東京佼成ウインドオーケストラ特別演奏会
いろんなところで話していますが、僕は中学生からトランペットを始め、中2くらいまで楽譜が読めないまま楽器を吹いていたため、配られた楽譜の音源を探し回ることに精を出しておりました。とにかくひたすら聴いて覚える。
その時に聴いていた音源のほぼ全てが東京佼成ウインドの演奏でした。
それからもずっと、曲を理解するのも、吹奏楽のサウンドとはどういったものかも、トランペットの音のイメージも佼成ウインドの演奏を参考にしてきた学生時代でした。
さて先日、そんな佼成ウインドが一般社団法人になるというニュースを耳にして驚きました。その節目となる今回の特別演奏会。これまでの軌跡と、これからを見据える貴重な公演でした。
個人的には、大学生の時に大変お世話になった汐澤安彦先生が「アルヴァマー序曲」と「アルメニアンダンス パートI」を振るということから興味を持ったコンサートでしたが、残念なことに今回はご都合により出演見合わせになりました。が、なんと保科洋先生が「風紋(原典版)」を自作自演してくださいました。
「風紋」は僕が中学校3年生の時、コンクール『自由曲』として演奏しまして(自由曲です。課題曲として演奏していたのはまだ僕が楽器を始める前でした)、個人的に思い入れの強い曲のひとつです。80代とは思えないパワフルな指揮と圧倒的な表現力、佼成ウインドの演奏のクオリティと異常なまでの集中力で、これまでに聴いたどの演奏よりも感動しました。演奏を聴いて泣きそうになったの初めてです。
今回は、いわば「佼成ウインドプレイリスト」をシャッフル再生したかのようなプログラムで、指揮者もどんどん変わり、幸せで贅沢な時間でした。
これからもずっとこのハイクオリティの演奏を楽しませていただきたいので、どうか頑張ってほしいと思います。全然力に慣れませんが、ほんの少しだけ賛助会員のサポートをさせていただきました。
ちなみに、講師をしている東京音大吹奏楽アカデミーの講師である打楽器の坂本先生が今回ティンパニではなくシロフォンを演奏されていたのも貴重なもの拝見しました(代役だったそうです)。コントラバスクラリネットの原先生もノリノリで、そしてフルートの山内先生もエキストラで参加されていて(全乗りお疲れ様でした)、客席の後ろにはアカデミーの学生が何人もいて、アカデミーで過去に演奏した作品が何曲もプログラムに入っていて...
...そういえば大学が(個人的には今日から)始まります。
荻原明(おぎわらあきら)