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聖徳大学 文芸研究同好会

新入生へようこそ!

2022.03.31 10:32

新入生の皆さんへ

ご入学おめでとうございます🎉


#春から聖徳 タグから失礼します。

私たちは 聖徳大学所属のサークル「文芸研究同好会」の者です!!


昨今のご時世を考えると、心機一転!憧れのキャンパスライフ!……とは程遠い生活が待ち受けているのでは? 

そんな心配をする方も少なくないかとも思います。

ですが、そんな中でも我が同好会は「オンラインでも活動ができる!」という他のサークルにはない強みがあります!


「小説なんて書いたことないし、自信がない……」

「初めてのサークル活動、学年も学部も違うのに仲良くできるかわからない」


そんな方でも大歓迎!

文芸研究同好会では先輩の添削や感想を通してから 発表を行うため、初めてでも楽しく活動できます!


「文字」を通して、「小説」を通して、はたまた「アニメ」「マンガ」の垣根を越えて、沢山の好きを尊重できる同好会で、それぞれの好きが詰まった創作を一緒にできたら幸いです!!


今回は新1年生と親しみやすい、新2年生の同好会メンバーの2名の作品を紹介したいと思います!



【お題】「春」「一番安心できるところ」


文芸研究同好会は現在、TwitterのDMなどで入部を受け付けています!

興味のある方はぜひこの機会にご相談ください〜!☺️




広がる安心 / 

 


 

 少年はぽんぽんと背中を叩かれるリズムに合わせてゆっくりと深呼吸した。吸った息の中に馴染み深い匂いがあって、安堵からか少年の目はさらに閉じていく。

「寝てもいいよ」

 優しく声をかけてくれる女性の膝の上に頭を乗せたまま少年は完全に目を閉じた。女性は少年が目を閉じても変わらずその小さな背を優しく叩く。少年が完全に眠ると女性は手を止めた。

 すぅすぅと微かに聞こえる寝息を聞きながら女性は静かに目線を上に上げた。そこに立っていた青年は女性と少年を交互に見た後、

「寝たのか?」

 と聞いてきた。女性はうなずいた。青年は女性と対面になる位置にしゃがみこんで少年の顔を覗きこんだ。あどけない寝顔をさらす少年は青年の知る人物とは似ても似つかない。

 ついさっきまで緊張状態で周囲を警戒していた少年はようやく警戒することを止めた。避難してきたから仕方ないが、このままでは夜の間でさえ寝られないだろうとふんだ女性が強制的に横にさせたのだった。

 女性の前では肉体の年齢に引っ張られるのか、年相応の姿を見せる少年。彼をこの女性に任せて正解だった。

「……なあ」

「なんだ」

 青年を見た女性はぶっきらぼうにそう言った。見た目だけは美しい女性なので、何も知らない人からすれば驚きの方が勝ってしまう。しかし、青年と女性はそんな浅い付き合いではなかった。

 青年は少し口を開いたり閉じたりした。躊躇しているようにも見えた。

「早く言え」

「……あのさ、俺たちどうなると思う?」

 青年の質問には不安があった。きっとたくさん考えたのだろう。避難している間も避難が完了してからも。責任感の強い男だと女性は思う。だからこそ彼は勇者としての使命を忘れなかったのかもしれない。

 女性は一度目を閉じた。今は星が歌う頃、月が支配する世界。女性は天井もなにもないため、何にも阻まれることなく薄暗い紺の空を見上げた。

「死んだことにしてどこかでやり直すか? それとも、このまま追われ続けるか?」

 広いこの森は異形と人間との境目だった。彼らは英雄としてもてはやされた後、静かに穏やかに暮らしていたが、手のひら返しを食らった。それまで暮らしていた家を襲撃されたのでこっそりと逃げ出し、今はこの狭間の森に身を寄せていた。

