伊勢芋と米粉を合わせた種で一つ一つ丁寧に包まれ、綺麗に並べられていきました。







蒸し器で蒸された、真っ白なお饅頭。








ジュッ、ジュッ…







正さんは、そのお饅頭一つ一つに手裏剣の焼き印を押していきました。








正さん「ああ…」



赤い頭巾を、傍らの佐藤さんがほど良い間合いで受け取ります。








正さん「どうぞ。」


フレデリック「Thank you!」



フレデリックは手に取った小さなお饅頭をしばし見つめました。







フレデリック「So~!Delicious!」








正さん「あっ…」


佐藤さん「…」








久美子「…(笑)」








正さん「おい!お食べ!」


正さんの呼びかけに、優太、アリ、ツーミンは待ってましたとばかりに手を伸ばし、お饅頭を口いっぱいに頬張りました。







優太、アリ、ツーミン「ふふ(笑)」


正さん「ふふふ(笑)」







正さん「あっ…」



久美子「あ!!」








慌てて、駆け寄る優太。









フレデリック「大丈夫ですか?」









正さん「あ…。大丈夫だ。」










久美子「父は…。この饅頭を楽しみにしてくれる人たちがいるって…聞かなくて…。」









フレデリック「そうですか…。」






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