#1 理事長の想い
いつもありがとうございます、理事長の柿本です。
私の古巣である阪神つばめ学習会で非常に好評価を得ていた想いブログを東海つばめ学習会でも実施しようと思います。
この想いブログというのは、運営に携わるメンバーや講師のみなさんが日頃の学習支援に抱く想いを文章にし発信するというものです。
なんのそれだけのことかと馬鹿にしてはいけません。時には溢れ出る想いが留まるところを知らず、金言が乱発するブログが完成することもあります。
これを無料塾関係者の専門用語で「想いがオーバーヒートしている」といった表現をします。
私もオーバーヒートできるよう頑張ります。
さて、そのような小難しい話はさておき、今日は私の想いを執筆していきます。
#1は私が学習支援に携わるようになったキッカケです。
(私が学習支援を始めた2015年8月頃の写真)
私が学習支援に携わるようになったのは、2015年7月に「無料塾を始めないか」というお誘いを受けたことがキッカケです。この無料塾が後に、NPO法人阪神つばめ学習会(兵庫県西宮市拠点)になります。
私は当時、兵庫県西宮市にある関西学院大学に在籍する大学生でした。
阪神つばめ学習会は6人の仲間と始めることになります。
左奥がNPO法人阪神つばめ学習会の庄司理事長です。私は右前です。
庄司理事長との出会いは、高槻市議会議員をされている竹中健さんを通して知り合いました。
私は2015年の統一地方選で竹中健さん1期目選挙のお手伝いをしていたのです。
竹中健さんからは本当にたくさんのことを学びました、感謝しています。
実は、無料塾お誘いの前からも学習支援をしたいと思っていました。
というのも、2014年6月中旬に大阪府堺市にある児童自立支援施設に実習へ行く機会があったからです。
そこで、子どもたちが置かれている現状や勉強したくても環境のせいでできないといった境遇を目の当たりにしました。
施設にいた16歳の女の子は、中学生にして働きに出されて家にお金を入れていました。どんな仕事かは聞けませんでしたが、決して良い仕事ではなかったはずです。そのような経緯で施設に入ることになりました。本当は勉強がしたかった彼女は、その望みが叶い、通信制の高校に通うことになります。とはいえ、その生活がずっと続く訳でもなく、施設にいる子どもたちは18歳になるとみんな施設を出ないといけません。社会に旅立っていきます。私は高校を卒業したらどうするの?と聞いてみました。彼女は、私に将来の夢を教えてくれました。「世の中には私と同じような境遇の子どもたちがきっといるはず。そういう子たちを救っていきたい。私は施設で救われたから気持ちがわかるんだ。」と言っていました。
ただただ衝撃でした。
環境のせいで本来のパフォーマンスを発揮できない子どもがいること。
それは決して子どものせいではないこと。
めちゃくちゃもったいない。
社会的な損失じゃないかと悲しみを抱いたことを今でも記憶しています。
自分に何かできないかなと悩みました。
私が大学生だった頃というのは、子どもの貧困率が16.3%で過去最高を叩き出し、世の中も荒れに荒れ狂っていた時代でした。
ちょうど、「子どもの居場所」や「サードプレイス」といった言葉も出てきていた頃です。
2014年6月下旬(実習へ行った同じ月)には株式会社LITALICOさん(東京都目黒区本社)のインターンシップに参加しました。
この企業は、社会福祉に取り組む民間企業です。
インターンシップでは、理想社会を考えるワークショップをしました。
https://www.worldshift.jp/mypresentation.html
このインターンシップで出会った一人の友人とは今でも連絡をやりとりする仲です。
そして、東海つばめ学習会のことを応援してくれる支援者の一人でもあります。
本当に素晴らしい経験をインターンシップでさせてもらいました。
このように色々と動き考えたものの、子どもの支援をしたい!でも何をやったらいいか分からない!という日々を過ごします。
そんな最中、前出の通り2015年7月に「無料塾をやろう」と庄司さんからお誘いを受けます。
私がやりたかったこと、探してものはこれだ!と思いました。
これが私のミッションだったようです。
そうして、大学卒業まで阪神つばめ学習会で子どもたちに学習支援を届けました。
でも、実はその間に私も学んでいました。
不思議なことに、教えているにも関わらず実は学んでいるのです。
それはどういうことか、庄司さんは日頃から「阪神つばめ学習会で運営のノウハウを学び取りなさい」と言っておられました。なので言われる通りに毎回教室へ行き、学びを深めました。
それがあったからこそ、東海つばめ学習会を始めてすぐもスムーズに運営することができたのです。
庄司さん、ありがとうございます!
結果的に、現在に至るまで無料塾に携わるようになりました。そして、これからも続けていきます。
それは今もなお学習支援を必要としている子どもたちがいるからです。
もし誰もが学びを得られる世界が将来的に実現されるのであれば、私が無料塾をやめる時かもしれません。
例えていうと、病気のない世界ではお医者さんが世の中からいなくなることと同じようなイメージです。
そんな世界がいつか為されるといいなと切に思います。
それまでは学習支援を続けていきます。
今回は私の想い、キッカケについてお話しました。これを読んで共感してくれる人がいてくれたら嬉しいです。
最後に、もしも勉強をしたいのにできない環境にあれば、東海つばめ学習会はあなたを歓迎します。
私たちは、ひとりでも多くの子どもが望み通りの人生を歩むことを願っています。
NPO法人東海つばめ学習会
理事長 柿本知樹