【2017.9.5】瑞浪深地層研究所に関する院内会合記録
2017年9月5日、岐阜県の市民団体が、参議院議員会館にて文科省、経産省の担当者と会合を持ちました。(仲介:福島みずほ参議院議員)
対応したのは文部科学省原子力科放射性廃棄物企画室と、経済産業省資源エネルギー庁放射性廃棄物対策課。
明らかになったのは、JAEAが瑞浪の瑞浪 超深地層研究所にいくらの予算をつけているか、いくらの経費をかけているかが現状明確になっていないこと、また坑道の埋め戻しまでのスケジュール見通しが立っていないことなどでした。
それに対して、市民は最終的に以下を要望しました。
・文科省は、瑞浪の研究施設に関する5年分の予算内訳について提出すること。
・経産省の受託研究についてJAEAの方に経済産業省から受託している分についてその細目をJAEAから出していただくこと。
・研究施設に関するタイムスケジュール。坑道の埋め戻しの研究についてはいつ着手し、終わるのかということを機構に確認していただくこと。
・また、2022年の返還に向かって埋め戻しの手順の地元への説明。決定してからではなく、「今こういう風に考えている」ということを含めて説明会を開催すること。
以下、長文になりますが、発言録です。
瑞浪市の超地層研究所に関する質問の主旨
瑞浪市超深地層研究所は、1995年8月に突然、発表されました。
しかし、「研究所をつくるための研究」は、すでに80年代から住民には知らされず、始められていたといいます。
放射能のゴミはいらない岐阜の兼松秀代さん:
「1986年東濃のウラン鉱山は、今はもう埋め立ててしまいました。当時、地層処分の研究をするのだということで、国の方針転換によって超深地層研究所で廃棄物の処分の研究をされることになりました。でもそれは当時の市長だけに説明されて、住民や岐阜県民には何も知らされませんでした。
さらに驚くことには1989年瑞浪あるいは東濃に地下研究所を作るということが原子力機構の理事会で決まりました。こんなこと私は思ってもみませんでした。
しかしその研究所を作ることが決められた後、掘り方の研究、地下の状態の研究、様々な研究をして超深地層研究所とおなじ直径6メートル、深さ120メートルの立坑 を掘りました。まさに研究所の実験をしたのです。
東濃鉱山の中で。
当時はまったく知らされませんでした。
そして1992年には法域地下水流動研究をしました。
ボーリングをしながら地下水の流れを研究していく、地層処分にとって地下水は本当に重要なことだから、それを調べていく。
けれども、こういうことも自治体にすら知らせていません。
地権者だけに知らされています。これも情報公開で初めて聞きました。
それくらい何も知らされないまま、研究が進んでいたのです。
情報公開の制度がなければ私たちは知ることが出来なかったのです。
そして『地下研究所を作ることができる』という目途がついてから、
1995年の8月に正式に発表しました。
文部科学省と原子力機構が説明しました。
期間は20年、予算は600億円とのことでした。
しかしその期間はもうすでに過ぎました。いつ終わるのだろうか、いつ埋め戻して返してくれるのだろうか。これが私たちの今日の一番の目標です。そのことを前提としてお話しさせていただきます。」
以下、質問事項
1. 瑞浪超深地層研究所の予算と予算執行状況の検証及び評価について
<質問趣旨>
予算が厳しく、事業が遅れているというのは本当か?