「どっちにしろ普通には暮らせないだろう」

「そうだけどさ」

 青年は長い手足を放り出した。じわりと冷たい地面に横になって星たちの囁きを眺めた。

「じゃあ俺たちがやったことは無駄だったってことか?」

 女性はそんなことないだろう、と言った。青年が女性を見る。

「少なくとも必要なことだった。元々は向こうが言ってきたことだしな」

 ざわりと風が吹いて髪を持ち上げる。さすがに寒いだろうと眠る少年に家から持ってきた毛布をかければ、寒さが和らいで安堵したのか少年の表情が崩れた。

 青年は眠る少年の頬をつまむ。女性がその手をペシッと叩いた。青年は小さな悲鳴を上げた。叩かれた手を引っ込め、反対の手で叩かれた手を擦りながら青年は言った。

「もう戻れないか」

「戻れないだろ」

 温かい家も、ばか騒ぎした日々も。必要なものだけをかき集めて出てきたから財産もない。もちろん、元々ほとんど持っていなかったが。

「でも失ってないものもある」

 女性は少年の髪をすきながら言った。青年は女性の次の言葉を待った。

「良い仲間だ」

 小さく唸って少年が頭を動かす。女性は動きを止めた。青年もピタリと黙る。沈黙がおりた。やがて居心地の良い場所を見つけたのか、少年は再び眠りに落ちていった。

「良い仲間」

 青年は女性の言葉を呟く。女性は小さくうなずいた。

「私はこのパーティーに入れて良かった。そりゃ、はじめは戸惑ったさ。最愛の師を殺した奴がいたんだから。でも案外悪くなかった」

 孤独だった黒い城より、今の方がずっと温かい。女性は目を細めた。

「私にとっては安心できるところだ」

 青年はニヤリと笑った。女性はその顔を見て嫌な予感がした。その予感は当たる。青年がからかいを含んだ声で言葉を紡いだ。

「ずいぶん丸くなったな」

「そうか?」

 青年は頭の下に腕を敷く。足を組めば噛み殺していたあくびがもれる。青年も今日はひどく疲れていた。

「眠いなら寝ろ」

「ふぁ……。そうだけどさ」

 青年は目を擦った。それは眠いのに我慢して起きようとしている子どものようでかわいらしかった。

「久しぶりじゃん? こうしてサシで話すの」

 女性は記憶を辿る。たしかに彼とはほとんどサシで話したことはなかった。少年が起きているときなどは一緒に話したりもすることはあったが。

「そう言えばそうだったな」

「だろ? いっつも二人で話しちゃってさ? 俺が馬鹿だからかもしんないけど」

「よく分かっているじゃないか」

「だけど……。もう俺たち仲間だろ。同じように背負えはしない。でも軽くはできるだろ」

 女性はふっと笑った。青年はそれを見ながら今度はあくびを噛み殺さなかった。その目はゆるゆると閉じかけている。

「寝ろ、いい加減」

「ふぁ……ふ。……お前も寝れるときに寝ろよ」

 青年はそれだけ言って眠気に抗うことなく目を閉じた。数秒後、小さな寝息が聞こえてくる。女性は青年に毛布をかけてやった。今、彼に風邪をひかれると困るからだ。

 ゆっくりと深呼吸して女性は目を閉じた。まぶたの裏には最愛の師がいる。かつて共に旅をして自分を剣と魔法の両面で鍛えてくれた女性は、今はもうあの頃よりずいぶんとかわいらしい姿になって筋肉も落ち、仲間の中で見た目だけは一番弱い存在になってしまった。それでも強い意志を秘めた瞳も、小さな頭に詰め込まれた魔法や作戦も、小さな身体には毒でしかない濃い魔力も、柔軟性のある身体を使った闘い方も昔のままだった。

「安心できるところは広がるんだな」

 かつてはただ一人のそばだったのに、今ではその彼女が集めた仲間たちも含まれていた。気付けば気を許していた。

 ふっと目線を少年にさげれば、その口元が小さく緩んでいた。頬はほんのりと赤く色付き、目尻がとろりと垂れている。女性は躊躇いもなくその頬をつまんだ。

「いひゃいいひゃい」

 少年が小さな悲鳴を上げながら目を開ける。声が小さかったのは眠る青年に配慮していると考えられた。女性は頬をつまんでいた手をはなした。少年はゆっくりと身体を起こした。

「寝たんじゃないのか」

「寝てたよ、途中まで。でも起きちゃった」

 そんなに疲れていなかったし、と続けられる。女性は額をおさえた。

「どこからだ?」

「……分かんない」

 少年は身体にかけられていた毛布を肩にかけ直した。大きなそれはすっぽりと少年の小さな身体を隠した。

「寒くないか?」

「ん。寒そうだよ」

 少年は女性を手招く。ついさっきよりも近付いた女性を少年が毛布ですっぽりと包んであげれば、女性は少年を抱っこした。向き合う形で座るのはこの二人に限って言えばなれたことだった。

「師匠」

「ん~?」

「出会ってくれてありがとう」

 少年は女性の言葉に笑った。女性の頭を自分の胸に当て、優しく髪をすく。そして蕩けるような声で言った。

「こちらこそ。僕の安心できるところになってくれてありがとう」


春を告げる人 / 

 

 


 桜が咲く頃になったら花見をしようと言って少女は笑った。ふわりとセーラー服の白いタイが風で浮かんだ。僕はそれを見ながら桜は咲かないよ、と淡々と言った。

 ここ何年もこの国の桜は咲いていなかった。北から南まで、全ての地域の様々な種類の桜は蕾さえつけずに春を終えた。はじめは、来年こそ咲くと希望を持った人も少なからずいたが、年を重ねるにつれてそれも少しずつ消えていった。いつの間にか春の名物となっていた桜がなくなったため、花見をしようと言う人も少なくなった。今の春の名物はチューリップに変わったと僕は記憶していた。

