漢方の風邪薬「扶正解表剤」とは!
2017.12.02 09:52
老人は葛根湯ではなく、
体力がないので桂枝湯??
だとテレビで言っていたとか~。
今年は寒くて風邪を引きやすいですから気をつけたいですね!
漢方の風邪薬「解表剤」
風邪(ふうじゃ)は突然侵入し変化も早い。
侵入した風邪を汗を出し追い出す薬を「解表剤」といいます。
葛根湯も桂枝湯も、
汗を出し(発汗解表)風邪を追い出す「解表剤」です。
違いは、
桂枝湯は、すでに汗をかいている方。
葛根湯は、汗が出ていない方。
風邪を引いて寒気と熱感があり、
汗が已に出でいる方は、
さらに汗を出し過ぎると風邪は悪化します。
桂枝湯でじんわり汗を出し追い出します。
風邪気味で寒気と熱感があり、
汗が出でいない(無汗)時は、
葛根湯でしっかり発汗させて追い出します。
体力がない老人や、
或いは、
体力が低下して風邪を引いた場合は、
どちらかというと桂枝湯ということではありません。
体力が無く、
体力が低下して風邪を引いた場合、
汗が出でいない、
無汗でも、
そもそも発汗させるだけの解表剤は使わず、
不足を補い邪を追い出す「扶正解表剤」となります。
「扶正解表剤」
*益気解表剤
人参敗毒散〈小児薬証直訣〉
参蘇飲〈太平恵民和剤局方〉
*助陽解表剤
麻黄節細辛湯〈傷寒論〉
*助陽益気散寒解表
再造散〈傷寒六書〉主陽虚気弱 外寒風寒
悪寒発熱、寒重熱軽
頭痛、無汗、肢冷、倦怠、嗜眠
などの漢方薬があります。
或いはさらに、
身体の不足を補う漢方薬を別に、
兼用する必要もあるかもしれません。
或いは始めから、
不足を補う漢方薬だけを服用するほうが、
早く治癒するような病症も多くあります。
老人が風邪をひいたら桂枝湯ではありませんね。
ご相談ください。