2013年9月12日に行われた市民との話し合いの際、「研究所は研究費の不足により事業が遅れている」と説明があった。それに対して2014年9月文部科学省研究開発局の増子原子力課長は、順調に研究が進むよう「予算措置も含めて文科省も最大限支援していきたい」と岐阜県知事に約束した。ところが2017年4月に、原子力機構は、岐阜県担当課に対して次のような説明をしている。「機構への予算は一括して国から交付されその中で優先順位をつけて分配される。施設の老朽化やその対策、安全対策への予算が必要なため、東濃での研究開発については予算が厳しい中、共同研究や受託研究で外部資金を導入する等して予算を確保している」。
その回答に対して大変驚いた。「予算を含めて文科省が支援していきたい」という、あの言葉はいったいなんだったのか。
(1)知事に回答されたことと矛盾していないか。
(2)原子力機構の予算要求額と、実際の配分額を具体的に公表する必要があると思うがどうか。研究所にいくらの費用を使ったのかが目の届くところに公表されていないのではないか。
(3)過去5年間の共同研究や受託研究で得られた金額を研究ごとに示してほしい。
(4)研究所の研究に関する不足金額を、共同研究や受託研究などの外部資金で補う事を今後も継続させようとお考えか。
原子力機構は共同研究や受託研究で予算を確保していると言っています。その点で食い違っているのではないかという風に思っています。でもし確認できればそれは後に意表でもしていただいて回答していただければ良いと思っています。非常に多くの共同研究をしています。
(5)文科省は機構の予算を監督する責任があると思うがどうか。
(6)文科省は機構内部の予算配分と執行状況を確認・評価していると思うので、その結果を公表してほしい。
<回答>
(1)について
文科省:機構改革もあり、外部資金も含め科学的予算獲得に努めるという方針でいます。
研究費の不足を補うために資金を活用しているということではないと認識しています。
独立行政法人制度の中では、交付金は国からの監督はしないものであり、一方で業務の執行状況に関しては大臣による評価を行う枠組みがあり、その中で文部科学省としても最大限の支援をしていくという風に認識しています。
公表については、原子力機構のHPの方に財務の状況が掲載されている。機構が毎年受けている業績評価のシートの中や事業レビューにおいても、見積もりと執行実績は公表されています。
Q:予算がどれだけ原子力機構に、超深地層研究所に割り振られているか、年度ごとに答えていただけないでしょうか。
文科省:原子力機構のHPの中で、「瑞浪の超深地層研究所計画の予算額」という形で検索すると、東農のセンターのみのページがあり、平成8年から平成29年までの予算が各年度別に掲載されています。直近の平成29年度予算額は19.4億円。
Q:そのページは見ていますが、超深地層研究所の何にどれだけ予算があってどれだけ使ったという事まで出ているのですか。今日の目的の1つが、予算と執行状況なので、19.4億円の詳細についてのデータをいただけますか。
文科省:19.4億円の内訳についてのご質問だと思いますが、19.4億円の内訳という形では出ていません。いわゆる独立行政法人であるため、契約した形で例えば瑞浪のどういった契約を結びましたかという契約情報といった形ですと出てきます。そちらは財務諸表の公表がされているのでそちらをご覧いただければ。
Q:それは瑞浪のHPの財務諸表を見れば出てくると言うことですね。
文科省:財務諸表にはセグメントといって区分けが決められており、原子力機構のセグメントというのが決められています。瑞浪を含めた形の高レベル放射性廃棄物処理処分のセグメントというものがあり、そういった形で公表がされています。
Q:瑞浪だけの数字を見るにはどうしたらいいんですか。
文科省:それは執行額という形で?それは申し訳ありませんが、ございません。
Q:国の税金が独立行政法人に流れていて19.4億円の予算がついている。そうするとそれがどのように使われているのかをチェック出来なかったら19.4億をまともに使えたか分からないので、文部科学省として、それは把握しているはずなので出してくれませんか。
文科省:過去5年分の予算の内訳を出すことはできます。
兼松さん:今おっしゃって下さった表ですね。今、何にどれだけ使ったかは、私が請求してやっとHPの中に書いてくれました。黙っていて掲載されたのではないのです。それくらい秘密体質であったことは分かってください。
Q:(5)について。文部科学省がさっきからのお答えで委託研究に関しては外部資金で研究の不足分を補うようなことはないという風に説明されました。そうすると十分な研究費が機構にはいっているというのが文部科学省のお考えですよね。そうすると委託研究はその外部とすると機構の方が資金を補うために委託研究するという説明をしています。これは非常に市民には理解しがたい説明になっているがどうでしょうか。