 しかし少女はそんなことは関係ないと言うように屈託なく笑って言った。

「今年は咲くよ」

 まるで分かっているかのような口ぶりだった。こうと決めた少女は頑固だった。たとえ僕がどれだけ桜が咲かなくなっていることを言っても少女は聞かない。聞いても結局同じことを言うのだ。

 僕は結局、少女と花見をする約束を取り付けた。家に帰ってカレンダーのその日に花丸を書いてしまったということは、僕も実は期待していたんだと思う。

 

 三月の中旬ぐらいのその日、僕は桜の名所だった公園で少女を待っていた。何も持ってこなくて良いと言われたが、お弁当だけは用意した。花見にはお弁当がつきものだと考えている俺は結局のところ、花より団子なんだと思う。だからきっと桜が咲かなくなっても悲しくないのだ。

「待った?」

 気が付けば淡いピンクのワンピースを着た少女が僕の前に立っていた。僕は頭を左右にふった。やけにそのピンクを覚えている。桜によく似た色だった。

「じゃあ、行こ」

 少女はするりと僕の手をとった。僕の心臓が飛び出そうなほど大きな音を立てた。しかし、少女はそれに気付かなかったようだ。

 少女は焦げ茶色の面白くもない樹の並びを視界におさめることもなく、どんどん進んでいく。僕はこの道さえも有名な桜並木のはずだ、なんて思いながら少女にされるがままになった。

「これが有名な千年桜だよ」

 大きな太い樹の前で少女は足を止めた。他の樹よりも幾分か濃い茶色の幹には血管でも浮かんでいるかのようにゴツゴツとしている。上を見上げれば網のように枝が広がっていた。薄い青を塞ぐかのようなそれは牢獄の中にいるかのようだった。蕾すらないそれは立派なのにやはりどこか寂しげで、僕の心を北風がかすめていった。

「咲いてないじゃん」

 我ながらひどい言葉だったと思う。少女が傷付くような言葉が気付けば口から出ていたから、きっと僕は咲いていると思っていたんだろう。

 しかし少女はにっこりと笑った。

「これから咲くよ」

 少女は大木に触れる。そして目を閉じた。瞬間、ふわっと風がふいて春の香りがした。驚く僕の目の前で大木に白が生まれる。それはゆっくりと枝の先へと広がって、やがて、ポンッと音を立てて淡い待ち望んだ花が顔を見せた。柔らかな触れれば消えてしまうほど儚いそれがあっという間に寂しげな樹を色付けていく。その様は魔法でドレスを手に入れた女性のようだった。

「きれいでしょ」

 少女は笑った。その目には淡いピンクが写りこんでいる。キラキラと輝くその瞳はまるで魔法のように綺麗だった。

 少女は僕の手を引いて大木の前にレジャーシートを敷いた。僕に座るように促しながら少女は靴を脱いだ。僕も靴を脱いでレジャーシートの上に乗った。

「どうやったの?」

 お弁当を出しながら少女にたずねると、少女は小さく笑った。いたずらっ子のような笑みだった。

「咲いてってお願いしただけだよ」

 少女はふわりと左手を空に向けてそう言った。その手のひらに着地した淡いピンクはまるであの大木からのお礼のようだった。

 僕はその後、少女と何を話したか全く覚えていない。けれど、少女は幸せそうに咲き乱れる桜を見ていた。その横顔があまりにも綺麗で少女は桜の妖精だったのではないかと思った。

 

 それから十年は過ぎたと思う。僕は相変わらず花より団子で、花見よりも宴会の席で食べるお弁当を心待ちにしていた。

 少女が桜を咲かせた翌日、この国の桜は示し合わせたみたいに一斉に咲いた。南からも北からも桜の便りが届き、淡いピンクが人々を外へと連れ出し、陽気な音楽と臭い酒のにおいが子どもの楽園であった公園などを占拠したことは僕の記憶に強く焼き付いている。父親が浴びるほど酒を飲んで帰って来たときも、その背広にくっついていたピンクを母親は嬉しそうに愛でていた。

 僕は少女のことを言わなかった。桜を咲かせた少女は翌日には転校したという噂を聞いた。僕はその少女の名前すら覚えていなかったので、探すこともできなかった。おもしろかったのは、転校した少女の名前も顔も、誰も覚えていなかったことだった。きっと彼女は本当に妖精だったんだと思う。誰の記憶にも残らず、姿を消したんだ。

 閑話休題。

 その日は少女と行った公園で花見をしていた。あのとき少女が見ることがなかった桜並木の一部に大きな黄色のレジャーシートを敷いた。僕の他に五人も座っていたので少しばかり窮屈で、でもその分お弁当は豪華だった。僕や参加者の手には缶ビールがあって、それを飲みながら同窓会のように思い出話に花を咲かせていた。

