提案『指先が弱いと取りこぼすもの』
最近はファインモータースキルという言葉を耳にするようになりました。これは手先や目の周りの小さな筋肉を成長させる運動のことで、私が何度もブログで取上げ記してきた微細運動のことです。
この数十年子供達の指の力が低下しクレヨンを持つ力の弱々しさに加え、そんなに長く持っていないにも拘らず疲れたとクレヨンを手放すことを目にするようにもなってきました。
またご家庭で指先に力を入れた遊びを意識して取り入れることも減少していることに警鐘を鳴らす意味でこの記事を記します。
このファインモータースキル(微細運動)は細かいことを行う上で必要であり、あらゆる能力を培い獲得するために重要な運動なのです。また目と手などの協応動作とバランス感覚を必要とする上記の絵画のような動作のように2つ以上の動作やスキルの連動でも使用する重要なものなのです。
このファインモータースキル(微細運動)を必要とする動作が、小さなものを摘む掴む、文字を書く、絵を描く、はさみを使用する、はしやその他のカトラリーを扱う、ボタンやスイッチを押すなど挙げるときりがありません。しかし子供達にとり近い将来必要不可欠なの学習の基本となる書く・描く動作です。またこの動作にはある程度の正確が求められ、尚且つ小さな動きを調整する力も求められます。
このファインモータースキル(微細運動)が生後8ヶ月頃で出現し1歳のお誕生日を向かえる頃までに驚異的に力を伸ばしていきます。離乳食を手で食べる時期と重なり、床に落ちている小さな埃やごみを掴みだす時期と重なります。
この知識が有ると無いとでは子供にこの力を獲得させるための働きが弱くなります。手掴みで子供自身が食事の動作をせずに、お母様がスプーンで口元に運んでいるのであればその力の獲得のチャンスを阻害しているといっても過言では有りません。手や顔、テーブルなどの汚れを気にしていると、ファインモータースキル(微細運動)に付随する力を育むチャンスも奪うことになるのです。
ファインモータースキル(微細運動)に付随する力とは思いの他多くあり、実は乳児期の頃に発見するのが難しい発達課題を持っているお子さんを判断するきっかけにもしています。またそのような個性を持つ子供にはより確りとした働きかけを行うことで、3歳以降に見つかる発達の凹凸のバランスを取ることにも繋がるのですが、その認識をご両親が自覚してご自宅で行うことが重要なのです。
多くのご父兄が我が子は大丈夫何もしなくてもそのまま育つだろうとお思いかと思いますが、本来は個性の有無に関わらず確りと取組んで下さいという一面と、個性を持つ場合に備えておくという考え方も必要だと思います。
では付随する力について簡単ですが記していきます。この力の獲得を強く意識されるのは一握りの親御さんで、そして以下のいづれかの力不足に気付いた場合が多いものです。後の祭りにならないように確りと手先を使うことをたくさんさせましょう。
そして不足を感じた場合でも子供はどの子も機会を与えれば順応していきます。親が決め付けず可能性を信じて楽しく取組む工夫をし生活に取り入れてほしいと考えます。
① チャレンジ力、受け入れの許容範囲の大きさ
② 取組ができるまでの粘り強さ
③ 思考力・ひらめき力・想像力
④ 創造力(ものを作り上げる力)
⑤ 情緒の育ち、感情のコントロール
⑥ 協調性(チームワーク)、人との関わり方(コミュニケーション)
指には多くの神経が通り脳の中枢神経の発達と密接に関わっています。手への刺激を増やせば脳も目覚しく発達することに繋がるのです。指先の器用さの出現が生後8ヶ月以降で幼児期に爆発的な発達を遂げますが、5歳頃までに働きかけを行うべきだと考えます。
指先を使うことが少なければ予想以上に多くのものの取りこぼしが出てきてしまいます。小さなものをたくさん摘んで掴んでを繰り返し、クレヨンでお絵描きを短時間でもいいので毎日繰り返し、指に力を入れる遊びや取組みを行い、道具を手にして正確に動かす力を獲得し器用さに繋げ、そして脳発達や感情の育み、社会性も獲得していけるように毎日を大切にしていただきたいと考えます。