技術力と優しさがチームの力…①
矢内原ウィメンズクリニック スタッフの方々のお話
2017年10月発行『i-wish ママになりたい 卵と胚と着床』
矢内原ウィメンズクリニック
矢内原 敬院長と黄木詩麗医師
矢内原ウィメンズクリニックは、生殖医療を扱う婦人科、不妊治療施設です。近所に、姉妹施設である産科施設があり、出産できる医療機関として、地元へ貢献すること、そして常に安全で幸せに結びつく不妊治療を目指しています。
その意志は、矢内原院長からスタッフに伝わり、産科施設であれ、不妊治療の現場であれ、そこにはいつも部門を越えた強いチーム力が患者さんのために発揮されているようです。
患者さんとはじめに接する大事な受付
患者さんが最初に接するのは私たち受付スタッフです。
それは、予約の電話から始まります。そのときに私たちが注意していることは、あたたかい気持ちで受け応えすること、そして分かりやすくお伝えすることです。
患者さんそれぞれに違いがあり、初めて治療を受けられる方、あるいは治療経験のある方、転院されていらっしゃる方。年齢も20代の方から40代、それ以上の方もいらっしゃいます。
あたたかく対応することに努めながら、それぞれの方が電話で話された、気にされていると思われることなどはメモにしてカルテに貼付しておきます。
なかには質問される方もいらっしゃいますから、いろいろなご案内ができるように院内のことはじめ診療内容、治療に関する知識も必要になります。そのためには、日頃からの勉強、スタッフ間での情報の共有化、各部署の方々から教えていただくことなどが役立ちますし、先生からの教えもありますので、しっかりついていくようにしています。
ただ、あくまで基本は患者さんが気持ちよくここに来られ、そして先生に必要なことが伝わり、適切な診療を受けられるようご案内していくことです。それを大切にしながら、患者さんに治療内容やその治療段階によって案内に違いもあり、また、会計、次回の予約などの窓口業務、カルテの整理業務など、1日に300人も患者さんがいらっしゃいますから、間違いがないように注意しています。
お一人おひとり、お子さまへの大切な夢と希望を持たれていらっしゃっていますし、同じ女性としても、お子さんに恵まれ、さらにお幸せになられることを応援したい気持ちでいます。
サポート力と気遣い心を大切にしたケアを行う看護師たち
私たちが患者さんと初めて接するのは、医師の診察時でその後お話する時間があります。看護師は、診療がスムーズに運ぶようケアする役目と患者さんに寄り添う役目があります。ですから、医師の診察が速やかに進み、患者さんが安心して受診できるようサポートに努めます。一言にサポートと言っても、仕事は多岐に渡り、医師のサポートという面では、医師の診断結果、あるいは治療に沿って患者さんの検査や処置、手術であればその準備やサポート、術後の対応、お薬の説明などがありますが、不妊治療という専門性や生殖医療という特殊性から、知識や倫理、そしてカウンセリングまで必要になってきます。そして、それぞれがきちんとできなければなりません。
きちんとできるためには、部署ごとでの力だけでなく、連携したチーム力がとても大切です。受付からの情報、培養室からの情報、そして医師からの情報。その情報の共有化のために、スタッフの話し合いが役立っています。ミーティングだけでなく、スタッフ同士のちょっとした声かけの時にも話しやすさや信頼関係が上手くできていると思います。
実際に診療の場では、お一人おひとりを受付と連動して的確に、間違いのないよう医師に、そして診察終了まで誘導します。その時に、患者さんがどのようなお気持ちでいらっしゃるのか、心の面でもアンテナを張り、患者さんからの声を聞いています。
患者さんは、医師の診断を受け、自分の状態を案じて私たち看護師に相談をされることがよくあります。
治療の内容のことや、なかには医師への不満、ご自身が努力できることはないか、食生活や生活習慣における質問であったり、あるいはご主人やご家庭内での不満や愚痴、お仕事をされていらっしゃる方は、職場でのご苦労や通院と仕事の調整、そして経済的なことまでいろいろです。こうした患者さんの様子から、私たちにできることはないか、心の支えになることはないか、患者さんが知りたい情報の提供も必要となってきます。ここ矢内原ウィメンズクリニックは、そういった部分までの患者さんサポートの充実も大切なことだと考えて、それぞれが仕事していると思います。仕事の範囲も多くなってきますが、そうしたことで患者さんのストレスが軽減されて、なお結果がよければ私たちにとっても嬉しいことです。そのために、何よりも私たち自身がいろいろな情報を持っていないといけませんから、医療や看護における最新情報の収集は当然ですが、いまどきの健康法、食事や運動の分野の情報提供にも気を配っています。
医療や看護における最新情報は、学会に参加して収集したり、それら発表に対する院内での医師やスタッフによる感想や意見を聞いたり、また院内のミーティングが役立っています。
このミーティングを通してもそれぞれの部署からの情報やその分野での知識が得られ、それらを患者さんにフィードバックすることもできます。
患者さんがどのような様子なのか情報の共有化ができ、患者さんお一人おひとりへの理解やサポートへの意識も高まります。