勉強にとっても大切な器のお話
君は、君の中に器を持っている。
それは勉強はもちろん、人生にだって必要なものだ。
その器がいっぱいだったり、もうすぐいっぱいになりそうなときは、
どんなに良い説明を受けても、どんなに最高の参考書を読んでも、
自分の中にその内容がなかなか入っていかなかったりする。
器は些細な事で大きくなったり小さくなったりする。
嫌なことがあったり体調が良くないと器は狭くなって、
そこへ入れたり、そこから出したりがやりにくくなる。
怒ったり落ち込んだり疲れていたり忙しかったりしても一緒だ。
いっぱいいっぱいのときには器はうんと狭くなって、
何かがそこに入ろうとするのを強く拒絶する。
器の中には大切なものが詰まっている。
その優先順位は君自身が決める。
好きなものや興味があるもの、すごくショックを受けたことや大事な人のことは、
すぐ取り出せるように器の中で整理されている。
逆に、「生きるのにこれはそんなに必要なさそうだ」と無意識にでも思ったものは、
器が狭くなったら溢れ出る位置に雑に置かれていたりする。
溢れ出たものは戻ってはこない。
また出会った時に拾うしかない。
何回か捨てても、また何度か拾ったものは、
「これは大切かも」ってきちんと仕舞われたりする。
大人はさ、経験上その器の層を厚くしたり中身を整理して軽くしたりする術を沢山知っている。
子どもはさ、大人よりもっと素直だ。ちょっとのことで器の大きさがコロコロと変わる。
「なんでこれができないの?」
「どうしてわからないかな?」
「君にはわからないよ」
「お前には無理だ」
こういった言葉は器をどんどん狭くする。
「間違えたって大丈夫だよ。思い切りやってごらん」
「さすが!よくできたね」
「確かにこれは難しいけれど、君なら立ち向かえると思う」
「お前なら楽勝だ」
こういった言葉は器を少しずつでも広げていく。
成功体験を積むと、器は大きくなる。
褒めてもらったり承認してもらうと、器は頑丈になる。
稀に信頼している人に活を入れてもらって器が広がることもあるけど、
失敗すると割れたりして中身がこぼれてしまうことだってある。
君は、君の器を持っている。
世界にたった一つ、君だけの器だ。
何を入れるか、何を取り出して使うかは君次第。
器は割れたり傾いたり小さくなったり汚れたりするけれど、
だけど、なくなることはない。
できるだけピカピカにしよう。なるべく大きな器にしよう。
それは君の人生にだって大いに役立つものだから。
お手入れの仕方はさ、大人に訊いたっていいんだよ。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
写真は、「これを持って写真撮らせてね」という無茶振りにも二つ返事でオッケーの心の器が大きいO先生。