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「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

神奈川県公立高校入試問題「数学2022(令和4年度)」分析。問題と正答率から対策方法や勉強方法まで解説!

2022.03.26 05:50


今回はタイトルの通り、2022年度高校入試の「数学」の学力検査の問題をとことん見ていこうと思います。次回以降の受験生の参考になれば幸いです。





平均点と概要



2022年度の数学の平均点は52.9点でした。これはここ5年間の中では2019年度(50.3点)に次いで二番目に低い数値でした。


教科間で見れば、英語の52.1点に次いで低い数字です。ただ、数学と英語ではそのデータの中身は大きく異なっています。


簡単に言ってしまえば、得点上位層と下位層の差が小さいのが数学、差が大きいのが英語です。


英語は、トップ校を受けるような人たちはみんなできて、苦手な人はとことんできない科目。対して数学は、トップ校を受ける人たちでもなかなか点が取れなくて、逆に苦手な人は計算問題をしっかりとればそこそこ点数が獲得できる科目というわけです。


合格者の得点分布を見ると一目瞭然ですね。


なお、合格者の90点以上のおよその割合は、英語が16.2%、国語が15.7%、理科が20.8%、社会が28.4%に対して数学は2.8%です。どれだけ数学で高得点が取りづらいか分かりますよね。数学が得意な子にとっては不利な傾向です。来年はまた少し変わるかもしれませんが。


こんな風に「なぜ数学で高得点が取りづらいのか」という謎については、以下でじっくり説明していければと思います。そこには恐るべき秘密が…!!なんて興味喚起のために煽るだけ煽っておきましょう。


また、昨年の分析は『【2021年度数学】神奈川県公立高校入試問題分析と解説(令和3年度)綺羅星の数学編』の記事でご確認ください。


それでは、そろそろ数学ミステリーの謎を解き明かしに参りましょうか。確認していくのは、問題の中身と正答率と配点です。いくつか問題は簡単な解説も付け加えていきますね。



問題の中身



問1 計算


さぁ、問1はシンプルな計算問題です。ここが「数学は苦手な子でもそこそこ点が取れる」理由の一つでもあります。正答率と配点を見ていきましょう。


(ア) 97.3% 3点

(イ) 87.4% 3点

(ウ) 89.5% 3点

(エ) 93.6% 3点

(オ) 89.2% 3点


どうでしょう、これだけで15点ゲットです。逆に言えばここは絶対に間違えてはいけないところということです。解きたい人のために答えは最後に置いておきますね。



問2 小問集合


問2は小問集合です。多彩な問題が並んでいます。


(ア) 80.4% 4点

(イ) 92.3% 4点

(ウ) 78.4% 4点

(エ) 59.2% 4点

(オ) 69.6% 4点


まだまだ正答率高い問題が続きます。すべて正解で20点。問1と合計で35点稼げます。(エ)と(オ)以外はみんな正解したいですね。中堅校以上を目指す子は(エ)と(オ)も完答を狙ってください。



問3 大問集合


近年こういう形式が続く問3を私は「大問集合」と呼んでいますが、その名の通り大問一つぐらい重い問題がどどどんと続きます。厄介です。一つずつ正答率と配点と解き方を確認してみましょう。


(ア) i-a 80.1% 2点

(ア) i-bc 78.6% 3点

(ア) ii 37.8% 4点


(ア)は平面図系の証明問題ですね。神奈川県は図形大好き王国なので、こういった問題は練習を積んできた子も多かったのではないでしょうか。


一応解説を載せておきますが、もちろん答えは一つじゃないので参考までに。兎にも角にも図形問題はわかることを図に書き込むのが鉄則です。頭の中でやろうとしても無駄な時間とメモリを使うだけですからね、テキパキ書き込んでしまいましょう。


問題文中のヒントは必ず使いますから、活用させていただきましょう。



iiは時間との勝負でしょうね。ただ正答率としてはそこまで低いわけではないので、配点的にも取れると大きい問題です。


続いては(イ)です。ヒストグラムや代表値についての問題ですね。内容の理解とちょっとした推理力が必要です。それにすぐ手を動かす強さですね。


(イ)  25.4% 5点


次に来るのが、(ウ)です。円周角メインの問題。これも難問、というより時間をかければ正解できたという子が多かったのかもしれません。ここもまずわかっていることを書き込むところからスタートしていきましょうね。なお、上から順番に解いていくと、この問題がこの年から導入された「大学入試っぽいマークシート」を使う最初の問題ですので、慎重に答えた方も多かったのでは。


