「塾講師が異世界転生したら魔法使いの弟子ができました」を書いてみたからnoteの宣伝してみる
少し前からnoteという媒体で作文の掲載を始めています。
生徒に出したお題について、自分でも書いてみるという試みですね。元々物語や詩を書くのは好きだったので、趣味の一環として続けています。楽しいです。
最近はこんなお題が投下されていたので、いざ思い切って書いてみました。以下、冒頭部分です。よかったら、リンク先で読んでやってください。ハートボタン、ポチるのもお待ちしております。なお、noteの方には三章まであります。すぐ読めると思います。
塾講師が異世界転生したら魔法使いの弟子ができました
気がつくと、そこは異世界だった。
頭の中で散らばった記憶を拾い集めてみる。
あれはたしか、大学からの帰り道。
事故に巻き込まれた僕は、吹っ飛んで意識を失った。そして、今だ。
目の前に広がるのは大きな城とファンタジー調の街並み。どうやらここは城下町らしい。
こういう展開は何度も本で読んだことがある。
割と落ち着いているのはそのせいかもしれない。もしかしたらただの夢かもしれないし。
今まで読んだいくつもの物語では、異世界に飛ばされた主人公はスライムになったり魔王になったり賢者になったりしていた。
僕は、一体何になっている?手と足を見る。特段変わっていない。
あ、でも服装は変わっている。町人風で、この景色にもすんなり溶け込めそうだ。
…町人か。
ほんのちょっとだけテンション下がっていると、突然おばあさんに声を掛けられた。
「おぬし…突然つかぬことをうかがうのじゃが、今急にここに現れなかったかの。まさか…おぬしこそワシの予言にあった…」
宝石が散りばめられた黒いローブを羽織ったおばあさんは、
現実世界では怪しい宗教の勧誘みたいであんまり声を掛けて欲しくない存在だけど、
この世界では話しかけられて嬉しいランキング上位に入るキャラクターだ。
「新任の先生ですか?」
え?
かくして、僕の異世界講師ライフが始まった。
一章 崩壊
おばあさんの家に招待され、よくよく話を聞けば、
おばあさんはとっても高名な予言者で、つい先日「街のはずれに先生がいきなり現れる」という予言を授かったらしい。
予言通りの時間と場所に現れたのが僕だったというわけだ。そうか、先生か。
たしかに、僕の仕事は塾講師だ。
人に教えるのは得意分野。でもまさか異世界に来てまでやることが先生とは。
ん、ちょっと待てよ…ここと現実世界の言語や生活水準がそんなに変わらないのはどうしてだろうかと不思議に思ってはいたけど、
もしかして、ここって異世界でもなんでもなくて、現実世界の日本のどこかなんじゃないか。壮大なドッキリ?
ああ!そう考えたら途端にそんな気がしてきた。異世界なんて思ってちょっとテンション上がってしまった自分が恥ずかしい。
何かの企画だというなら、ここはとりあえず大人しく流れに沿って先生を始めるのがいいんだろう。
「ここはどこですか?」
「ラダトームじゃ」
「(ふむふむそういう設定ね)。先生ということですが、教科は何を教えるんですか?」
「魔法じゃ」
「(ふむふむそういう設定ね)。わかりました。えーと、教科書などありますか?」
おばあさんは「これじゃ」と、机に置いてあった分厚い本を僕に手渡した。適当にページを捲ると、そこには見慣れた九九の数式が書いてあった。そのページのタイトルには『玖玖(九の旧字体)』と書かれていて、各段の上には『壱ノ弾』みたいに見出しがある。よく凝ってらっしゃる。
「九九?これが魔法の教科書ですか?」
おばあさんは少し不思議そうな顔をしながら、「ちょっとやってみるかね」と、3の段を言い始めた。単なる九九というよりは、なんだか魔法の詠唱をしているみたいだった。設定、本当よく作り込んである。しかし、次の瞬間、不思議なことが起こった。
おばあさんが3の段を言っていると、中盤からおばあさんが光で包まれていって、後半になるにつれだんだんとその光が強くなっていった。そして、言い終えると、「ぽん」という音とともに見知らぬ生物が宙に浮いていた。
「これがワシの使い魔のポンちゃんじゃ。それとも何か、こんな基本的な魔法は魔法とは言わんじゃろ、みたいなことじゃろか」
僕は目をまんまるくしながら、心の中で叫んでいた。
異世界だったー!!!!!
なんとなくそうだよねと信じてはいたけど、やっぱりここは異世界だったー!!!!!間違ってなかったー!!!!!
だって現実世界じゃこんなこと出来んもん!絶対無理!もしもここまでできるなら喜んで騙されてやる!!!!!!!
「い、いや、久々にま、魔法の教科書を見たもので。ぼ、僕も久々にやってみようかなぁ」
ここで僕が九九を言っても何も起こらず正体がバレるという未来も想像したけれど、詠んだら一体どうなるんだろうという好奇心が止められなかった。勢いに任せて僕も三の段を詠んでいくと、後半部分から尋常じゃない量の光が僕のもとに集まってきた。これは気持ちがいい。おばあさんが少し焦っていたけれど、構わず最後まで詠み切った。
「お、おぬし、ここでそんな魔力は、マ…マズイ!!」
爆発音と共に巨大なドラゴンが召喚されて、おばあさんの家が崩壊した。
続きは下のリンクでご確認ください。
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