文科省:すみません。我々も当時技術機構の職員がどういった回答をしたか詳細には把握していないので判断できかねますが、おっしゃる通り一般的な運営費交付金が足りないからといって委託費を当てるとか交付資金を取りいれるというものはございませんので職員がどういった趣旨で言ったのか、すみません把握できていないです。
Q:詳しいことは今年4月6日、岐阜県の担当者に対して、副所長に着任したその方の挨拶の中で出て来た言葉です。どういった言葉かだったというと、
「東濃の研究開発については予算が厳しい中、共同研究や受託研究で外部資金を導入して予算を確保している。」
これは資金が足りないから外部の共同研究や受託研究をしているとしか思われません。そのことについてもう1度執行状況と、予算がいきわたっているのかどうか確認していただきたいと思います。お願いできますか。
Q:(3)の受託研究については、経済産業省から受託しているものがあると承知しているが、どのような予算になっているのでしょうか。
経済産業省:例えば処分システム評価科学室開発など、平成28年度であれば5.4億円。ただJAEA全体に対して当てている事業のため、瑞浪に実際にいくら使っているというような数字が手元にございません。例えば人件費ですね、これがどこに配分されているのかいくら使われてたのかという区分けが非常に難しいので、数字としてお示しするのは困難だと言わざるを得ない。
Q:どういう風に区分けして使われているのかというのはとても重要なことだと思うんです。私は地元では色々な噂が飛び交っています。掃除をするおじさん達の日当が1日1万いくらだというとんでもない金額で雇われている。それは元の住民をなだめすかせるために、そういうことがあるなど。ということはよっぽど厳しくしないと地元の理解が得られないということ。それをちゃんと管理してないというのは驚きました。
Q:経産省からJAEAにお金がいっている訳ですよね。JAEAに言えば分かるんですか。でも少なくてもJAEAから瑞浪に出ているお金、あるいはどういう事業に対していくら出しているのかは把握しているはずじゃないですか。
経済産業省:例えば、JAEAでやっている事業の全体像の中で、こうしたことは瑞浪でやってますという、この事業全体の中で何をやっているということくらいは説明はできるかもしれませんが、先程も申し上げたように金額において正確な数宇を区分するのが難しいと。
Q:時間をとるのはあれですが、しかし何か受託研究を頼むときはこういう研究に対していくらという契約書を提示する訳じゃないですか。
経済産業省:なので全体については当然JAEAとやっているんですけど。
Q:ただしJAEAが瑞浪とやる時には何についてのどんな研究についていくらと言った訳でしょ。JAEAに経済産業省が聞いてくれれば分かるはず。
JAEAが瑞浪と契約する時はそれは何についてのどういう項目についてこういう契約書を結び、いくらということで瑞浪におろしてるかJAEAは把握している訳だし、JAEAも把握しているということは、それを経産省も把握できるということではないですか。
経済産業省からJAEAに、JAEAがどのような契約を、どのような受託事業を瑞浪とやってそれについていくら出しているかを聞いてくれますか。
私が瑞浪の地層研究所の人間だったら、いったいいくら金が出るのか、一番の関心事ではないですか。私にいくらくれるのっていう話じゃないですか。それが分からなかったら研究所自身の予算執行はできない。
Q:委託報告に使う決算報告というのは、経済産業省がちゃんと受け取る訳ですよね。その内容に研究所自体は書いてないかもしれないけど、どういう研究でっていう細かいことは出ているんじゃないですか。人件費でいくら使いましたとか。そういう類の報告書をその福島みずほ議員の下に提出していただくということは可能なんですか。
文科省:すみません、そういう意味ではどういったご説明ができるのか1度引き取らせていただきたいと思います。ただ例えば、人件費でも東海所属の担当者が瑞浪に寄った時にかかった人件費はどこにカウントするんだといったような話がそれぞれにありまして。
Q:例えば国民の目から見たときに国の税金がどれだけJAEAに行っているのかとか瑞浪に行っているのかという数字を見る時にはどこを見ればいいんでしょうか。そういう場所は全部役所ごとという風にしか数字は出て来ないんでしょうか。
Q:決算報告書というようなのには書いていないんですか。全体の決算報告書ってこんな分厚いの毎年出ますよね。
文科省:決算報告書の中にはですね、いわゆる先程の言葉で言いますとセグメントという単位で出ていまして、瑞浪は「高レベル放射性廃棄物処分」というセグメント名の中になってございまして。瑞浪でいくら、というものはまず出ておりません。
