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マヤ

『葛藤②』(続・臣隆妄想劇場17)

2017.11.14 14:36


臣はずっと葛藤していた。



自分のマンションで、簡単に渡欧の準備を済ませ、



リビングに座り、コーヒーを飲んでいる。



こんなとこ、隆二が見たらなんて言うか…



「しばらく会えないのに、コーヒー飲んでる時間があったら、早く帰ってこい!」



言いそう…



ふと、いま腰掛けているソファーに手を置き、



記憶を辿(たど)ってみる。



ここから始まったんだよな…俺たち





(回想)



隆二「酔ってんのか?いい加減にしねぇと、ぶっ飛ばすよ!」





クスッと笑う臣。



すぐに笑顔は消えた。



隆二…ごめん。



まだ答えが見つからないんだ…



もう数時間しかないのに…







同居するマンションに臣が帰った頃には、



夜の10時を過ぎていた。



これ100%怒ってるでしょ?



臣「…ただいま」



隆二「お帰りーっ!晩飯は?」



ソファーの方から、明るい声が飛んできた。



臣「…外で済ませてきた」



隆二「あっそう…?臣、シャワーするでしょ?着替えとバスタオルそこに置いてあっから」



臣「うん…」



いつもと変わんない…



スニーカーを脱いでると、隆二が玄関までやってきて、



「あれ?荷物は?」



「ん…もう宅急便に出してきた」



「相変わらず、やる事早いね!臣は」






シャワーを済ませて、



冷蔵庫の前でアイスを口に入れ、立っていると、



「臣、早よおいで」



いつものように隆二が、



ドライヤー片手にソファーでスタンバイしている。



あと数時間…



せめていつも通りでいなきゃ…



隆二に向かって微笑む臣。






今夜は、極力明るく振る舞おうとしていた隆二だったが、



臣の髪を触っていると、



胸に込み上げてくるものがあった。



この生活とも、しばらくお別れか…



「ハァー…」



ため息をつく隆二。



「ん?どした?」



半分だけ振り向いて、横顔を見せる臣。



食べ終わったアイスの棒を口に咥えている。



臣の横顔を見たまま無言の隆二。



臣「あっ!お前さぁ!この間キスした時、めっちゃ甘かったやん。このアイス食ってたんでしょ?」



…そんな…どーでもいいことを…



隆二「…違げぇよ。丸っこい方だよ」



臣「やっぱりアイス食ってたんじゃん!」



臣「びっくりしたよー!お前、口からあんな甘い香りを出すようになったのかって」



隆二「なんだそれ?」



臣「俺の為に、ローズヒップとか食うようになったのかなって、色々想像してた」



今日の臣、よく喋るな…



隆二「……」



臣「…どうした?さっきまで元気だったのに」



隆二「臣……しよっか?」





長い沈黙があった…





後ろから、臣の表情が見えない。




臣「…俺も死ぬほど考えたけど、もし俺達そうなって、すぐに離れて暮らすのって…お前平気なの?」



隆二「…想像できない」




臣「俺にもわかんないよ…」




隆二「わかんないなら…さ」




隆二「トライするしかないんじゃねーの?」






End