「あれ、もうないじゃん」

「あー、買ってくるよ」

「サンキュー」

 お弁当はほとんどがなくなっていた。きっとまだ飲む気だろうし、つまみもいるだろう。そう思って言い出せば彼らは口々にお礼を言った。

 僕は持っていた空き缶を置いて立ち上がる。優しい春の光を浴びながら近くの売店に向かうその足は途中で止まった。

 ピッ、ピッ、プッ。プッ、ピッ、プッ、ピッ。

 間抜けな音が聞こえる靴を履いた小さな子ども二人と手を繋いだ女性が歩いていた。後ろ姿だったけれど、見間違えることはない。あのとき桜を咲かせた少女だった。すっかり大きくなった彼女は柔らかな表情で子どもたちの方を見ていた。

 今は平日の昼間で、人もそう多くない。小さな子どもが二人もいるからきっとすいているこの時間を選んだのだろう。僕はそう考えた。僕はまだ独身だったので、そのときは彼女の気持ちをちゃんと分かっていなかった。

「まー」

 子どもが彼女を見る。その目は少女の目と同じ色をしていた。子どもが握っていた手を開く。中には淡いピンクの花びらがおさまっていた。彼女はその子の頭を撫でる。

「まま、さかせて」

 花びらを見せた子どもよりも大きな子どもがそう言って急かす。彼女はくすくすと笑いながら花びらを受け取ると両手できゅっと握った。

 あ、と声を上げる前に彼女は両手を解放した。ぶわっと花びらが彼女と子どもたちの姿を隠す。それだけたくさんの花びらが世界をおおった。

 僕が見たとき、彼女も子どもたちもそこには居なかった。僕は頬をつねる。痛みはあった。夢じゃないんだと思う。

 どうしてここにいたのだろう。あの子どもは? そして、彼女たちはどこへ行ったのだろう。

 考えようとしたが、僕は思い出した。買い物に行くと言ってここにいるのだ。僕は慌てて売店めがけて駆け出した。

 

 それから五年は経ったと思う。僕は花見をすることはなくなった。宴会の席が苦手になってしまったのだ。お酒は健康のために控えることにしたし、若い子たちと話すには話題が合わなかった。

 けれど、桜を見ることだけは止めなかった。もちろん、昼間に見るわけではない。あれは人が多すぎて桜ではなく人を見ている気分になるからだ。

 そのため、僕は夜桜を楽しむようになった。ライトの光を浴びて紺の空に浮かび上がる淡いピンクは昼間とはまた違った風情があった。ヒラヒラと舞う花びらを目で追いかけて、ふっと学生時代に覚えた漢詩を口ずさむ。覚えたはずの漢詩がおぼろげなことが時間の流れを感じさせた。昔の人もこうしていたと聞くとその気持ちも分かるような気がした。

 その日も同じように歩いていたら、青年に出会った。黒の学ランを着た青年だった。紺の空に浮かぶ桜を見る目は、どこかあの少女に似ていた。

 青年が見ている桜はあのとき、少女が咲かせた桜よりもいくぶんか小ぶりで、枝も細かった。花の形もかわいらしく、かわいいあの少女を思い起こさせた。

「……分かった、言っておくよ」

 突如聞こえた青年の声に僕は驚く。彼の手には携帯電話があった。僕はほっと一安心した。独り言じゃなくて良かったと思ったのだ。

 しかし、しばらく青年越しに桜を眺めていると、僕は不自然な点に気付く。はじめは青年が通話しているのかと思ったが、言葉の発するタイミングが少しおかしい。それにどことなくぎこちない動きだった。なによりも、通話しているとは思えない携帯電話の画面がチラリと見えてしまった。

 ふと、青年と目があった。青年はすぐさま慌てたように駆け出した。僕は少し不思議に思いつつも追いかけることはしなかった。

 今日はこの桜を見ていたいと思った。ふわりと舞って落ちてきた花びらが僕の手に乗る。それをきゅっと逃がさないように握る。

『見てて』

 少女が両手を空に広げると花びらが舞う。僕と少女の間を埋めたのは儚いピンクで、その中で笑う少女を僕は目に焼き付けた。

 そんな僕の思い出。

「こんばんは」

 振り返ると女性が立っていた。女性は真っ直ぐに桜を見るとふわっと笑った。あの少女と同じ笑みだった。

「こんばんは……」

 僕は少しだけ恥ずかしくなって、声は普段より小さくなってしまった。

 女性は僕に会釈すると足を進めた。そして桜の幹へと手を伸ばす。ふっと目を閉じた。その瞬間、ぶわっと花びらが舞った。顔を見せていなかった蕾が開き、今、満開を迎えた。

「きれいでしょう」

 僕がそこを見るとあの少女がいた。僕は目を擦る。しかし、そこにいたのは間違いなく僕が学生のときに桜を咲かせた少女だった。

「きみは……」

「しー……。言わないで」

 少女は人差し指を唇に当てた。それから、ゆっくりと僕の手の中の花びらをとると、ぎゅっと握った。

「桜を好きでいてくれてありがとう。そんなあなたに幸あれ」

 ワン、ツー、スリーと少女が言った後、花びらが舞った。視界をふさぐほどの花びらの中、少女が美しい女性へと姿を変える。ついさっき満開にしてくれた女性だった。淡いピンクの花びらのように儚く笑った。