また、決算報告書は各省庁が受け取りますので文科省から出したお金についての決算報告書は文科省が受け取り、経産省が出されたものについては経産省が受取る。それらをまとめたものは、恐らく掲載はされていないと思います。
Q:機構に委託研究でお金を出す役所は他にもあるんですか。
文科省:文科省、経産省、原子力規制庁という3省のお金は流れているが、それ以外にもあるのかと思うがすみません、定かではありません。
2. 「研究は2019年度で終了、賃貸借契約終了の2022年1月までに埋め戻して瑞浪市に返還」との約束について
文科省研究開発局の増子原子力課長は、2014年9月に「機構改革」を岐阜県知事に説明した際、「2015年~2019年の5年間で集大成してデータをNUMOと規制当局に出し、その3年後の2022年1月までに埋め戻す」としている。
<質問趣旨>
(1)岐阜県、瑞浪市、土岐市、原子力研究開発機構が結んでいる四者協定に基づき2019年度で研究を終了し、2022年1月までに返還することを関係自治体に説明する必要があるのではないか。
(2)文科省は、5年間の計画と進捗を確認し、確実な終了時期を示すべきではないか。
(3)埋め戻しの事例(海外など)を示してほしい。
(4)埋め戻しに必要な期間・経費・事後の環境影響調査などの期間について示す必要があると思うがどうか。
兼松さん:
何故私がこのようなことをしつこく言わなければならないと言うと、岐阜県は毎年必須の課題について原子力機構に詳細な計画を出させています。
何年度までにやるのだ、今どこまでに来ているのか、それは事業説明の何ページに書いているのか、変更したら何故変更したのか、その年数も書かせています。
その中で一番「ノーコメント」の部分が、坑道の埋め戻し技術の開発研究です。それは機構改革の1年目が始まった時から年度を書いていないのです。去年も書きませんでした。今年も書きませんでした。
写真:「超深地層研究所計画における必須の課題に関する研究に必要な期間案」。埋め戻し試験の欄だけ、何年かかるかの記載がない。
だから岐阜県は非常に心配しています。19年度で終わるんだろうか。埋め戻し研究がきちんと終わらなければ、延長されると思うからです。それを口実にして延長されるんじゃないか。
だから岐阜県の責任として19年度に終わることをひたすら願っているんです。
そのために原子力機構に大きな表を作らせて指示して中身を書いているんです。
けどそこにきちんと書いていない1つの項目が「埋め戻し研究」です。
埋め戻し研究の予算すら取っていないのです。
そういうことについても一体どこまで行っているんだろうということを岐阜県に説明する責任がないのですか。原子力が社会から信用を失っているとはいえ、処分事業をしていかなければならない。その時に研究所がいつまでも終わらない、約束も守らない、守るかどうかも分からない。
そういうことで信頼は得られるのでしょうか。そのことを教えてください。
<回答>
文科省:繰り返しになりますが、土地賃貸借期間までに埋め戻しが出来るようにと考えて平成31年度までに決定する、その方針については変わりません。進め方が決定した後、必要に応じて関係自治体の方に説明をするということを考えています。
文科省として引き続き適切に検討を進めるように指導して参りたいと考えています。
兼松さん:何らかの決定が出た時では遅いのではないでしょうか?
決定がでたってことは方針が出たということで、瑞浪はそれに従え、ということです。県知事も瑞浪市も「延長しろ」と言われているに等しいのではないか。
これでは全然答えになっていない。
兼松さん:2015年8月21日、「後利用検討委員会」が開かれた時に、瑞浪市長は一年間悩まれた後、「もう後利用はしないから2022年1月までに埋め戻して返してくれと」。地主(である瑞浪市)がそう言っているのです。それは岐阜新聞であれ、中日新聞であれ、朝日新聞であれみな同じ(報道)です。本当に瑞浪市民の願いなんです。岐阜県民の願いなんです。土岐市長だって賛同しますと言ってます。
そのことに対して「決定が出来たらいいます」…そんなことで信頼できるはずがありません。
経済産業省、資源エネルギー省、文部科学省の方の前で、市長が「埋め戻して返してください」と自分から言うことに、「後利用を取り消して、もう埋め戻して返してください」と言うことに、どれだけの不安や決意があったと思いますか。
本当に強い決意で市民の意見を聞きながら一年間かけて決めてきました。それをこういう回答をされるのはとても残念ですし、きちんと岐阜県や瑞浪市に説明に来てください。お願いします。
