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ゆとりらYOGA

「グレート・インディアン・キッチン」(映画感想)

2022.04.01 12:22

物語が動くようでなかなか動かなくて、おいしそうな料理や調理シーンが沢山出てくるのに何故か不穏な空気が流れだして…という、何ともスッキリしない、だけどとっても面白い作品でした。
チラシの「仲睦まじい夫婦」に釣られて観ると「ええっ!?」ってなると思います😱

現代のインドに残るカースト制度やジェンダーギャップをじわっとリアルに描いて(差別する側に何の悪意もないのが😠)、ラストも希望と絶望がないまぜになるような…そこがまたリアルというか。

以前、「パッドマン」(2018)を観て、インドの女性は生理の時は「穢れ」とされて、外で寝かせられたり、逆に閉じ込められたり、という事実を知りました。

この「グレート・インディアン・キッチン」でも、同じようなシーンがあり、穢れているから料理も作らない、というか作れない。
新妻が「…生理になりました」と伝えると、夫は表情を変えて「朝のお茶は入れてないよな?」と確認する。

月に1度、愛する女性を排除したい存在として扱う感性って・・・歴史とはいえそれを当たり前と思うのがすごい。

夫とその父が信心深くて巡礼に行こうとしていたり、夫はYOGAを習慣にしていたり、教育者として女子校(!)で教えていたり、と、社会的に高潔な存在でありながら、妻に対する振る舞いはほぼDV、という非常にふり幅の大きい描かれ方をしています。

妻は、最初のうちは微笑んでいるだけで、困惑しても不満を感じても感情を表わさないんだけど、そこがすっごくリアル。そこからじわじわと…!

礼拝したりYOGAしたりも大事だけど、足元をちゃんと見なさい…ヤマ、ニヤマをちゃんと守りなさい…と、映画にも自分にも突っ込みたくなるような時間でした。