 

 桜の花びらが全て落ちたとき、そこには少女も女性も居なかった。

 

 


一人で月を見る君が寂しくないように。/




「おはよう、ちゃんと今日も来たよ」

そう話しかけると寝ぼけ眼の彼女はまだ眠たそうに、長い髪を左右にゆっくり揺らして大きな欠伸をした。

「今日はね、いつもより多く持ってきたんだ。一緒に食べようよ」

欠伸をしたっきり黙り込んでしまった彼女の体にそっと触れて、その肌が以前会った時よりも幾分もやつれてしまっている事に気がついた。

気がついたけれど、気づかなかったふりをした。

いつも通り、以前のように何も変わらず綺麗なままだってそう振舞った。

「あれ、また寝ちゃったの?もう、はやく起きないとボクが全部食べちゃうよ」

それは君が一番したら怒ることでしょ?

ボクがお皿のお饅頭を一人で食べちゃった時や、お月見のお団子を沢山盗み食いしちゃった時だってその華奢な体でめいいっぱいの怒りを表していたっけ。

もう色んなこと分かってるよ。

君のしたら喜ぶことも、言われて嬉しいって思う言葉も、好きな色も、好きな季節も何でも分かってる。

分かってて、意地悪してやるんだから。

それが嫌なら寝たふりなんてしてないで。

ほら、ほら。もう春だよ。

もう、起きる時間だよ。

「ね、だからさ、はやく起きてよ。一緒にお話がしたいよ、いっぱいしようよ」

返ってこない返事に、不安を誤魔化しながら触れたままの手を撫でるように上下に動かしているとでこぼことしている部分があることに気づいた。

「なんだろう、文字……?」

数年前、鳥居の前に注意書きが立てられてからはイタズラする人はだいぶ減ったってこの前彼女が言っていた。だからきっと自分で削って書いたのだろう。

傷つけられるのをあれだけ嫌がっていたのに、何を書いたのかな。

一文字一文字、ゆっくり確かめるように撫でる。


「『ひとり で みる つき が さみしく ないように』」

ボクでも読めるように、低い位置に全部平仮名で書かれたそれはやっぱり彼女の字だった。子供の書くような弱々しいものなのに綺麗で、春のような優しさが伝わってくるような字。

痛い思いをして、これが最後にもなるかもしれないって時に書く文字が「自分を忘れないで欲しい」とか「生きていたい」とかそういうのじゃなくて、またいつかここへ来るボクを思って書く。そんな優しさが、悲しいくらいに彼女らしくて文字をなぞる指が震えてしまう。

「……っもう、『寂しい』くらい読めるよ」

両腕に収まりきらないほどの大きさがあるゾウさんのジョウロが重たい音を立てて足元に転がった。

彼女が早く元気になるように、とたっぷり溜めてきた水が口からどぷどぷと音を立てて流れ出ていって、根元に小さな川が出来た。

何股にも枝分かれていく川のすぐ近くに、人房の手折られた桜の木が懐紙の上に置かれていた。

その懐紙からは仄かに桜の甘酸っぱい香りがした。

“さみしくないように“

そう言って彼女が残してくれた桜の枝は気のせいかな、なんだかとても暖かかった。

佇むことしか出来ないボクの前を散っていく花びらが、さらさらと流れていく水が、一度流れてしまった水はもう二度とジョウロには戻らない。そう言っているようで酷く胸が詰まった。



△▽△▽△▽△▽△▽△▽


ボクには小さい頃から、嫌なことがあった日や習い事を頑張った日によく通っていた神社があった。

名前に桜が入っているだけあって、この小さな神社の一番の見所は九百年以上生きたという桜の木。

当初は出生率の低下が著しく、その為に「良縁成就」「子孫繁栄」を主として建てられたこの神社は最初こそ参拝者の往来が激しかったらしい。でもそれはあくまでボクが産まれる前の話。