この間、幌延の地層処分研究センターに関する会合の時も、具体的な計画を示さないということがありました。2019年に終了し2020年までに完了ということで、返還するという事であれば、今年は2017年ですから、タイムスケジュールがでてこないとおかしいわけですよね。それを出してくれますか。2019年度で終了し、2022年1月までに埋め戻し返還というタイムスケジュールを示してくださいますか。
文科省:現状埋め戻しに必要な期間や、それに至る行程をお示しすることは現状では難しいが、中長期計画が達成できるように引き続き必要な検討は進めています。
Q:2019年に終了して2022年までに返すというなら、「お示しするのは困難だ」というのはおかしくないですか。
文科省:大変申し訳ないんですが、事実として現状お示しすることが困難で、引き続き中長期計画を。
Q:埋め戻しに関しても問題が起きないようにいろんなことをしなくてはいけないではないですか。だから埋戻しの研究というのも重大なテーマです。タイムスケジュールはいつ出るんですか。
実際埋戻しの研究はどこまで進んでいるんですか。
どうして2019年2022年という数字が出てきたんですか。
計画がないのに。根拠はなんですか。
文科省:機構改革で必須の項目ということで取り組むべき重点的な課題を絞り込み、それについて5年間で成果を出すことを目指すため、31年度末までの方針を決定しました。
Q:まず国の責任で2022年までに埋め戻すということを約束してほしい。
それからもう少し厳しい認識を持たないと、それで終わるかわからないという事を言いたい。
北海道幌延町の研究センターに関する会合の際にJAEAは、「研究が終わるのは2019年だからそれから埋め戻しの計画を立てる。それには設計に2年かかる。年度をまたぐことになれば3年になる」と説明されていました。
そうすると、今の段階でもう始めていないと設計できないのではないでしょうか。
埋戻しの期間が延びるという事が大問題になっていて、埋戻しは10年になるんじゃないかとかいろんなことが言われていました。とっくに設計が出来ているような状況じゃないとできないということなんですよ。省庁としてしっかり考えてもらわないと国として約束を守れないという事になります。
文科省:大変申し訳ないのですが、今この場でここに記載されている以上のことを述べることはできません。
Q:タイムスケジュールはどこで検討中なのですか。タイムスケジュールはいつ出てくるのか把握をしていますか。
文科省:詳細は把握していません。
平成31年度までに検討してお出しすることは約束します。
兼松さん:当初1000m掘ると言っていて(結果は)500mでしたし、ウランは無いと言っていたのにあった。今までどういうことをしてきてくれたんだと言いたいです。
文部科学省は過去に原子力機構の行ったことを良くご存じだと思います。東濃鉱山で黙って地下処分の研究をしただけでなく、地下研究所を作ると5年も6年も前に決めており、そのための準備のためにお金を出した。そして地下水の流れも研究した。全部ほとんど終わった段階で研究所を作るって言われたんですよ。こんなバカなことがありますか。
今、それと同じことをやろうとしているから私たちは怒っているんです。もうあんなこと2度と繰り返したくないです。
文科省:瑞浪市様に返還させていただく期限が2022年1月ということになっていて、これは平成34年1月です。現時点においてはお示しできないのですが、平成31年度末までに原子力機構の方で埋戻しの今後の進め方について決定することになっています。
Q:もっと早くから着手していないといけないのでは。もっともらしいけど全く納得できない。
Q:機構が示している日程は遅いから文科省はもっと早くしなさいというべきではないか。
これでは遅いというのが私たちの考えです。
あれだけ広くて深いところを埋め戻した経験がないのです。きちんとした計画がないととてもできません。
2020年3月に機構が示すと言われて、私たちは「はいそうですか」と引き下がれないんです。
埋め戻す前に「研究が必要でこういう風にします」って言ってもらわない限り。
実際、幌延の時も数年かかるなどと言われているので、いま埋め戻しのための研究を機構はどのようにしているのか。逆に機構を呼んで私たちで交渉してもいいですよね。つまり2022年に返還して埋め戻しが完了するためのタイムスケジュールを具体的にどう考えているのか。研究を今どのようにやっていて具体的にいつ着手し、どのような手順でどうするのか。工事現場だって住民に説明会するじゃないですか。その説明すらないんですよ。機構が一日でも早くするように言ってください。
福島議員:今日の獲得目標としては予算についての内訳を少し出してくれるというのと、この件についてはスケジュールが出てこないというのは納得できないので、機構に対して第一にこの約束を守ってくれるんですよね。
それもお答えできないのですか。
文科省:協定の順守は前提だと思っていますのでそこら辺含めて。
Q:協定とはどの協定ですか。二つありますよね。
