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まん延防止が明けて

2022.03.24 17:31

バーといえば、ブランデーを片手に男がたしなむもの。……なーんていう文化は、とっくに消えていたのだ。今は女性がガンガン一人でバーへ行ける時代。しかし、最初に開くバーの扉は重いのです。

というわけで、お酒は好きだけどバーは怖いと思っている女性へ、お届けします。

女性が行きやすいバーにも種類があります

「バーはお酒に詳しい人がいくところ」ではない

バーのマナーはとてもシンプルです

バーといっても、カジュアルに顧客同士が話し合えるバー、立ち飲みでフラっと行けるスタンディングバー、音楽を聞くことが主体になっているミュージックバーなど様々な種類があります。

しかし、ここでは最も想像されやすく、かつ最も敷居が高いイメージのある「オーセンティックバー」を扱います。オーセンティックとは、「本物の」を意味し、熟練のバーテンダーと重厚なバーカウンターを有しているケースがほとんどです。オーセンティックバーはたとえアルバイトでも修行を目的に入る方が多く、寿司職人の世界に親しいものがあります。

オーセンティックバーは全体的な技術レベルが高く、さらに客のマナーをバーテンダー・バーテンドレスが取り締まってくれるため、女性1人で飲んでも変なナンパをされたり、絡まれるリスクがありません。

オーセンティックバーのざっくりした見分け方ですが、

スポーツバー、スタンディングバーなどのカジュアルなバーは

客同士でも盛り上がりやすいです。椅子に背もたれがないところが多いです。スタッフがTシャツみたいなラフな格好で接客してきます。お酒の種類もそこまで多くないので、棚に余裕があります。内装はオシャレ・ナチュラルよりのお店が多く、扉は透かしガラスで入りやすいです。

逆にオーセンティックバーは、

酒の量がカジュアルバーに比べてかなり多いです。カクテル、美味しいお酒を一通り揃えるためです。内装はクラシカルで扉は重く、中が見えない構造になっていることが多くなります。

あと、オーセンティックバーは、バーテンダー・バーテンドレスさんがお店によってジャケットの色が微妙に違ったりはしますが、フォーマルな格好でいることは共通しています。

「バーはお酒に詳しい人がいくところ」ではない

バーにあるお酒は、大抵が家でも買えるものです。ではなぜバーへわざわざ行くのか。それはバーには未知のお酒があり、それを教えてくれるバーテンダー/バーテンドレスさんがいるからです。なお、バーテンダーは男性名詞、バーテンドレスは女性名詞です。

バーはお酒に詳しい人が見せびらかすために行くのではなく、お酒に詳しくなりたい、もっと楽しみたい人が行くところ。ですからお酒が好きだけど全然わからないあなたは、バーにふさわしいお客様です。

まともなバーにはメニューがありません。それは、バーテンダー・バーテンドレスさんとお話して、好みのお酒をめぐる旅を楽しむためにバーがあるからです。その他にも、カクテルが好きで、そのバーで味わえるオリジナルのレシピで作ったカクテルが飲みたい、という方がいらっしゃいます。同じメニューのカクテルでも、店によって味が違うものなのです。

さらに、バーではノンアルコールも充実しています。ノンアルコールカクテルは多数ありますし、お酒が弱い人はアルコール→ノンアルコール→アルコール、と行き来しながらお酒をたしなみます。ジュースでもクラマトという、ハマグリの出汁がきいたトマトジュースは人気で、多くのバーに置かれています。お酒が強くないとバーにいられない、というわけではないのです。

バーのマナーはとてもシンプルです

バーには暗黙のマナーがあり、それができないと出禁……というイメージがありますが、そこまで変なマナーはありません。初心者は以下のマナーだけを知っておけば十分です。

1.禁煙のバーで喫煙しない:最近は禁煙のバーも増えました。吸う前にかならず「吸っていいですか」とバーテンダーに確認を。

2.バーのトイレで吐かない:バーにトイレは基本1つ。戻してしまうお客様がいると、その後の消臭・清掃が大変です。まあ、無理なときは無理なんですけど……酔っ払う前にお水をチェイサー(お酒と一緒に飲むドリンクのこと)で頼みましょう。

3.バーでお水だけを延々頼まない:お水はノーチャージ(タダ)なお店も多いので、お店の客単価を考えてノンアルコールドリンクを頼んでください。

4.バーテンダー・バーテンドレスを独り占めしない:他のお客様の接客もせねばならないので、独り占めできるのは貸切のときだけです。

5.隣のお客様を口説かない:バーによってルールが異なりますが、隣のお客様に話しかけてすらいけないバーも多数あります。いずれもお客様同士のトラブルを防ぐためのルールです。話しかける前に「別のお客様と会話してもいいお店ですか?」と確認を。女性がバーで男性を口説くと、一気にお店の治安が悪化するのでNGにしているお店も多くあります。そういう雰囲気になったら止められる可能性はあります。

