大地の彼方から詩がやってくる
2017.11.25 00:01
ルース・ストーン:1915-2011年。44歳で詩人の夫の自殺に遭遇し、56歳で詩人としてデビューをし、70歳代80歳代で花開いた遅咲きの詩人。
彼女はバージニアの田舎での幼少期を過ごした。 畑仕事をしていた時に、 大地の彼方から 詩がやってくるのが分かった。一群の風のようなものが大地を突進してくる。同時に足元は大地の振動を感じている。やることは ただ一つ "がむしゃらに走る” こと。 詩に追われながら家に走り込み 素早く 紙と鉛筆を手に取り、 詩が 身体を通り抜ける前に つかまえ 書き留める。 間に合わない時もあった。つまり、「 次の詩人を探しに行ってしまった」と。
あるときも 必死に走り 鉛筆をつかんだとき、 詩が身体を通り 抜けようとしていた。とっさに左手で詩の 尻尾をつかみ身体の中に引きずり込み、 書き写した。
詩は完璧だったが、 順序が すべて逆さまだった。