ボクが物心つく頃には「おばけ神社」なんて言われるほど、人の気配はしなくなっていた。

そんな神社に通うようになったのは、まだ歳が7つの頃。


十五夜の日の夕方に、ボクは「こんな問題も解けないなんて」といつにも増して厳しい母さまのお叱りに堪らず屋敷を抜け出した。

子供で屋敷育ちのボクには行く宛ても無ければ頼る人もいなくて、でもまだお家には帰りたくないからと暗がりを彷徨い続けた。

そうしてどうしようと悩んでいるところにたまたま通りかかった神社から、何やら甘ったるい匂いがして、その匂いに誘われて踏み入れたのが始まりだった。


賽銭箱の隣に置かれた茶色いソースのかかった餅を、一本手に取って躊躇なく口に入れた。

屋敷では見たことの無いものだけど、甘い匂いがするしきっと食べ物だ。

恐る恐る口に含んだそれは、屋敷で食べたどの料理よりも美味しくて何より優しい味がした。ボクのじゃないのに、まるでボクのことを思って作ってくれたかのように優しい味がした。


「美味しいでしょ?」

「うん!」


不意に掛けられたその言葉に勢いよく返事してから、あれ、来た時ボク以外に誰かいたっけと思い返す。


「でしょう?でもそれ、私のなんだよね」

「……えっ!?」


とてもびっくりした。

声がした方を振り返ると、ボクよりも少し背の高い女の子がにっこりと笑みを浮かべて浮いていた。

そう、浮いていたのだ。立っているんじゃなくて、その足元は何度目をこすって見ても確かに透けている。


「わ、何びっくりしたみたいな顔してるの。わざわざこんな所来るんだから、あの噂知ってて来てるんでしょう?」

「噂……?」


その頃は学校に通っていなかったからおばけ神社の話なんて全く知らなかった。

「えっ、うそ!知らないで来たの?」

すると今度は彼女が驚いたように声をあげて、「変装しておけばよかった」と何やら悔いている。


「せっかくの久々の参拝者なのにい……」

「ね、君は幽霊なの?」

「うーん、おしいなぁ」

「おばけ?」

「それ言ってること変わってないよ」

「じゃあ、神様……?」


なんて。幽霊もおばけも神様も、全部いるわけない。

この透けてる足だって、きっと何かのマジックとかでそう見えてるだけかもしれない。


「ふっふっふ、大せいかーい」

「えっ、」


パチンッ指先を鳴らすと、「ふふん」と得意げに笑う彼女の周りに桜の花吹雪がどこからともなく舞い始める。


「えっ、えっ!?本当に?」

「本当だよ」

「本当の、本当に……?」

「本当の本当の本当の本当!桜の木の神様だよ。ほうら、こんなことも出来ちゃう」


またパチンと音がすると、口の端に付いていたソースが一枚の花びらに変わって、母さまにぶたれて出来た頬の腫れぼったい傷もすぅっと消えてなくなった。

「っわ!すごい……!」

マジックや科学で証明出来ないこの魔法のような力を見てしまうと、もう信じるしかないよ。

見た目は神様というより、どちらかと言えば巫女さんのような服装だけれど。これが彼女の言う『変装』なのだろうか、まだ薄いけれど足のようなものがさっきよりハッキリ見えている。


「ふふ、『病気平癒』の神社だからね」

「すごい!」

「すごい?みんなは怖がるのに、君は怖がらないんだね」


不思議そうにそのまぁるい黒目をパチパチと瞬かせる。

「ぜんぜん!怖くないよ、さくらこちゃんはすごいから」

それから優しくて、可愛くて、ほらちっとも怖くなんてないよ。

お顔を真っ赤にしてプンプン怒る、ボクの母さまよりずうっと怖くなんてない。


「さくらこちゃん?」

「ボクが今名前付けたの」

「名前、ね。社名以外で呼ばれたの初めてだなぁ……」

「嫌だった……?」

「ううん、とっても嬉しい……ふふ、嬉しいからお花咲かしちゃう!」


さくらこちゃんはにっこり心底楽しそうに笑ってボクの頭に手をかざす。

すると、ぱさと音がして何かが頭に乗っかる。


「わ、花冠!」

「桜の花冠なんて珍しいんだよ、綺麗でしょっ」

「うん!大事にする!」


誰かから純粋なプレゼントを貰ったのはそれが初めてで。

あまりに嬉しかったボクはその日父さまに聞いて、花が萎れてしまわないようにガラスケースに飾っているほど大事にしている。

「ところで、さっき君が食べたお団子だけど〜」

さくらこちゃんの表情が一転してジト〜と恨めしそうなものになる。

「うっ、」

忘れていた。

このお賽銭箱の隣にあったお皿はきっと参拝者がここの神社の神様にお供えしたものだ。すなわち、それはさくらこちゃんのもの。

それをボクは勝手に食べてしまった、しかも全部。


「そうだ、その力でお団子出せたりはしないの?」

「出せないことはないけど……でも神力で出したものと、私を思って作ってくれたものとは全然違うんだよ」

「そっか、本当にごめんね?」

「ん〜〜……どうしよっかなぁ。そう簡単に許すのはあれだし、取り憑いちゃおうかなぁ〜?」

「えっ、そんなこと出来るの!?」

「ふふ出来ないよ」


あまりに恨めしそうな表情をするから、あれだけの魔法のように神力が使えるさくらこちゃんになら本当に出来てしまいそうだと慌てると、さくらこちゃんはふっと破顔して信じきったボクを可笑しそうに笑った。


