「ハチニンのヨウギシャ」を観劇して
この記事はこの公演に関する記事だけでなく、私の考えや感想、主観が多く含まれています。ご了承ください。
三輪忍です。
劇団スタートダッシュ第3回公演「ハチニンのヨウギシャ」を観劇してきました。
3日の14時公演でしたので、「星」組だったと思います。
先に反省から書くと、入場した際にこのブログのことを指していたのでしょうか。
「この公演のことをネットに書いていた方ですか?」と言われ、動揺してしまい「そうかもしれません」という、ひどく無愛想な態度を取ってしまいました。受付してくださった方、申し訳ありませんでした。はい、私がヴァン・ダインです。
と、まぁ入っていったのですが、入口で出されたオリジナルカクテルがきれいで美味しかったです。美味しすぎて、公演が始まる前には飲み干してしまいましたが、もう1杯飲むと推理に影響が出ると思い、自重しました。
渡された捜査資料に目を通していると、公演がはじまりました。
正直このようなハコで観るのは初めてで、動きがつけづらいように思いました。
しかし、その分、演者さんたちの姿勢や細かい動きで構図を意識しながら展開するところに感動しました。声が綺麗で聞き取りやすい方達ばかりだったのも非常によかったです。
もっと一挙手一投足よく観ていればよかったです。推理内容をメモしていたので、時々見てなかったことが悔やまれます。普段のミステリーDVDは謎解きの後、単純に頭を空っぽにしてもう1度見るのですが、公演というのはその点がリーズナブルに行えないところがもどかしいところです。
ネタバレしすぎないように、公演内容をまとめると……。
とある当主の死からその家族たちの歪んだ家族関係や血の繋がりといったところにスポットがあたり、互いが互いに嘘をつき……要所、要所「あれ?」と思う言葉廻しがしっかり終盤に回収されていたことは「素晴らしい!」の一言に尽きました。
星組内容で出された容疑者は最終的に二人に絞られました。来場者にどちらかを問うところでも双方十分可能性があり、じっくり悩みたかったのですが、まさかたった10秒で解答しなければならなかったとは思いませんでした。公演時間などを加味すると仕方なかったのかもしれません。……確かに、推理というより「続きはよ!」という気持ちもありましたし、ちょうどよかったです。
結果、投票により私が選んだ選択肢とは逆の展開でした。このあたりはマキコミシアターさんに近い感じといいますか、その根拠などを聞くと推理色が強くなったのかなぁと思うところです。
血のつながりの理不尽な結束力、拘束力、束縛力……二つとない関係からこそ持ってしまう、無意識の狂った力をうまく描き切っていたと思います。次の公演が待ち遠しい限りです。
今年に入って様々な人と出会い、様々な公演に触れ、ここに私ができることは何だろうと考える日々が続いています。どうすれば、ミステリーをもっと身近に感じることができるのでしょうか。いつかこの答えにたどり着くために、これからも邁進していこうと思える、素敵な公演でした。
今回の公演中のセリフに加筆して、〆させていただきます。
「どうして人は死ぬのでしょう。どうして人は生きるのでしょう」
「どうして、人は人を殺すのでしょう」
「答えは誰にも分からない」
三輪忍