(ウ) 16.3% 5点


問3ラストの(エ)が、正答率的に今回の入試問題最高の難問です。正答率は驚異の0.7%。配点は6点で大きいですが、回避した子も多かったのではないでしょうか。


(エ) 0.7% 6点


この問題の解説は後日「大好きな過去問シリーズ」で扱いたいと思います。更新をお楽しみに。→更新しました。


問3は全部で25点。でもここを全部解くのは至難の業ですから、見た目である程度選択をして、できるところから点を取っていくというのが定石になるんでしょう。



問4 関数


問4は神奈川高校入試数学界の重鎮、関数さんの問題です。思わず「さん」をつけたくなってしまうほど、毎年常連の大御所です。正答率と配点は以下の通り。


(ア) 87.0% 4点

(イ) 74.6% 5点

(ウ) 6.9% 6点


ここは絶対におさえたい(ア)、いけたらいきたい(イ)、トップ校にいくなら狙いたい(ウ)といった感じでしょうか。以下解説です。ここも今まで通り図にどんどん書き込んで考えるのがコツですよ。



問5 確率

問5は確率。こちらもほぼほぼ皆勤賞なんじゃないでしょうか。


余談ですが、昔あまりにも「サイコロの確率問題」が続くので、受験生たちはその準備ばかりしちゃって、「袋からカードの確率問題」になった途端平均点がガクンと落ちたことがあるといわれる確率ですが、安心してください、今回はサイコロ2つです。そうです、サイコロ2つならまず図を書きましょうね。


ただ、上記の件からもわかる通り、思考停止せず「なぜサイコロ2つだと図を書くといいのか」という問いかけはぜひいつも抱えておくようにしてください。「こうだからこう」という考え方は、実は応用がききません。


(ア) 76.9% 5点

(イ) 14.7% 5点


トップ校を目指す子であれば、できれば両方取りたいですね。どうしても確率が苦手という方は、その時間を図形に費やしてもいいかもしれません。



こういう問題を解くときに、「法則みたいなものを見つける!」という頭でやるよりは、「やっているうちに見つけることがある!」という考えのもとで突き進む方が、結局早いかもしれません。


確率は関数同様過去問が多くありますので、じっくり練習して挑むようにしましょうね。



問6 空間図形



なぜこんな形の図形の体積を求めるのか、その意味はあまり分かりませんが、その道中を楽しむのが数学の醍醐味です。正答率と配点は以下の通り。


(ア) 52.2% 4点

(イ) 42.6% 5点

(ウ) 2.7% 6点


可能なら(ア)と(イ)狙いたいですね。くどいようですが、まずは書き込みから始めましょう。見た目に騙されないように。



最短距離は展開図を使って考えると分かりやすい」と、昔私が通っていた塾の先生も言っていました。そのぐらい伝統的な考え方です。


さぁ、これで全問題の正答率と配点の確認が終わりました。最後にいよいよ対策を発表しましょう。一応確認ですが、ここまでついてきていますか?



高校入試数学の倒し方



ついてきていようがいまいが関係ありません。ついに、数学ミステリーも佳境です。そろそろ空気を読んで完結させましょう。


高校入試の数学対策に取り組む場合は、まずある程度でいいので目標点数を決めましょう。それによってどこからどこまでどのぐらい練習を重ねるかが変わってきます。


以下は、正答率ごとに全問正解したら何点になるかをまとめたものです。


80%以上 29点

70%以上 46点

60%以上 50点

50%以上 58点

30%以上 67点

10%以上 82点

邪悪なトップ3を退治 100点


これを参考に、どこまでを狙うのかをなんとなく把握しておきたいですね。


数学が苦手な子は、段階に応じてまず60%以上の問題の練習をひたすら重ねましょう。どの程度が正答率60%以上の問題なのかは、数学の場合ある程度見た目でわかると思います。それに似た問題が出てきても正解できるようになっておけば、50点近くは固くなりますよね。


より具体的に言えば、狙う問題というのは、計算問題と各大問の(ア)(イ)です。(ウ)の問題はそこが固まってきてから練習するようにしましょう。極論、本番では練習しなかったゾーンの(ウ)の問題を1秒も見なくて大丈夫です(極論です。もしかしたら今後そこに簡単な問題を仕込んでくるかもしれませんので注意)。


まずは計算単元を固めて、次に関数と確率で、最後に図形の勉強をするという流れでもいいかもしれません。


さて、そこから更に上の点数を狙う場合についてもお話ししておきましょう。その際は、情報の取捨選択が大切になってきます。言い換えれば、どの問題にどれだけ時間を使うかということですね。


こればっかりは、実際に解いてみて自身の得意不得意や状況に応じて考えてみないと、何が正解かは分かりません。


なので、数学で高得点を狙わなくてはならない場合は、なるべく早く3年間の数学の内容を終わらせるようにして、総合問題演習で力をつけていくようにしましょう。


イメージとしては、



みたいな感じでしょうか。でも、「なるべく」を焦らないでくださいね。理解していないのに先へ進んでも意味はありませんので。


以上、ひたすら長々と綴ってきましたが、正答率と配点から数学の対策を考えてみました。少しでも参考になれば幸いです。


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

もう勝負は始まっている。


あ、答えです。