文科省:私の方で知識がないので。私が勉強不足なだけでして。何かを反故にするとかそういうことではございません。
福島議員:今日の回答は政府としてはこれを順守すると。これがまず第一点。二点目は埋め戻しのための研究どのような進捗状況でどのようなタイムスケジュール感で、例えばこの瑞浪を全部埋め戻すのに何年かかるという風に機構はかかると判断しているのですか。半年、一年、二年、三年?研究はどのような段階であり、実際埋め戻しのための着手はいつで、いつ完了するのか。それを大至急教えてください。
文科省:確認させていただきます。十分なお答えができず申し訳ありません。
福島さん:ありがとうございます。今日機構に確認すると言ってくださったので、ぜひよろしくお願いします。機構の方から分かりませんとか今お答えできませんとかいう回答がないように、お願いします。
少なくとも今月の中ごろまでには、20日ごろまでには教えていただけますか。
文科省:はい。
3.最終処分関係閣僚会議資料「科学的特性マップの提示と今後の取組について」
<質問主旨>
(1)「現場経験を通じた人材育成」を行う場合は、JAEAのⓐ東海、ⓑ幌延研究センター、ⓒ瑞浪町深地層研究所のいずれかですか。該当する記号で答えてください。
(2)ⓒが含まれる場合、機構と文部科学省はいつ、確認し了承したのか、承認した時期とその理由を示してください。
(3)ⓒが含まれる場合、法的根拠を示す必要があると考えますがいかがですか。
(4)ⓒが含まれない場合は、その理由を具体的に教えてください。
<回答>
経産省: 7月28日に開催いたしました最終処分関係閣僚会議の資料の中で、研究開発にこれから取り組む中での「現場経験」という言葉の意味合いはなにか、というお尋ねかと思います。
前提を申し上げますと、これまでJAEAを中心に基盤的な研究をしてきた一方で、NUMOの方はこうした研究成果をベースに、より安全性の追求や効率性、経済性の追求をするための研究開発をしていかなくてはいけないというところです。今回言及した「現場経験」という言葉については、これからNUMOが研究開発をしていく中で、一般的な必要性を述べているものにすぎません。決してどこか具体的な場所を念頭に置いているものではない。
Q:NUMOは現場を持っているんです。
経産省:そういう意味では過去のことを申し上げますと、例えばボーリングをしたりという意味での現場は持っています。
Q:どこで。
経産省:横須賀です。
Q:実際には機構に委託してデータをとるため、ほとんどの現場は機構が持っているのではないか。
経産省:機構に委託している部分があったり、横須賀でやっていたりとか海外の研究所を使っています。申し上げたいのは、まさにこれからNUMOとしてどういう研究開発やっていくのかというのを、今まさに考えなければいけないと思っています。
兼松さん:NUMOのことだけじゃないです。NUMOだけ現場経験を通じた人材育成をするんだけど、「原子力機構とNUMOなど」がすることになっています。原子力機構が関わってなければ聞きません。
大事な研究機関として関わって一緒にやっていくというふうにしかとれない。この文面では。NUMOとJAEAの関係機関と連携強化やこれまでの研究開発成果などの継承を図り現場経験を通じた人材育成を促進すると書かれており、これはJAEAから受け取るだけでいいですか。現場は必要ないということですか。
経産省:これまでのJAEAの経験の蓄積をNUMOが活用させていただくということです。
兼松さん:この文面をみれば活用なんてできますか。データとか技術とか蓄積してきたことを継承する現場ってどこですか。わからない。
経産省:現場というものが具体的にここということを念頭に置いていないのでそれについてはこれからNUMOが地層処分の研究開発をどういう方向性でやっていくのか、これはまさに議論していかなくてはいけないフェーズですので、そういった中で考えていくと思っています。
Q:今までの研究開発を担っていたのが機構じゃないですか。全く切り離してNUMOの研究開発があるのですか。
経産省:おっしゃるとおり、すいません、そういう意味ではなくてあくまでJAEAや大学や産総研などの機関の成果をNUMOは引き継いでこれからやっていくということです。
Q:その場合は現場経験はいりません。わざわざ記載するということは別の意味だとくみ取ります。
経産省:今後NUMOが自分たちで研究開発をしていく中で自分たちも研究開発を行う現場が一般的にも必要じゃないですかと、どんな研究開発でも同じですけど、常に研究室の中だけで完結するものって少ないんですよね。だからこそNUMOとしても今後研究開発を行っていく中でそういったことも検討していかなければいけないということです。
Q:この文面からはどう見たってNUMOがやりなさいとは書いていない。NUMOとJAEA等の中に産総研とかが入るのは分かります。
