富士重工のバス(補足)
前回、富士重工のバスを取り上げましたが、同社の観光バスのバリエーションは多く、一度では魅力が充分に伝わらない恐れがありましたので、1970年代から1990年代にかけて活躍した同社のバスを改めて写真でご紹介します。
写真①
標準床のスタンダード車ですが、1番前の窓を段違いにした仕様を採用する事業者も少なくありませんでした。写真は東京の王子運送の採用例です。
写真②、③
ハイデッカーのバリエーションであったセミデッカーですが、屋根が前方から高くなっているS型と途中から高くなっているG型とありました。写真はS型が東京近鉄観光バス、G型は日の丸自動車興業です。
写真④
少数ながら日本独特なスタイリングのパノラマデッカーも製造されました。メーカーによってパノラマウィンドウの形状や位置が異なり、富士重工は比較的後方に取り付けられていました。写真は成田観光自動車で活躍した車両です。
写真⑤、⑥
フルデッカーも2タイプ用意されていました。前方窓を2枚分割にして車高が特に強調されたR1型とウィンドシールドを縦に伸ばしたR2型の2種類ありました。R1型は小田急電鉄、R2型は興和観光バスです。
写真⑦
新系列のボディとして登場したのがスケルトンスタイルで大きな1枚のウィンドシールドが印象的なR3型です。後に、スケルトンスタイルのR1やR2も登場しました。写真は藤田観光自動車のR3型。
写真⑧
直線的なデザインが特徴的なスケルトンスタイルのHDI型です。当時の富士重工は日産ディーゼルの標準ボディでしたが、他の3メーカーへの架装例も多く見受けられました。写真の日本交通はいすゞのシャーシを採用しています。
写真⑨
HDI型をベースにしたスーパーハイデッカーがHDII型です。はとバスでも初の国産スーパーハイデッカー車として1988年から1992年まで導入されました。写真はALPICOグループで、全部固定の側窓がインパクトあります。
写真⓾
HDI型の後継モデルの1M型です。このころから、各メーカーのボディの系列化が顕著になった印象です。写真は近江鉄道で、シャーシは日産ディーゼルです。
写真⑪
1M型と同時期に登場したスーパーハイデッカーの1S型です。曲線を活かしたデザインが個性を発揮していました。写真は群馬バスのいすゞ車です。はとバスでも1992年から1997年まで導入されました。
写真⑫
日産ディーゼルの2階建てバス「スペースドリーム」です。1983年の東京モーターショウで展示された国産ダブルデッカーの1台ですが、3社の中では比較的オーソドックスなスタイリングでしたが、観光地の駐車場では大変目立つ存在でした。写真は十王自動車で、前扉のない中扉のみの特別仕様です。
この他にも富士重工には魅力的・特徴的な観光バスがたくさんありましたので、機会があれば改めてご紹介します。尚、この項では当時の呼称(社名)を使用しています。また写真が古くかつ下手な為、お見苦しい点はお許し願います。