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マヤ

『理性①』(続・臣隆妄想劇場13)

2017.11.14 14:28

 久しぶりに隆二のマンションを訪ねた。



インターホンを押す時間すらもどかしく思い、



持っていた合鍵を使い中に入る。



部屋は綺麗に整頓されていて、人の気配はない。



ここじゃないのか?



時計を見ると、夜中の2時になっている。



迷うことなく、健二郎に電話をかけてみる。



健二郎「臣ちゃん?」



臣「健ちゃん、夜中に悪りぃ…」



臣「隆二、一緒じゃないかな?」



健二郎「隆二?隣で潰れて寝てるで。」



やっぱ健ちゃんのとこか…



臣「今どこ?俺もそっち行っていい?」



健二郎「ん?ええけど、俺明日の朝早いし、そろそろ隆二送って帰ろうかと思ってたんや」



臣「健ちゃんと隆二だけいんの?」



健二郎「そやで!」



臣「そっか…隆二は俺が送るから、もう少しそこで待っててよ!」



健二郎「えっ⁉️わざわざ臣ちゃんが?」



臣「…うん、ちょっと隆二に用事があって…」



スマホを片手に、健二郎と話を続けながら、タクシーを止め乗り込む。



健二郎「こいつ話できる状態とちゃうで。

今日は辞めといた方がいいんとちゃうか?」



臣「とりあえずタクシー乗ったから。そっち行くね」



健二郎「えっ?そうなん?相変わらず早いな!えっと、場所は…」



数十分後、健二郎と合流して、泥酔状態の隆二を託された。



苦しい言い訳だな。



健ちゃんも流石に、納得いかない顔してた。



タクシーの後部座席で、臣の肩にもたれ、



眠っている隆二の顔を見ながら、



さて…どうするか?



二人で暮らすマンションに、同時に帰るワケにはいかないし…



仕方ない。



とりあえず隆二のマンションへ…



エントランスギリギリまで車をつけてもらい、



隆二を負ぶって足早に部屋へと向かう。



しばらく使っていないベットルームは、



キチンと整理されていて、



少し寂しい印象を受けた。



隆二をそっとベットに寝かせ、横に座る。



すると、隆二が手を伸ばして臣のTシャツの袖を掴み、



「健ちゃん…もう一件付き合え…」

と言った。



臣は、隆二の髪を撫でながら、



「隆二…健ちゃんなら、もう居ないよ」



「お前どうした?何で家に居ないの?」



「臣…えっ?…ここどこ?」



「お前のマンション」



「……」



「出かける時はメールよこせよ。心配すんだろ?」



やけに優しい声で、臣が囁く。



「臣…」



「健ちゃんの所で良かった…」





隆二のピアスを軽く揺らし、親指が隆二の唇に触れる。



目を閉じて、ゆっくり顔を近づけてくる臣。



あ…キスされるな…



と思った瞬間、怒りが込み上げてきた。



「…んだよ。日本一のモテ男が…」



ピタッと臣の動きが止まり、大きく目を見開く。



酔いに任せて、本音が口をついて出てくる。



「俺がつなぎで、あっちが本命じゃないの?」



「えっ?」



「俺は、本命と会えない時用のおかわり君かよ」



言ってることは滑稽だが、とても笑える内容ではない。



「お前…どうした?あんなゴシップ信じんのか?」



以前の隆二なら「臣も色々大変だね」と笑って軽く流してくれた。



「昔とは、状況が違うだろ?」



「俺のこと、信じられないのか?」



「…」



隆二の細くて長い首に手を当て、



スーッと撫で下ろし、頸動脈に触れると、



早鐘のように、脈打ってるのがわかる。



「俺に触んな」



「…隆二⁉️」



「二股か三股か知んないけど…キスしたいんなら、本命とすればいいだろ?」



「いい加減にしろよ!」



「るせーっ!そんな…ペアの指輪嵌めた手で…俺に触れん…」



言い終わらないうちに、いきなり隆二の顎を上げ、強く口づけする臣。



「んん…」と抵抗して、突き放そうとする隆二の腕を掴み、ベッドに押し付ける。



一瞬顔を逸らして「やめ…」と呻(うめ)く隆二。



くっそ…!



やっぱりキスだけじゃ、心まで繋ぎ止めておけないのか?



嫌がる隆二の唇を、強く吸い続ける…





End