くノ一桶狭間暗殺 Kindle版 [本の紹介]
kindleで読める歴史ラブストーリー。舞台は戦国時代。
「信長殿、その額にある刀傷ですが、いかがなされたのですか」
桜の脳裏に鮮やかに蘇る恐ろしい出来事。十三年前、身を挺して自分を護って
くれた少年の姿が瞼に焼き付いて離れない。その少年は位の高い侍の子供らしく、
二回りも大きな牢人に果敢に挑み傷を負った。
尾張の統一を目指す織田信長は敵陣の攻略と自身の警護を強化する為、甲賀から
敵将の暗殺を任とするくノ一桜隊を雇い入れる。那古野城の天守で初めて桜に
会った時、何故か初めてでは無いような不思議な感覚にとらわれる。透き通る
ような大きな瞳は、遠い昔心を惹かれた美しい少女の面影に重なる。
「殿の首は誰にも渡さぬと、今此処でわたしに約束して下され」
目の前にいる女は“この戦に勝て”と迫っているのだ。今川義元が率いる圧倒的な兵力を誇る
遠征侵略軍を前に自らの死の覚悟をしていた信長は返事に窮した。
「わしと一緒にいてくれるか」
絹の襦袢の下から現れた淡い薔薇色の裸体は、目が眩むほど艶かしい。
数奇な運命に引き込まれる二人の行方は。織田信長はいかにして桶狭間の合戦を征したのか。
覇権を争う侍同士の激しい戦いと、それを影で支える忍者の暗躍の中で繰り広げられる
胸を締め付けられるような切ない戦国ラブストーリー。
作者について 葵 倫洞
本名 石井公敏 東京世田谷生まれ。都立駒場高校、中央大学理工学部卒。英国在住。外国に長く住み、趣味の映画鑑賞が高じて日本文化を題材とした映画シナリオの創作を始める。海外から見た日本の時代小説のイメージを洗練させて、戦国史上最もアイコニックな桶狭間の合戦を舞台に、織田信長と甲賀くノ一桜との身分差の愛をテーマにした時代恋愛小説を6年かけて書き上げる。グローバル出版を目指して英語版もまもなく完成予定。