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マヤ

『溺愛⑧』(続•臣隆妄想劇場65)ショートバージョン

2017.11.14 17:25

目の前で眉を寄せて目を潤ませ、泣きそうになっている隆二を見ると、更に焦らしたくなる。




臣「ん〜…いまいち聞こえないな…」




隆二「チューしようよ」




臣「だーめ」




隆二「すん…」




臣(やべーっ…なにプレイだ?これ…

クセになりそう)




隆二「いじわる大王…」




臣(始まったよ、悪そうなネーミングの羅列)




臣「なに言っても、おれこたえないよ」




隆二「ピッコロ大魔王」




臣「……」




隆二「ティーチだ…黒ひげのティーチ」




臣「……」




隆二「チューしよ」




臣「だーめ」




隆二「すっ…すん」




臣(ダメだ…降参しそう…笑)




隆二「ねぇ…」




臣「ハッキリ聞こえるように言わないとダメーッ」




隆二「すんっ…」




臣(もう許してやっかな?)




すると隆二が臣の耳元に口を近づけ、

甘い声で、




「あいしてるよ…おみ」と言った。




ズキン…




臣の胸に優しい痛みが走った。




そこからは、よく覚えてない。




唇が捥(も)げるんじゃないかってくらいのキスをした。




隆二に何度も名前を呼ばれた。




その度に胸の奥がキュンとなり、どうしようもなく愛しさがこみ上げてきた。




カーペットの上でそのまま交わって、

空が明るくなるまで愛し合った。






小鳥の鳴き声で目が覚めた隆二は、自分に纏(まと)わりつく臣の腕を優しく解(ほど)き、




喉の渇きを満たすために、水を飲みにダイニングへ行った。




「げっ…マジか?これ…」




ダイニングに充満するカニの匂いと、テーブルの上の惨状…




キッチンを見ると、一升瓶が2本転がっている。




「おーみ…起きて手伝ってよ」




「カーテンまでカニ臭いよ…おーみったら」




臣はとっくに起きていて、隆二が脱ぎっぱなしにしたシャツに触れている。




昨日の直人との会話が甦る。






直人「で?どっちが溺愛してんの?」




直人の柔らかい笑顔が、臣を素直な気持ちにさせた。




臣は照れたように笑顔を見せて言った。





「俺っすね」