経産省:そういった意味では「JAEAに長年の蓄積でNUMOの役割はより重要になる」と書いてありますので、文章を作ったのは経済産業省ですので、意図としてはあくまで中心的な役割を担うのがNUMOだということです。
Q:NUMOは新たな研究施設を作る可能性があるということですか。
経産省:可能性があるとかないではなくて、今後そういうことも含めて研究開発をどう進めていくかという中で考えていかなきゃいけないと思っています。
Q:ここでの趣旨はNUMOが幌延に入るということはないということを経済産業省は保証するという回答があればある程度納得できるということだと思います。そういう約束ですし。
私たちが考えているのはあくまで瑞浪や幌延の扱いというのはJAEAと地元自治体の間で結ばれている協定が順守されるという前提にあると考えています。
それでもって現場経験を通じてって言われたらいやですよ、お断りしているんです。審議会の中でもさんざん私たち意見として出させてもらいました。決着がついているんです。だから「やらせない」とここで言ってください。
経産省:そういう意味では今後まずNUMOとして研究開発を進めていくのかということを検討したいと思っています。
Q:今後NUMOとしてはそういう経験が必要だということは置いとくとして、その必要なことを瑞浪や幌延ではやりませんよと、それは協定があり、順守するし、NUMOがそういう方向性を目指そうとしても経済産業省としては協定を順守しなさいとこういう風に指導するんだとはっきりとおっしゃっていただきたい。
経産省:当然、我々は念頭においていますし、そのことはNUMOも同じだと考えています。
Q:それではもう来ないんですね。
経産省:すいません、そういう意味では繰り返しになるんですが今後のことについてはNUMOが研究開発をどういうふうに進めていくのかこれから議論していく予定であります。
Q:瑞浪も幌延も返すということになっていますのでNUMOの検討には入れられないのではないですか。
経産省:当然NUMOの検討のバックグラウンドにはJAEAとの協定の順守というのはあります。
兼松さん:苦い経験があるから申し上げます。市議会の中で「瑞浪を(処分場として)使え」とはっきりと名指しはしませんけど、再三出ました。その時に経済産業省の課長さんは発言を止めなかった。当然承知のはずなのに。「それは無理です」とおっしゃいませんでした。私たちはたまりかねて、瑞浪の研究所は協定上は使えないことになっているのになぜこういうことを言わせるのだと抗議しました。その時に課長さんはきちんと説明できず、協定を順守するとおっしゃいました。けれどもそれを信用できないのは、それが議事録の中からすっぽり抜けていることなんです。動画の中には入っているのに、課長さんのその発言だけが、その議事録から抜けているんです。
私たちそれくらい神経をとがらせて必死で見てるんです。
他人事のように言われるのは、非常に不本意です。
こういうことをして処分場に引き込まれるんだって、いつも思います。
私たちはもうもちろんNUMOと縁を切りたいし、原子力機構とも縁を切りたいです。
けれども原子力機構はお金がないからと言って、NUMOを東農地科学センターの年代科学研究所で共同研究しようというじゃないですか。
一体、この人たちって人との信頼をどう考えているんだろう。研究所は使わないといったから東濃地科学センターはいいじゃないかと。そういう風に地元を逆なでしながら研究をしています。
そういうことを積み重ねられて我慢ができないからここにきました。
きちんと「瑞浪はできません、やりません」と言っていただきたい。
繰り返しになりますが、NUMO、これから経産省も一緒になりますけれど今後どういう研究開発を進めていくのか、どういう風に進めていくかを検討するしていきますので、ただその検討過程では地元との協定をベースに進めていこうと思っています。
文部科学省、経済産業省への要望
福島議員:以下3点について、事務所へ連絡をいただけるよう、お願いいたします。
・文科省は、瑞浪の研究施設に関する5年分の予算内訳について提出すること。
・経産省の受託研究についてJAEAの方に経済産業省から受託している分についてその細目をJAEAから出していただく。
・研究施設に関するタイムスケジュール。坑道の埋め戻しの研究についてはいつ着手し、終わるのかということを機構に確認していただく。
また、2022年の返還に向かって埋め戻しの手順の地元への説明。決定してからではなく、「今こういう風に考えている」ということを含めて説明会を開催することを求めます。
以上
関連情報
れんげ通信ブログ版
「超深地層研究所埋め戻しスケジュール 岐阜県に示さず 傲慢な機構 」
http://rengetushin.at.webry.info/201710/article_4.html