「神様はね、この境内から出られないの」

「さくらこちゃん、イジワルだよ……」


未だくすくすと笑い続けているさくらこちゃんに、またからかわれたのだと拗ねる。ボクは、仲直り出来ないのかと一瞬本当に焦ったのに。


「そうだ、じゃあ一緒にお団子作ろう?」

「団子?」

「そう!今夜はお月見でしょ?毎年皆で作ってるんだけど今年はちょーっとね、神使がいなくなっちゃって」


さくらこちゃんが恥ずかしそうに目を逸らして笑った。

なんだか、神様であるさくらこちゃんがお月様にお供えしてるところを想像すると少しへんてこだ。

「お団子作り手伝ってくれたら、私のお供え物食べちゃったのも無かったことにするし、効果のいいお守りもあげるから!ね?」

元々帰りたくないと思っていたところだ、門限まであと数分、ボクは初めて悪い子になる覚悟をそこで決めた。

「いいよ、ボクも手伝うよ」

その後嬉しそうに緋袴を翻して社の奥へ進んでいくさくらこちゃんの後に続いて「わあ、この扉本当に開くんだな…」とか思いながら進んでいくと、かまどのある以外は何も無い小さな部屋に通された。


「えーっと…あと何個作ればいいの?」

「ざっと90個かな?」

「きゅっ!?そんなに?」

「一応町内の子がつまみに来るかもだからね、君みたいに〜?」

「うっ。でもこんな暗がりに…」


子供なんてくるのかな、そう言いかけて咄嗟に口を噤んだ。

ここに来るまでの廊下の様子や、境内の様子を思い返してみる。

そうだ。こんな誰も通らないような奥の方までホコリひとつ落ちていない、綺麗に整えられている。きっとさくらこちゃんがもし誰かが来た時のために常に掃除しているんだ。

そんなさくらこちゃんに、「こんな」なんて酷いことを言ってしまうところだったんじゃないか。

「なぁんてね。毎年来る子なんていないし、私が全部食べてるんだけどね」

変に気を使った分、さくらこちゃんのその言葉に肩の力がどっと抜けて持っていたお団子を落としかける。

「もう、またさくらこちゃんにからかわれた」


結局その後はお団子の半分以上をさくらこちゃんが仕上げて、ボクが丸めたのはたったの十数個くらいだけれど、さくらこちゃんはそれでも本当に嬉しそうに「ありがとう」と笑った。

「これね、手伝ってくれたお礼にお守りだよ!」

そう言って渡されたのは竹の包みにつつまれたさっきのお月見団子。


「……?でも、これお団子じゃ」

「ううん。それはね作ってくれた人のお願いを込められる、ウチ特製のお団子なの。すごいでしょ? 」

「お願い……」

「何か叶えたいことある?」

「……母さまがもう少し優しくなって皆がもっと前みたいに仲良くなりますように、とかだめかな」


さすがに贅沢な悩みすぎただろうか、でも最近の母さまは少し怖い。ずっと何かに追われているようにピリピリしていて、ボクの名前を呼んでくれたのももう遠い過去のことになってしまった。


「出来るよ!」

「っほんとう?」

「本当!だって私は『家内安全』の神様だからね」


それだと少し意味合いが違ってくると思うし、さっきは『病気平癒』って言っていた気がするけれど。

ふふん、と得意げに笑うさくらこちゃんを見ていると、何故だか本当に叶いそうな気がしてくるから神様はやっぱりすごいんだね。

門限はとっくに過ぎてしまったし、「他人からものを貰うな」という教えも破ってしまったけれど、何となく今日は怒られない気がして家に帰るのが少しだけ楽しみに思えた。


△▽△▽△▽△▽△▽△▽


それからは週に一度、お守りの効果か本当に少し優しくなった母さまに許しを得て、この神社に足を運ぶようになった。

一週間どんなに厳しいお稽古や勉強も弱音を吐かない代わりに、その一日は思い切り木の下で泣いて遊んで好きなことをした。

桜の神様であるさくらこちゃんには春の開花の時期とお月見の晩にしか会えなかったけれど、さくらこちゃんを想いながら木の下で春を待つ日々は、どの四季もボクは楽しかった。

