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マヤ

『W旦那+(プラス)』第10話 (理愛の店) 三代目妄想劇場

2017.11.15 03:25

剛典の主張はこうだった。



「理愛ちゃんが拒まない限り、誰にでも権利はあるはずでしょ?」



それもそうだと、健二郎が臣と隆二を説得して、


直接理愛に尋ねてみることになった。




健二郎「リア姉、オーナー二人が留守の時だけ、がんちゃんがデートしたいって言うてるんやけど、どうする?」



理愛は、軽いかすり傷を負い、

顔や手のあちこちに絆創膏を貼っている、

臣、隆二、剛典3人の目を交互に見ている。



レコーディングや雑誌の撮影などで、臣と隆二が不在の時、理愛はLDH社長の自宅で寝泊まりしている。



店の定休日と重なった日などは、何もせず、1日ぼうっと過ごす事が多い。



理愛さえOKなら、月に1~2回あるその日だけ剛典に譲ってもいいという、健二郎に説得された上での二人の妥協案だった。



理愛の答えは100%予想できた。



来るものは拒まない。



断る訳がないのだ。



臣「理愛、嫌なら無理しなくてもいいよ」



隆二「理愛ちゃん、強制じゃないんだからね!」



剛典(なんか、俺一人悪者みたい…)



「私なら大丈夫です」と薄く微笑む理愛。



言葉を発することもなく、頭を抱え、

カウンターの椅子に座りこむ臣と隆二。



健二郎「そら、しゃあないなぁ。リア姉がそう言うんやから」



健二郎が立ったまま、二人を見下ろして言う。



「退屈なんてさせないから」と理愛の手を取る剛典。



「はい」と理愛が答える。



健二郎(全国のファンが知ったら、大炎上する光景を、いま目の当たりにしてるな、俺…)



隆二が気を取り直して立ち上がり、



「取り敢えず今日は俺ん家だから、理愛ちゃん帰ろっか」と剛典の手を振り払い、

理愛の手を引いて出て行こうとする。



理愛「えっ!?まだ片付けが…」



隆二「臣、あとよろしく!がんちゃんに手伝ってもらえ!」



特に反論もせずに臣が、



「…理愛!また明日ね」と、笑顔で手を振る。



理愛に向けた笑顔はすぐに消え、

臣の真横に立ち、満面笑顔で理愛に手を振る剛典を見て、しかめっ面をしている。



健二郎「公平っちゃ公平なスタートラインに立ったわけやな」



健二郎「あとはリア姉のオンリーワンになるために、努力あるのみやで!」



そう言いながら、臣と剛典の肩を同時に叩く。



健二郎「仲違いだけはマジでやめてや」



臣「健ちゃんは理愛に対して、なんの感情もないの?」



健二郎「…あんなボーっとした子、釣りに連れて行っても面白ないしな」



「ほら!早よ片付けてまうで!」



健二郎に促され、互いに火花を散らしながら、



予備のエプロンを手に取る臣と剛典だった。




End