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マヤ

『温泉旅行⑦』(続・臣隆妄想劇場44)ショートバージョン

2017.11.14 15:22



客室は洋室と寝室の他に和室があり、そこで夕食の懐石料理が用意された。




舟盛りや鮑の踊り焼き、伊勢海老鬼殻焼き、金目鯛の姿煮などを堪能した。




酒もほとんどセーブすることなく、シャンパンから始まり、生ビール、地酒、日本酒の熱燗も注文した。




臣はお猪口(ちょこ)じゃ足りないと、グラスに日本酒を注ぎ飲んでいる。




隆二もかなりの量を飲んでいるが、臣ほどではない。




向かい合った二人の間で、仲居が鍋のシメの雑炊を作っている。




向かいの臣を見ると、少し赤い顔をして、口元が緩んでいて、ウルウルした目で隆二を見ている。




隆二(うわっ…これ、ヤバイっしょ…)




(過去1の甘えん坊モードに入るんじゃねーの?)




一緒に暮らしてから発覚したことだが、臣は相当量の酒を飲むと上機嫌になり、隆二に甘えてくる。




給仕する仲居越しにジッと目を見ていると、




臣は、(なに?)と声に出さず、口だけを動かした。




隆二が口をへの字に曲げて、やれやれという表情を見せると、臣は口をすぼめて投げキッスを送ってきた。




隆二(まだ仲居さんいるのに…)




「お待たせしました。お入れしますね」




隆二「あ…あとは俺らで勝手にやるので、大丈夫です」




「そうですか。では失礼致します」




仲居が退室した途端、テーブルの向こうで臣が手招きしている。




隆二(キター!)




隆二「酔ってんでしょ?」




臣「酔ってなんかいねーよ」




隆二「嘘ばっか…目が座ってるよ」




臣は「いーから、隆二くん‼︎おいで」




隆二「やだね…俺まだ雑炊食うし」




臣「冷たっ…」




隆二「臣は?雑炊食べるっしょ?」




臣「…そんな冷たい子に育てた覚えはない…」




隆二「お前に育ててもらった覚えはねーわ」




隆二「食うの?食わねーの?」




臣「いーから雑炊の前にちょっとこっち来なさい」




隆二「今食べ頃だから行かねーよ」




雑炊をお茶碗に入れる。




隆二「臣、食わないんだね?」




臣「あー…冷たい嫁…鬼嫁だ…」




隆二「嫁ちゃうし…」




熱々の雑炊をフーフーして食べる隆二。




「うめーっ♡」




臣「自分だけ…いーんだ…ヒック」




隆二(しゃっくりしてるし…)




黙って雑炊を食べながら臣を見ていると、




「うちの嫁はご飯も食べさせてくれない…ひっく」




臣はそう言って浴衣の袖を目に当てて、泣いたフリをしている。




隆二「嫁言うな!ついだげるから臣も食べな」




お茶碗に臣の分を入れて目の前に置くと、




臣「りゅうじくん…おれ、お判りのよーに酔ってて、熱さとか麻痺してわかんねーから…ひっく」




隆二「だから?」




臣「フーフーして食べさせて…ひっく」




隆二「子供かっ!」




隆二(始まったよ…)




続く