日が長くなるだけで退屈だと思っていた春が、いつの間にか待ち遠しくなっていた。


そんな春を3回過ごした頃、ボクは10つになった。

あの時は背伸びをしていたお賽銭箱にもやっと手が届くようになった。鈴もめいいっぱい手を伸ばせば鳴らせる。

お団子を盗み食いするのも得意になった。バレるとやっぱり怒られてしまうけれど、お屋敷では食べられないその優しい味がとても恋しくなるのだ。

桜の木にはまだ届かないけれど、さくらこちゃんが枝を揺らして花びらの雨を降らせてくれるからいつも一番綺麗な桜が見られた。


そんなかけがえの無い日々も、恐らくもう長くは続かない。

さくらこちゃんは何も言わないけれど、なんとなくそう分かった。

どれだけさくらこちゃんが綺麗に手入れをしていても、境内に漂う空気は濁っていって、丈夫だった柱はボロボロに朽ち、手水舎の水はもうずうっと枯れきったまま。

前に神学を勉強したことがある。誰かに必要とされて出来た神社は、必要としている人がいなくなると廃れてしまうんだ。

ボクがみてきた限り、この3年で神社の参拝者は年々減ってきている。きっともう、今のさくらこちゃんを見ている限りその神力は長くもたない。


だから残された時間を大切にして過ごそうって。そう、週に一度のその日は常に頭の片隅に置いていたはずなのに。

実際に日を重ねて、桜が散り始めると丁寧に掬い取っていたつもりのそのどれもがほんの一部でしかないのだと、ただのボクの記憶でしかないのだと思い知った。

長く待ってやっとやってきた春が、ボクを弄ぶように瞬き一つ分の間で過ぎていってしまう。


「ね、今年の十五夜はみたらし団子にしようよ」

別れなんて感じさせないほど変わらない笑顔で、弾むような声色で緋袴を翻す。

「うん、いいね」

「でしょ?ようくんみたらし好きだもんね」

「盗み食いしちゃくらい」といつものようにからかうさくらこちゃんに、ボクはいつもみたいには笑って「まだ言ってるの」なんて言い返せなかった。

今年の十五夜、秋までさくらこちゃんは生きていられる保証なんてきっとない。そう思うと叶うか分からない未来の話をするのは、少し怖かった。


「……ふぇっ、?」

そんな不安をかき消すように頭上から桜の花びらが降り注いだ。

その中の一枚が鼻に張り付く。

「さくらこちゃん?」

「今年も咲けて、よかったなぁ」

せめてこの春が終わるその時まで、どうか咲き続けていられるように。

その他大勢の中のそのどれもじゃなくて、さくらこちゃんが咲き続けていられるように。

「また、咲けるよ」

たとえどれだけの人がこの神社の存在を忘れてしまっても、たとえさくらこちゃんがボクを忘れる時がきても。

ボクだけは、ここに咲いていた桜をずっと憶えていたい。ずっとずぅっと見蕩れていたい。


だからまた、きっと、咲くよ。咲かせてよ。

そう、信じさせてよ。



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「また来てくれたんだね」

「目を閉じているのに分かるの?」

「わかるよ、ようくんの声だもん。わたしは千のウグイスの声も聞き分けられるんだから」

約束のお月見の日が来た。

花葉は散り、もうすっかり寒くなってしまったその枝を揺らしながらさくらこちゃんは声だけは至っていつも通り明るく笑ってみせた。

それでも以前のように綺麗な瞳も、本当に花が咲いたような笑顔も見れなくなって、明らかに以前あった時よりも衰退していた。

この神社のことを必要としている人が居ない。そう、告げているようだった。

「みたらし、作ってあげられなくてごめんね」

「いいよ、そんなの。いらないもん」

「ふふ、晩ごはん食べてきてないくせに」

「いーのっ。さくらこちゃんと月が見れるなら」

何もいらない、本当だよ。

確かにさくらこちゃんのみたらし団子も、お供え物のみたらし団子も大好きで楽しみにしていたけれど。

わざと羽織を減らして肌寒さを理由に、こうしてさくらこちゃんと寄り添いながら月を見れる。

それだけで、もう甘い物なんてどれもお腹に入らないくらい満たされているから。

まだ申の刻だと言うのに、ハッキリと発光して辺りを照らすお月様にさくらこちゃんを重ねて、ほら大丈夫だと言い聞かせた。




四季折々に合わせて移り変わっては君を綺麗に飾るその風に、このままボクごと包んでどこか遠い所に飛ばしてくれたらいいのにと何度思ったことだろう。

神様も、人も、関係なくずっとふたりでいられる遠いどこかに。なんて、そんな所きっとありはしないのだろうけれど。


それでも、日に映じて美しく染まっていくその姿が、記憶の中だけのものになって、まるで、初めから全て間違えだったかのように跡形もなく消えてしまったとしても。

色々な花が咲き乱れている日々で、ボクが見蕩れていたいのは、愛おしいと思いたいのはただ一人、桜が良く似合う君だけだよ。


それだけは確かだ。