6.バーテン、と呼ばない:バーテンダー・バーテンドレスさんを「バーテン」と略すことは「フーテン(無職)」を表す言葉と重なるため差別的とされています。

気にしたいのはチャージ料金。まず、ホテルバー(ラグジュアリーホテルに併設されているバー)はとても料金が高いです。

最初は独立した店舗のバーへ行くことをおすすめします。それから、バーはチャージ料(お席代)がかかるお店が大半です。「3杯しか飲んでないのにこの値段?」と思う場合は、チャージ料金を考えてみましょう。

怖くなったら値段を聞きましょう。値段を聞いて怒るバーはありません。安心してください。初対面の客に身の丈に合わないほど高い酒を売りつけるバーテンダーは、よいバーテンダーとは言えません。

初心者が頼むならこれ、というお酒(1)カクテル編

ここから、初心者が飲みやすいカクテルを紹介していきます。なお、カクテルはどうあがいても少し甘みが出るため、甘いのが絶対にダメ、という方はすっ飛ばして「初心者が頼むならこれ、というお酒(2)スピリッツ編」をご覧ください。

・季節のフルーツカクテル

大半のオーセンティックバーには、季節ごとにフルーツカクテルがあります。春は甘夏、りんご、デコポン。夏はスイカ、巨峰、マンゴー、桃、パイナップル。秋はキウイ、文旦、柿、梨、ざくろ。冬はいちご、金柑、みかん。と、季節ごとのメニューを楽しめるのがバーの嬉しいところ。

「いま、季節のフルーツカクテルは何がありますか?」と質問するのが初心者は一番楽かと思います。作り方を聞かれたら「おすすめで」とまかせてもいいですし、ロング(縦長のグラスいっぱいの量)かショート(カクテルグラスで一杯分)の好みを伝えるだけでもOKです。苦手なお酒の種類があったら伝えておきましょう。

たとえば私の場合、「季節のフルーツカクテルで、何がありますか。あ、でしたらキウイでお願いします。ロングで、ブランデーベース以外だと嬉しいです」といった頼み方や「甘さ控えめでスッキリしたい気分なのですが、金柑でお願いできますか?炭酸は無いほうがありがたいです」といったオーダーをします。これくらい曖昧でも許されるので、自分が飲みたい気分や量を伝えましょう。

・定番のカクテル

どのバーでも作れそうな定番のカクテルから、飲みやすいおすすめをいくつかお伝えします。なお、国際バーテンダー協会が認定する公式カクテルだけでたくさんあります。

ここにあるメニューなら、オーセンティックバーは大体出せると考えていいでしょう。大体どのバーにもあるのがこちら。

***

ジントニック:ジンにトニックウォーターを足したもの。生姜を入れるお店あり、グラスの熱伝導にこだわるお店あり、フルーツのカットを入れるお店あり、ミントやライムのトッピングあり、氷を砕くお店あり……と、各店の個性が出やすいお酒。

ダイキリ:ラムにライムジュース、砂糖をいれたもの。ライムの代わりにレモンジュースを使うところもあり。キューバのダイキリという鉱山で生まれたため、その名がつきました。

ロングアイランドアイスティー:HUBなどにもあるため、知名度が高いカクテル。バーテンダーが正直オーダーされると作るのが面倒すぎて辛くなるレシピの筆頭に上がるため、空いているときだけたまにオーダーします。アイスティーとありますが、中身はジン+ウォッカ+テキーラという、アルコールぶん殴りパンチが待っています。中身の割に度数を感じさせないため、女の子を酔わせるカクテルとして悪名もあります。あまうま系です。

ジンソニック:ジントニック+炭酸。すごくわかりやすい。トニックウォーターが甘すぎると感じるとき、もっとすっきり感を足すために炭酸を入れます。ビールを飲みたいけど、ビールじゃない。そんな気分の日にぴったりです。

初心者が頼むならこれ、というお酒(2)スピリッツ編

甘いのは苦手、だけど何から飲めばいいかな……という方は「ソーダ割り」でまずスピリッツ(ブランデー、ウイスキーなど)にチャレンジしてみましょう。飲み方はストレート(なにも混ぜない)がベストですが、とはいえ度数が高いので無理、という方も多いはず。

まずはソーダ割り、慣れたらロック、最後にストレートへチャレンジしてみてください。

ソーダ割りでオススメなのは、

燻製香のあるタイプ:ラフロイグ10年、ラガヴーリン16年、タリスカー10年、ジョニー・ウォーカー黒、

バランス型の味わい:白州、メーカーズマーク、ワイルドターキー8年、デュワーズ

あたりで宴を始めましょう。

何も飲んだことがなければ「お酒初心者で、まずはスタンダードなものから知りたいのですが」と聞いてみてください。ウイスキーの種類やら、原産地やらは知りたくなってからで大丈夫です。うんちく語るのが目的ではないので。

まずは「フルーティな」「燻製っぽい・スモーキーな」「どっしりしている」「軽い感じの」「クセが強い」「優しい味」「バニラっぽい」「シェリーっぽい」「スタンダードな」あたりの言葉から、しっくり来そうな気分の言葉を選んで注文してみてください。

なお女性でバーに通う人は、意外とスモーキーで尖ったウイスキーのソーダ割りをサクサク飲んでいくケースが多いかもしれません。