『W旦那+(プラス)』第74話 三代目妄想劇場
2017.11.25 10:39
「隆二!無理すんなって」
臣は後を追い、隆二の手首を掴んだ。
「離せよ!」
隆二は振り返り臣を睨んだ。
「うっわ…こぇー顔して…」
「元々こんな顔だよ!」
「アトラクションの中じゃ、俺にひっついて離れなかったくせに」
「……」
「あんな隆二だったら、俺何があっても手放さなかっただろな」
「本気(マジ)で言ってんのか?」
「俺はいつだってマジだよ」
隆二の手首を掴んだまま見つめ合う二人。
しばらくして冷たい風が吹き抜け、すぐ近くの植え込みでガサガサと音がした。
隆二「えっ?何かいる?」
臣は「しっ!」っと人差し指を立てる。
すぐに静かになったが、遠くで奇妙な鳥の鳴き声がする。
空の三日月に雲がかかる。
臣「なんかヤバくないか?」
隆二「さっきから震えが止まんない…」
臣は隆二の肩をしっかり抱き寄せ、
「ほら、早く帰ろ」と言って歩き出した。
隆二(茶化してるかと思えば、優しくする…こいつ変わってないよな)
隆二は仕方なく臣に従った。
背中は氷のように冷たかったが、臣の温もりで少しづつ暖かくなっていった。
ホテルの前から二人が去った数秒後、同じ場所に長身の人影が立った。
(確かこの辺りで邪悪な気を感じたんだが…)
その長身の男は、寄り添いながら遠くを行く二人を見て呟いた。
「あれは…臣と隆二…」
鋭い眼光で二人の後ろ姿を見つめる人物。
三代目のリーダー、小林直己だった。
End